2007年5月21日(月)「しんぶん赤旗」

全国都道府県委員長・地区委員長会議

志位委員長のまとめ


 日本共産党が十八日開いた全国都道府県委員長・地区委員長会議で志位和夫委員長がおこなった討論のまとめは次のとおりです。


写真

(写真)討論のまとめをする志位和夫委員長=18日、党本部

 みなさん、二日間の会議への参加、ごくろうさまでした。

 全国都道府県委員長・地区委員長会議では、三十名の県・地区委員長が発言しました。どの発言も、四中総決定を正面から受け止めたものであり、参議院選挙勝利にむけて、中央と全国が心を一つにして、たたかう決意がみなぎった会議となりました。

 発言は、どれもたいへん豊かで教訓に富んでいるものでしたので、全党にできるだけ早くしかるべき形で紹介するようにしたいと思います。

四中総決定をつねに指針にして情勢をとらえる――

「靖国」派の二つの動きにふれて

 四中総決定では、参議院選挙にむけた政党状況と、選挙戦をたたかう政治的構えについて、突っ込んで解明、提起をしました。

 私がまず強調したいのは、この四中総決定を、私たちが日々の情勢の進展をつかみ、それにそくして選挙闘争を発展させるうえで、つねに指針にしていくということです。

 たとえば、四中総決定では、「安倍内閣の新しい危険と矛盾」として、「靖国」派が内閣の中枢にすわったという問題について、突っ込んで解明しました。この「靖国」派の動きにかかわって、昨日、今日の、二日間の動きを見ていても、二つの重大な問題がおこっています。

 一つは、昨日(十七日)、自民党内の「靖国」派議員が、「価値観外交を推進する議員の会」なる議員集団をつくったということです。会長には「日本会議」議連副会長の衆院議員が、事務局長には「日本会議」議連事務局長が選出され、まさに「日本会議」と一体の「靖国」派の議員集団として発足したものです。

 この議員集団が何を目的としているかといいますと、「設立趣意書」には、「自由、民主主義、人権、法の支配」という「価値を擁護、普及していく外交をすすめる」、これが目的だとのべています。一見、結構なことのように見えますが、この「価値観外交」なるものは、結局、いま日本のアジア外交の最大の問題になっている歴史問題――日本が過去の侵略戦争を正当化することによってひきおこされている問題については無反省の居直りをつづけながら、この問題に対抗して、彼らの言う「価値観」なるものを押し出すという、たいへん党略的な狙いをもったものであることは明りょうです。

 だいたい、「靖国」派は、「自由、民主主義、人権」についても、まともな「価値観」をもちあわせていない、まったく時代逆行の「価値観」しかもっていないことは、四中総決定で解明したとおりですが、こういう動きが始まっていることは、見逃せません。

 もう一つは、昨日の国会質疑のなかで、わが党の石井議員が取り上げた問題ですが、日本青年会議所が作製した『誇り』と題するDVDの問題です。その中身は、戦死した青年の「英霊」が現代にあらわれ、女子高生を靖国神社にさそうというアニメーションで、青年の語りを通じて、「日本は自国を守るためにやむを得ず戦争をした」「アジアを解放するための戦争だった」と教えています。靖国神社の「遊就館」が展示している内容と基本は同じものです。いわば“靖国DVD”が作られている。

 重大なのはこのアニメーションDVDを教材にした教育事業が、文部科学省の委託研究事業に採用され、全国の学校で実行されようとしていることです。石井郁子議員が安倍首相にこの問題をただしたところ、「まだ見ていないが、日本共産党の立場から評価しているのではないか」と答えたそうです。石井議員が、どういう内容のDVDかを具体的にのべ、これは「村山談話」など政府の立場に反するものだと問題を指摘しても、問題点を認めようとせず、居直りの姿勢を、首相はこの問題でもとっているのです。

 四中総決定では、安倍内閣を「靖国」派内閣といいましたが、いろいろな形で、この勢力が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する状況が生まれています。こうした動きは、国民との矛盾を大きく広げざるをえないし、アジアや世界との矛盾も広げざるをえない。いっそう深刻な事態がつくられます。

 いま、こういう動きが起こっているときに、正面からこの「靖国」派内閣に立ちはだかって、論戦でとことん追い詰め、孤立させる仕事ができるのは、侵略戦争に命がけで反対をつらぬいた歴史をもつ日本共産党だけです。私は、幹部会報告で、日本共産党のがんばりどころだし、値打ちの光らせどころだと言いましたけれども、どの分野でもそういう事態が日々展開しているのです。

 四中総決定が解明した情勢論、政治論、政党論は、ぜひそれを常に座右において、ことあるごとにそこにたちかえって、選挙戦をたたかう指針にしていただきたい。これがまず強調したいことであります。

奮闘いかんで参院選で前進・勝利する条件はある――

すべての発言が裏付けた

 そのうえで、今日の討論を通じて、参議院選挙をたたかううえで、私たちが共通の確信にすべきだと感じたことについて、三点ほどのべたいと思います。

 第一は、四中総決定は、私たちの奮闘いかんでは、参議院選挙で前進・勝利を勝ちとる条件が存在するとのべていますが、このことが今日の三十人のすべての発言によって裏付けられたということです。

いっせい地方選挙の成果を、すべて参院選に生かす見地で

 私たちは、いっせい地方選挙をたたかい、つづいて参議院選挙と、連続選挙をたたかいます。しかし、参議院選挙のたたかいは、決してゼロからの出発ではありません。多くの発言で、「いっせい地方選挙では大きな財産をつくった。この財産をつぎの参議院選挙で生かし、さらに大きく豊かにしていきたい」ということが言われました。そのとおりです。私たちは、いっせい地方選挙が終わって、またゼロから次のたたかいをやるのではない。

 いっせい地方選挙にむけて、私たちは、要求運動でも、宣伝戦でも、組織戦でも、党勢拡大でも、国民のなかで党の支持を広げる大きな活動をすすめました。それは、つぎのたたかいに、すべて生きてきます。議席を得た選挙区でも、残念ながら得られなかった選挙区でも、つぎに生きてきます。いっせい地方選挙から参議院選挙という連続選挙を、ひと続きの流れのたたかいとして、これまでの努力をつぎのたたかいに生かすという見地で、おおいに意気高く奮闘する必要があります。

要求実現の運動と一体に参議院選挙にとりくむ――壮大な規模ですすめよう

 とくに発言を聞いて感じた二つの点についてのべたいと思います。

 一つは、国民の切実な要求を実現するとりくみと一体に、選挙戦をたたかうということが、いまほんとうに大切だということです。

 私たちがいっせい地方選挙にむけてとりくんだ要求実現の活動は、さまざまありますが、その多くは、地方政治にむけた要求であるとともに、国政にむけた要求そのものでもあります。

 たとえば庶民増税反対のたたかいは、まさに国政の問題です。高すぎる国保料の引き下げや、国保証の取り上げをやめさせるたたかいも、地方政治の問題だけでなく、根本は国政の問題です。介護保険のさまざまな矛盾を解決していく問題も、根本は国政の問題です。子育ての問題も、四中総決定では、子どもの医療費について、「国の制度としても就学前まで無料化の制度をつくる」ということを、国政上の要求としても掲げました。さらに、青年雇用の問題を、私たちはいっせい地方選挙で積極的に取り上げてたたかいましたが、これも根本をいえば労働法制の規制緩和という国政がもたらした問題です。憲法の問題は、いっせい地方選挙でも争点として訴えましたが、これは文字どおりの国政の熱い争点となっています。

 このように、いっせい地方選挙にむけて私たちがとりくんだ要求運動のかなりの問題が、まさに国政にむけた要求そのものでもあるのです。そういう要求実現の活動を、さらに大きく発展させながら参議院選挙にとりくむという姿勢が、たいへん大切であるということが、討論全体を通じて浮き彫りになったと思います。

 もちろん、幹部会報告でも強調したように、国政要求だけに狭くすることは正しくありません。発言では、住民生活の障害となっている電柱の移動のために行政と交渉したという話もありました。夜間競艇の問題もありました。これらは、それぞれの地域の問題だと思います。地域の固有の要求実現の問題も大切にして、誠実に真剣に住民とともに実現のためにがんばりぬくことは、住民の利益を守るとともに、住民の利益のために献身する日本共産党の存在意義をしめし、住民のわが党への信頼の源にもなり、これも重視していきたい。

 参議院選挙では、暮らしの問題でも、平和の問題でも、国民要求にこたえ、それを実現する運動におおいにとりくみながら、それと一体に、参議院選挙のたたかいにとりくむ。そういう壮大なたたかいにしていこうではないかということを呼びかけたいし、これまでの努力を通じてそういうたたかいに発展させていく条件が、全国どこにでもあることを強調したいのであります。

党勢拡大と後援会活動――基礎的な支持勢力を広げながら選挙をたたかう

 いま一つ、基礎的な党支持勢力を広げながら、全有権者規模での働きかけをおこなう。この見地が大事だということが、討論でこもごも語られました。

 とくに党勢拡大――党員と「しんぶん赤旗」読者の拡大で、上げ潮をつくるなかで勝利をかちとった経験は、参議院選挙においても発展的に生かしたいと思います。

 大阪・木津川南の地区委員長は、営々たる努力を通じて分厚い党組織をつくり、難しい選挙に勝利した経験を発言しました。これはほんとうに全党が一つの手本にし、目標にしてがんばりたいと感じた発言だったと思います。

 同時に、北海道・小樽の地区委員長、東京・荒川の地区委員長、千代田の地区委員長、長野・諏訪・塩尻・木曽の地区委員長、福岡・西部の地区委員長などが、選挙にむけてコツコツと党勢拡大にとりくみながら、いよいよ選挙本番だという時に、党勢拡大を横に置くというのではなくて、選挙のなかでこそ最後まで党勢拡大にとりくむという姿勢でがんばりぬいて、党勢拡大で前進をかちとった、そのことがストレートに選挙結果にもあらわれたという発言をしたことは、ほんとうに重要だと思って聞きました。

 四中総決定では、「党勢拡大の上げ潮のなかで選挙を」というスローガンとともに、「選挙のなかでこそ党勢拡大を」というスローガンを提起しています。もっとも広範な国民に党を語る選挙こそ、党勢拡大の絶好のチャンスです。選挙のなかで、強い大きな党をつくる努力を最後までつらぬく。最後まで握って離さずにがんばりぬく。このことの重要性を一連の発言が教えてくれたと私は思います。

 現実には、私たちの運動の水準というのは、選挙にむけて党勢拡大の努力をするけれども、いざ本番になるとどうしても減ってしまう、そして選挙が終わった後はもっと減ってしまうということの繰り返しの場合が多い。その繰り返しでだんだんと減らしてきたという実態があります。そうではなくて、選挙にむけて党勢を増やす、選挙の本番でも増やす、終わってからも減らさずにさらに前進する、そして選挙のたびごとに大きな党をつくっていくというような党へと前進することをめざしたいと思います。その第一歩として参院選にむけた党勢拡大の運動を位置づけたいと思います。

 小樽の地区委員長は、「最も困難な課題である党勢拡大で前進しているかどうかは、『二つの基準』の構えが貫けているかどうかの試金石だ」と言いました。これは私は、そのとおりだと思います。やはり党勢拡大というのは、いろいろな課題のなかでも一番の意識性と独自の努力が必要な課題で、放置すればどんどん後退していく課題です。そういう意味では最も困難な課題です。ここで前進しているかどうかは、「二つの基準」の構えが貫けているかどうかの試金石になります。この立場は、ぜひ全党のものにしてがんばりぬきたいと思います。

 そのさいに、党勢拡大とともに、後援会員を増やし、後援会員とともに選挙をたたかうという見地が大切です。発言でも、党勢拡大がすすんでいる党組織では、例外なく後援会の活動も重視しているというのが特徴でした。党員、「しんぶん赤旗」の読者、後援会員、基礎的な党支持勢力の全体の力を増やしながら、その力に依拠して選挙をたたかうというのは、すすんだとりくみの共通した教訓だったと思います。この教訓もぜひ生かしてたたかいぬきたいと思います。

「比例を軸に」「全国は一つ」――

このたたかいをどうやってやりきるか

 第二は、四中総決定が強調した、すべての支部、地区、都道府県が、「比例を軸に」「全国は一つ」の見地で、比例代表選挙を「自らの選挙」「おらが選挙」という立場でたたかい、比例代表選挙の目標である六百五十万票以上、10%以上という目標を達成する、これをどうやってやりきるかという問題です。

 四中総の幹部会報告では、さまざまな角度からその要をなす問題をのべました。それにくわえて今日の討論を通じて、「比例を軸に」という方針を文字どおり貫徹するうえで大事なカギがいくつかさらに見えてきたと思います。

党機関の長の戦闘的構えが決定的――まず試されるのは四中総決定徹底のスピード

 一つは、「比例を軸に」ということをほんとうに全党のものにするうえでは、都道府県の委員長、地区委員長――機関の長の戦闘的構えが決定的だということです。

 戦闘的構えという点でまず試されるのは、四中総決定をどれだけのスピードで全党のものにするか。ここで構えが試されます。そのことは、四中総の幹部会報告でも強調したわけですが、発言のなかでは、この会議と同時並行で地元の党組織と連絡をとりあって、さまざまなとりくみをすすめている経験も語られました。この全国会議の会場と、日本列島の各地で響きあい、共鳴が始まっている。四中総決定をただちに全党のものにし、実践にふみだす努力がすでに始まっているという経験が語られました。

 ある地区委員長は、地元の党組織と連絡をとってみたら、「四中総の報告集会をびっしり用意してある、だからすぐに帰ってきてほしい」という反応が返ってきたという発言をしました。寄り道をして帰る人はいないと思いますけれど、すぐに帰ってきてほしいということをいわれたということは、響きあう関係になっているわけですね。

 ある地区委員長は、地方議員のみなさんに連絡をとって、「こういう方針が決まったから、ぜひ先頭に立ってがんばってほしい」という訴えをおこなった。そうしたら議員のみなさんがすぐにこたえてくれて、党勢拡大で立ち上がり、すでに拡大で成果をあげてくれたという報告をしました。

 ある地区委員長は、地元と連絡をとって相談し、「遅くとも今月中に八割まで支部会議を開き、四中総決定を討議・具体化する段取りをたてた」ということでした。

 機関の長が、そうしたほんとうに戦闘的な姿勢で、四中総決定を、どれだけのスピードで全党員に伝えきり、具体化・実践に踏み出すか。ここで「比例を軸に」の方針にどれだけ真剣にとりくんでいるかが、まず試されます。機関の長の構えが、ほんとうに決定的だということを、一連の発言を聞きながら痛感しました。

職場支部の役割――全国の労働者党員が日本共産党員魂を発揮して奮闘を

 いま一つは、「比例を軸に」「全国は一つ」といった場合、職場支部の役割がいよいよ重要になってくるということです。

 職場支部がいっせい地方選挙で果たした先駆的な役割については、東京・千代田の地区委員長、大阪・北・福島の地区委員長などの発言が印象的でした。それぞれが教訓にとんでいましたが、東京・千代田地区委員長は、「比例を軸に」「全国は一つ」という方針をすすめるうえで、職場支部の役割が二つあるということを強調していると発言しました。

 一つは、「職場支部の奮闘なくして、六百五十万票は実現できない」ということです。もう一つは、いまこれだけ労働者のなかで貧困と格差が広がり、状態悪化がすすんでいるもとで、まさに「職場支部の存在意義が問われるたたかいだ」ということです。この二つの角度から、職場支部の役割を明確にして、みんなを激励して決起を訴えているという発言でした。

 さらにそれをやりきるために何がカギかということで、「職場支部が、自ら自覚的目標をもつことがカギだ」と、そしてその自覚的目標を、二つの見地から立てているということを発言しました。一つは、対話・支持拡大は、それぞれの党員の全国のあらゆる結びつきを生かしておこない、一党員あたりの目標はだいたい二十人――これは目安でもっと高いところもあるそうですが――ということでとりくんでいる。全国のあらゆる結びつきを生かした対話・支持拡大運動です。もう一つは、職場内のたたかいでは、二〇〇五年の総選挙の一・五倍の規模で対話・支持拡大運動をおこなうということです。こうした二重の見地から、全国的役割と職場での役割を強調して、がんばっているという発言でしたが、「比例を軸に」「全国が一つ」のたたかいをやりぬくうえで、ほんとうに職場支部の役割は決定的といってもよいほど大きいと思います。

 全国の労働者党員がほんとうに労働者魂を発揮し、日本共産党員魂を発揮して、この歴史的なたたかいにこぞって立ち上がることができるかどうか、これが勝敗を分けることになると思います。

史上空前の規模で「全国は一つ」のたたかいをやりぬこう

 ここで、私が呼びかけたいのは、今度の参議院選挙では、「全国が一つ」の選挙を、史上空前の規模でやりぬこうではないかということです。

 いっせい地方選挙でも「全国は一つ」ということを強調しましたが、参議院・比例代表選挙というのは、もともと全国一区なのですから、これ以上「全国は一つ」のたたかいがやりやすい選挙はありません。それぞれの担当している地域でのたたかいとともに、それぞれの党員が、職場支部でも、地域支部でも、青年・学生支部でも、それこそ自らの日本中のあらゆるつながりを生かして、史上空前の規模で「全国は一つ」のたたかいをやりぬこうではありませんか。

 それぞれが責任を負っている地域での宣伝・対話・支持拡大とともに、それ以外でもどれだけの対話・支持拡大が広がっているかということが、この方針に真剣にとりくんでいるかどうかのメルクマールになります。そういう位置づけで、いままでやったことのないような規模で「全国は一つ」のたたかいをやりぬくことを心から呼びかけたいと思います。

地区委員長のみなさんが、選挙戦をつうじてたくましく成長しつつある

 第三に、私は、発言全体を聞いて、今年一月、今回と、参加されている地区委員長のみなさんが、いっせい地方選挙のたたかいをつうじて、たくましく成長しつつある、その姿が生き生きと反映した会議になったと思います。

 一月の都道府県・地区委員長会議では、私は、まとめの発言のなかで「地区委員長のあり方」として、三つの点が重要だと、発言を聞いて感じたとのべました。一つは、「どんな困難があっても負けない不屈性」。二つ目は、「『わが地区をこう変える』という大志とロマン」。そして三つ目は、地区委員長の活動というのは、支部を直接に指導・援助するという「特別の醍醐味(だいごみ)のある仕事」で、これは「地区委員長の特権」であって、「苦労とともに喜びも大きい」ということです。それらのことを討論を通じて感じたということを、一月の会議では発言しました。

 それから四カ月余たってこの会議を持ちまして、今日の一連の発言を聞いてみますと、激戦をたたかいぬいた自信をどの発言からも感じました。ある地区委員長は、「地区委員長になって初めての選挙であり、十分に経験の引き継ぎもできなかった。しかし中央決定にそくしてたたかいぬいて勝利をつかみ、自信を得ることができた」という発言をしました。ある地区委員長は、「一月の会議で『地区委員長の醍醐味』ということを言われたけれど、まさに選挙を責任もってたたかいぬいて勝利をつかむという醍醐味を味わった、今度は、社会を変える醍醐味を味わいたい」。そういう発言もありました。鳥取県の米子市を含む地域を担当している地区委員長が、「昨年七月の二中総では、米子の市議選の失敗の教訓を明らかにされたが、二度とあのような失敗を繰り返さないという決意で、やるべきことをやりぬいて今度は勝利を勝ちとった」と発言したことも感銘をよびました。

 失敗からも教訓をひきだし、つぎに生かす。成功しても小成に安んぜず、さらに前進をはかる。こういう見地で、全国の地区委員長のみなさんが、たたかいのなかで鍛えられ、成長を勝ちとりつつある姿がしめされた会議となったと思います。

この会議が参院選での「前進・勝利」に必ず実を結ぶよう、ともに奮闘しよう

 日本共産党員としての活動というのは、一生続くわけで、長い活動です。党の専従者としての活動も、長い活動です。その活動の中には、山あり谷ありで、成功もあれば、失敗もあります。しかし、私たちはたしかな綱領と誇りある歴史をもつ日本共産党員として、そして科学的社会主義を理論的な基礎とする党の党員として、どんな困難に直面したとしても、これらの確固たる土台にたって、冷静で科学的な教訓をひきだせば、必ず前に向かってすすむことができます。自らを闘争の中で鍛え、党を担う幹部集団として、政治的にも、理論的にも、人間的にも成長していくということも大きな目標として、今度の選挙をたたかいぬこうではないかということを、私は呼びかけたいと思います。これは地方で働くみなさんだけではなくて、中央で働く私たち自身もみなさんと一緒に成長しながらこの選挙をたたかいぬき、何としても勝利を勝ちとりたい、この決意を最後にのべたいと思います。

 みなさん、一月に開いた全国都道府県・地区委員長会議は、いっせい地方選挙での「善戦・健闘」という結果に実を結びました。今度の参議院選挙は、「善戦・健闘」で終わるわけにはゆきません。この会議が、つぎの参議院選挙での「前進・勝利」という結果に必ず実を結ぶように、それぞれの部署で全力をつくしてがんばりぬこうではありませんか。そのことを最後に呼びかけ、ともにたたかいぬく決意をのべて、討論のまとめとします。ともにがんばりましょう。