2007年5月18日(金)「しんぶん赤旗」

参院選へ 全党が心一つに

日本共産党 第4回中央委員会総会開く

党の議席の値打ちを語り抜こう


 日本共産党は十七日、党本部で第四回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長が幹部会報告に立ち、目前に迫った参院選勝利に必要な問題にしぼって、重点的に報告しました。総会には全国の地区委員長、参院選比例・選挙区候補も傍聴。幹部会報告はCS通信で全国中継されました。十八日には全国都道府県委員長・地区委員長会議が開かれます。


志位委員長が幹部会報告と結語

写真

(写真)全国の地区委員長、参院選候補者が傍聴し、開かれた第4回中央委員会総会。報告する志位和夫委員長=17日、党本部

 幹部会報告の主題は(1)いっせい地方選の教訓(2)政党状況の特徴と、選挙戦をたたかう政治的構え(3)貧困・格差問題、憲法改定問題――選挙戦の二つの焦点(4)「比例を軸に」、「支部が主役」の選挙戦で必ず勝利をつかもう―の四つです。

 いっせい地方選の総括については、参院選にただちに生かすべき教訓は何かという角度から選挙結果を分析し、政治論戦上、選挙活動上の教訓や問題点を四点にわたって明らかにしました。

 政党状況の特徴にふれた志位氏は、過去の侵略戦争を正当化する「靖国」派勢力が政権中枢を握ったことで、安倍内閣が自公政権につけくわえた「新しい危険と矛盾」を克明に解明。安倍・自公政権の反動的暴走に正面から立ち向かう日本共産党のがんばりどころの情勢だと、力を込めました。

 公明党が政権与党の一員として果たしている役割と問題点について(1)悪政に賛成するだけでなく、リードする「悪政戦犯」の独自の役割(2)創価学会との「政教一体」ぶりが、いよいよ羽目が外れたものとなっている―ことをきびしく指摘し、この危険な役割を広く国民に明らかにしていくことを訴えました。

 民主党について、「もう一つの保守政党」への変質が、この半年間の現実の行動で証明されていると指摘。弱肉強食の「構造改革」や憲法改定などで自民党政治と悪政を競い合う民主党では、安倍・自公政権の危険な暴走を止められないことを、具体的事実を提供する形で明らかにしていく必要があるとのべました。

 志位氏は、「二大政党づくり」の動きとのかかわりで、日本共産党の議席の値打ちを語りぬく課題に言及。「いまこそたしかな野党が必要です」をスローガンに、党の議席と得票を伸ばすことの意味を広く国民に正面から語ることが重要だとして、議席を後退させた二〇〇四年参院選を総括した第二十三回大会二中総で解明した党議席の役割を今日的に具体化しました。

 選挙戦で勝利をつかむ課題について志位氏は、前進の条件、厳しさの両面を直視し、どの党にも負けない政治的構えなど「二つの基準」でたたかいぬくことを提起しました。「比例を軸に」すべての支部、党員、機関が「自らの選挙」としてたたかう姿勢を貫く重要性を強調。「支部が主役」で選挙戦をたたかい、七月五日の公示日までに、支持拡大目標を突破し、党勢拡大の上げ潮をつくりだすという勝利に必要な二つの課題をやりきることを提起。この間の全党の努力を参院選勝利に結実させるために、全国が心を一つに奮闘しようと呼びかけました。

 四中総の討論では二十四人が発言し、志位委員長が結語を行いました。総会は、幹部会報告と結語を全員一致で採択しました。


貧困・格差と憲法改定問題

選挙戦の2つの焦点

志位委員長

 志位委員長は、参院選の二つの焦点――貧困・格差問題、憲法改定問題について詳細に解明しました。

 貧困と格差の問題については、「『格差是正』の言葉だけでなく、たしかな中身をもつのはどの党か、国民とともに行動する党はどの党かが問われている」として、その打開のために、(1)「逆立ち」税制をただす(2)社会保障切り捨てを中止し、拡充をはかる(3)人間らしく働くルールをつくる―という「三つの転換」を強調しました。

 税制問題では、安倍政権が選挙後、消費税増税を具体化しようとしていることに注意を喚起し、「この重大問題で政府に白紙委任を与えるわけにはいかない」と力説しました。

 また、税金の無駄遣い問題にも言及し、軍事費問題にもこの角度からメスを入れ、浪費を総点検・告発・一掃するための系統的なとりくみを呼びかけました。

 志位氏は、行政が切り捨て、見捨てようとしている社会的弱者の実態について、「いま『棄民政策』ともよぶべき冷酷非情な事態がすすんでいる」と告発。貧困打開、生活防衛の大運動の具体化として、国民の生存権を守り、社会的弱者の苦難を打開していく運動を提唱しました。

 改憲問題で志位氏は、「靖国」派が改憲勢力の中心にすわったことなど、改憲策動の新しい特徴を解明しながら、安倍改憲論は矛盾も劇的に広げ、たたかいを前進させる条件も広がっているとして、「参院選を、日本共産党の前進で、安倍『靖国』派政権のすすめる改憲策動に痛打をあたえる選挙にしていこう」と訴えました。