2007年4月21日(土)「しんぶん赤旗」

志位委員長、参院沖縄補選で訴える


 参院沖縄選挙区補選(二十二日投票)で、日本共産党の志位和夫委員長は二十日、沖縄県入りし、夕刻の那覇市県庁前で、「県民の三つの願いを託してください」と演説しました。

 第一は、新基地建設ストップ、基地のない沖縄の願いです。志位氏は、「米軍再編」の日米合意から一年、その正体が、沖縄の負担軽減ではなく、基地の強化・永久化にあることが明らかになったと告発しました。パトリオット・ミサイルの嘉手納基地配備、パラシュート訓練、最新鋭ステルス戦闘機F22の配備など、米軍の横暴が増長していることをきびしく批判し、「沖縄は植民地ではありません。米軍の傍若無人は絶対に許せない」と力を込めました。

 さらに垂直離着陸機オスプレイも配備する名護の新基地建設の正体を指摘。「県民を欺き、基地強化をおしつける安倍・自公政権に審判を」と呼びかけました。

 米軍再編促進法案にふれた志位氏は、「協力の度合いに応じて交付金を支給──こんな卑怯(ひきょう)なやり方で基地をおしつける自公には負けられません」と呼びかけ、声援につつまれました。

 第二は、貧困と格差をただす願いです。志位氏は、生活保護世帯が本土復帰後最多となるなど、とりわけ沖縄で深刻な格差問題について安倍・自公政権の責任を批判。「貧困と格差は税金で是正するのが当然。ところが、庶民には定率減税の縮小・廃止で大増税、大企業・大金持ちには大減税と、自公政権のやっていることはあべこべです。これをすすめた自民党・公明党に怒りの審判をくだしましょう」と呼びかけ、拍手につつまれました。

 第三は、憲法九条を守れの願いです。志位氏は、改憲手続き法案の強行の動きなど安倍首相の改憲へ向けた暴走を批判。さらに世界で大問題になっている「従軍慰安婦」問題での安倍首相の妄言に加え、沖縄戦での日本軍による「集団自決」の強制という歴史の真実を高校生の歴史教科書から削除しようという政府の動きをきびしく批判。「『集団自決』が軍の命令であり、強制だったことは、多くの県民の記憶に残されており、証言でも明らかだ」とのべ、「侵略戦争をすすめた軍隊は、自国民を冷酷に死においやった軍隊でもあった──二度とあやまちをくりかえさないためにも、この歴史の真実を子どもたちにつたえていくことは、おとなの責任です」と訴えました。

 志位氏が「侵略戦争と軍国主義に無反省の勢力が、憲法改悪の暴走をはじめている。ここに恐ろしさがあります。『美しい国』どころか、軍事国家、強権国家づくり──『恐ろしい国』づくりです。この動きにストップをかけようではありませんか」と呼びかけると、大きな拍手がわきおこりました。