2007年5月23日(水)「しんぶん赤旗」

参院選の争点、日本共産党の議席の値打ちを縦横に訴え

大阪演説会で志位委員長


 日本共産党の志位和夫委員長は二十二日の大阪演説会で、貧困問題、憲法問題という参院選の二大争点について語り、政党状況の特徴を明らかにしながら、日本共産党の議席の値打ちを訴えました。


棄民政策から3つの転換を

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(写真)訴える志位和夫委員長=22日、大阪市浪速区

 貧困問題で志位氏は、行政が社会的弱者を切り捨てる「棄民政策」ともいうべき冷酷な政治が行われていると指摘。医療、介護、生活保護の各分野で耐えがたい痛みを強いていると告発し、「弱者が生きていけない社会でいいのか。安倍政権に政治をあずかる資格はない」と批判しました。

 「国民の生存権を守るため力をつくす」と強調した志位氏は、とくに(1)庶民に増税、大企業に減税という「逆立ち」税制をただす(2)国に社会保障の責任を果たさせる(3)人間らしく働くルールの確立―という「三つの転換」を呼びかけました。

 このなかで、高すぎる社会保険料の根源に、国の社会保障への責任放棄があると指摘。国保では二十年間で一・六兆円も減らされた国庫負担をせめて四千億円もどせば、国民一人あたり一万円の値下げ、介護では50%から25%に減らされた国の負担割合のうち5%分、三千億円を元にもどせば値上げを抑えて減免制度も創設できる、さらに千九百億円で就学前までの子ども医療費の無料化制度を国の制度にすることもできるとのべ、「これらをあわせても一兆円。政府はすぐ『財源』というが、米軍再編関連で三兆円出し、財界要求で四・四兆円もの減税をやろうとする。要は政治の姿勢の問題です」と訴えました。

憲法の改悪に立ちはだかる党

 憲法問題で志位氏は、安倍政権の「改憲暴走」が、侵略戦争を正当化する「靖国」派が推進勢力の中心に座っていることなど、国民との間に矛盾を広げていることを訴え、「日本共産党が伸びることこそ改憲派への最も手厳しい痛打となります」と訴えました。

 志位氏は、日本共産党の議席の値打ちをいくつかの角度から訴えました。

 「安倍・自公政権の暴走にストップをかける議席です」と訴えた志位氏は、「靖国」派の“総本山”ともいうべき改憲・右翼団体「日本会議」自身が、「首都圏地方議員懇談会」のホームページで、「改憲を阻止しようとする日本共産党。それに対して、私どもは、自民党や民主党などの『新憲法制定派』議員と連携して新憲法を制定しようとしている」「この対立構図が今後、ますます鮮明になってくる」とあけすけにのべていることを紹介し、「まさに憲法改悪に正面から立ちはだかっているのは日本共産党です」と訴えました。

最悪コンビに立ち向かう党

 公明党については、自民党の暴走にブレーキを踏むふりをしてアクセルを踏む役割、創価学会との羽目が外れた「政教一体」ぶりの復活を告発。「安倍自公政権は、『靖国』派と『政教一体』集団の最悪コンビです。これに立ち向かうには『たしかな』立場、信念、勇気がある政党でなければなりません。タブーを恐れず、これに正面から立ち向かえるのは日本共産党だけです」と強調しました。

 「自公、民主共同の間違った政治に反対を貫く議席です」と訴えた志位氏は、「構造改革」、憲法改悪など大問題で自民党と悪政を競い合う民主党を批判。「安倍『靖国』派政権の暴走を止める力はない」と指摘しました。

たしかな野党の議席増を必ず

 さらに志位氏は、「『たしかな野党』の議席を増やしてこそ、本物の民主的政権への道が開ける」と訴え。「自民か、民主か」という「政権交代論」には(1)同じ路線での「政権交代」がもたらすものは一九九三年の「非自民政権」の失敗で明らか(2)結局は自民党政治を延命させている―の「二つの落とし穴」があると批判。「日本共産党の議席を増やしてこそ、『国民が主人公』という点で、もっとも『たしかな』民主的政権への道が開かれます」と前進・勝利を訴え、大きな拍手につつまれました。