2007年3月24日付「しんぶん赤旗」南関東版に掲載

大企業優遇、互いに応援

聴衆納得 自も民も変わりなし

県政変えられるのは かもい候補


 神奈川県知事選初日の二十二日、横浜駅西口は三候補の激突となりました。

 自民党の推薦を受けている新人の杉野正候補(48)は、河野太郎衆院議員(自民党)らの応援を受けて、午後四時から演説をはじめました。約三百人の支持者を前に「役人、県庁をぶっ壊す」と県政批判のボルテージをあげますが、聴衆の輪はしぼみぎみ。

 午後五時から同所で演説をおこなったのが、現職の松沢成文候補(49)=民主党推薦=。約三千人を前に、石原慎太郎東京都知事、上田清司埼玉県知事の応援を受けて、三人で「首都圏連合」で協力し合ってきたとアピールしました。

 午後六時からは、無党派と日本共産党の共同の、かもい洋子(ひろこ)候補が、志位和夫委員長の応援を受けて、約四千人に「いのち・子ども・平和を守る県政に」と訴えました。

 志位委員長は開口一番、民主党の支援を受けている松沢知事と自民党の支援を受けている石原都知事が相互応援をおこなったとのべると、聴衆からは驚きの声があがり、「自民、民主両党は一心同体。融合しあっています」との批判に、大きな拍手が起きました。

 友人らと参加した松阪雅子さん(52)=横浜市港北区=は、「松沢知事と石原都知事がお互いの応援演説をするなんて、まさに自民と民主に違いがないことが示されましたね。かもいさんでなければ県政は変わらない。教育や福祉を充実させてほしい。弱者いじめの政治を変えてほしい」と話します。

 初日の論戦できわだったもう一つの点は、松沢候補がこれまでつねにアピールしてきた「インベスト神奈川」について朝の第一声でも横浜駅西口での演説でもまったくふれなかったことです。

 会社帰りに、立ち止まって志位氏の話を聞いていたサラリーマン(50)=座間市=は、民主党が松沢県政の与党として水道環境税の導入とインベスト神奈川での大企業への補助金ばらまきを支持してきたことに驚き、「民主党は、なぜ全国でも候補者をたてないのか不思議に思っていた。民主党が庶民いじめでは、野党の役目をしていない。与党にブレーキをかけるのが野党なのに、いっしょになってやっていては何の役にもたたないし、政治を変える立場ではない。いま、野党のなかでどこがいいのかを探っている。民主党には第二党だし、いいこといっていると期待していた。もっとこうした事実を知らせてほしい」と語りました。

 寒川町の皆川忠夫さん(63)は、「現職の知事も、自民党推薦の知事候補も、政策は同じですね。憲法を守り、福祉、教育をしっかりやるのは、かもいさんしかいない。インベスト神奈川は大企業優遇。庶民中心の政治にしたい」と語りました。

 「かもい候補で、神奈川から世界に平和のメッセージを発信しよう」との訴えに、何度もうなずいていたのは横浜市鶴見区の年配の女性。「基地のない神奈川にしてほしい。もっとがんばって、かもいさんの支持を広げていこうと思いました」と話しました。海老名市の女性(58)は、「座間の近くに住んでいるので、米軍の司令部が来るのは許せない。かもいさんの当選で、ストップさせたい」と語りました。