2007年3月31日付「しんぶん赤旗」に掲載

福祉とくらし・憲法守れの一票を共産党へ

自・公・民「オール与党」の悪政と対決

道府県・政令市議選が告示 千葉・大阪で志位委員長訴え


 茨城、東京、沖縄を除く四十四道府県議選と静岡、北九州を除く十五政令市議選、東京で七選挙区の都議補欠選挙が三十日、告示されました。投票日は十三知事選、政令市長選と同じく四月八日です。日本共産党は道府県議選で三百十四人、政令市議選で百八十五人、都議補選で七人の立候補者が力強く第一声をあげました。「『住民が主人公』の立場で自民、公明、民主、社民など『オール与党』の悪政に立ち向かう日本共産党の前進を」と、志位和夫委員長が千葉、大阪で、市田忠義書記局長が京都、滋賀、奈良で訴えたのをはじめ、党幹部、国会議員が各地で日本共産党の躍進をよびかけました。


 志位委員長は千葉市のJR千葉駅前で小松実、ゆうき房江両県議候補、七人の千葉市議候補とともに第一声。五百人の聴衆に、「多くの自治体で、自民、公明、民主の『オール与党』か、唯一の野党として住民の声を届ける日本共産党かが、選択の軸です。日本共産党に三つの願いを託してください」と訴えました。市原市では集まった三百五十人に、船井きよ子県議候補の支持を訴えました。

福祉とくらし

 志位氏は、第一に福祉とくらしを良くしたいとの願いを日本共産党へと呼びかけ、全国的に大争点となっている庶民大増税と国民健康保険証の取り上げの問題で、「オール与党」政治を告発しました。

 志位氏は、「国が庶民大増税の波をかぶせてきたら、手を広げて住民を守ってこそ自治体だ」と力を込め、負担増の追いうちをかける「オール与党」への審判を呼びかけました。

 また、千葉県内で二万八千七百八十八世帯にのぼる国保証の取り上げ問題では、国保料が高すぎて払いたくても払えないのが実態だと指摘。「オール与党」自治体でも、国保証を一枚も取り上げていない自治体があることを紹介し、「取り上げをやめさせ、市町村国保への県の支援増などで市の一般会計から国保会計への繰り入れをふやし、国保料の値下げを迫っていこう」と訴えました。

 「自治体とは、読んで字のごとく、住民が自ら治め、福祉とくらしを守る機関です」と志位氏。「国の悪政の下請けではない。日本共産党の勝利で自治体に『福祉の心』をとりもどそう」と力を込め、大きな拍手につつまれました。

税金の使い道

 志位氏は、第二に税金のムダづかいにストップの願いを共産党へと訴え、企業呼び込み型の巨大開発、大企業に札束をばらまく誘致補助金をやめさせようと訴えました。

 志位氏は、千葉でも誘致補助金がスタートし、日立系企業に県と茂原市で九十億円も出して、新規雇用は一人も増えなかったと批判。「これは全国で競争が始まっているのです」とのべ、神奈川では日産に百八十五億円を出したが雇用は増えず、兵庫では松下電器に百七十五億円も出して「偽装請負」が問題になっていると告発し、「大企業にばらまくカネがあったら、福祉、教育、雇用を支える中小企業にまわせの声を日本共産党に」と訴え、声援に包まれました。

憲法と平和

 志位氏は第三に、憲法擁護と平和の願いを日本共産党へと訴え、「今度の選挙は地方選ですが、この問題を政党と候補者を選ぶモノサシにしてほしい」と呼びかけました。

 志位氏は、国会での改憲手続き法案の強行の動きを批判。「九条改悪への第一歩を踏み出す計画を許すなの声をあげてほしい」と呼びかけました。

 また、「安倍政権が過去の侵略戦争を正当化する本性をむきだしにしていることが重大だ」と批判。「従軍慰安婦」問題で歴史をゆがめる首相発言の撤回を求め、「従軍慰安婦」の存在を否定した下村博文官房副長官の罷免を求めました。

 首相の姿勢に、「日本は拉致問題には熱心だが、過去の問題には無関心」との批判が米国などであがっていると指摘した志位氏が、「拉致問題の解決のうえでも、歴史をゆがめる言動をやめることが大切です」と語りかけると、大きな拍手がおこりました。

 志位氏は、「『オール与党』は『オール改憲勢力』。九条守れの声は日本共産党に」と呼びかけました。

 夜勤明けで千葉駅前を通りかかって演説を聞いた平栗正隆さん(27)=千葉市緑区=は「悪政の問題を詳しく聞けて勉強になった。そのとおりだと思う」とのべました。