2007年7月4日(水)「しんぶん赤旗」

ストップ貧困、 憲法九条を守れ

参院選をたたかう共産党の立場

外国特派員協会で 志位委員長が講演


 日本共産党の志位和夫委員長は三日、東京都内の日本外国特派員協会で、「日本共産党はどういう政党か、参議院選挙をどうたたかうか」と題して講演しました。会場には十台近いテレビカメラが構え、講演後には真剣な質問が相次ぎ、予定の一時間を大きくオーバーするなど、熱気があふれました。


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(写真)講演する志位和夫委員長=3日、日本外国特派員協会

 特派員協会は今回の講演の案内で、日本共産党について、「政治的な不満の結集者」「いまなお軍国主義に断固として反対している。社会主義と民主主義にもとづく社会を掲げ続けていることも、この国で所得と社会格差の拡大に心を痛めている有権者の共感を呼ぶかもしれない」などとしつつ、志位氏を「日本でもっともはっきりと意見をのべる政治家の一人」と紹介しました。

 志位氏は講演でまず、日本共産党の「自己紹介」をおこないました。そこでは、最近、米ニュース週刊誌『タイム』ウェブ版が掲載した「共産主義は日本で活気にあふれ健在」と題した特集記事を「日本共産党のプロフィルをかなり的確に描いてくれている」としてとりあげました。

 志位氏は、同誌が注目する日本共産党の歴史、草の根の力、清潔さ、日本の政党関係のなかでの位置という四つの角度のそれぞれについて、その意味を解説し、こう強調しました。

 「『新自由主義』にたった経済政策でも、憲法九条改定でも、自民党と民主党の政治的な立場の違いがほとんどみられないもとで、自民党政治を根本的に改革する立場をもつ『唯一の真の反対者』――『たしかな野党』としての日本共産党の役割がいよいよ必要とされていると考えています」

 そのうえで、参院選をたたかう基本姿勢について、「消えた年金」問題の解決をはかるとともに、政治的争点としては、「『ストップ貧困、憲法九条を守る』――この願いは『たしかな野党』・日本共産党へ」の訴えを正面に掲げてのぞみたいとのべました。

 「ストップ貧困」では、「格差社会が社会問題になっているが、その本質は貧困の拡大にある」とし、世界第二位の経済力をもつといわれる日本で、「難民」という言葉があちこちで生まれている異常さを指摘。税制、社会保障、雇用の三つの転換を訴え、国民の「命綱」の役割を果たす決意を表明しました。

 「憲法九条を守る」では、自民党が「マニフェスト」で、公約の筆頭に改憲を明記していることもあげ、「危険性はいささかも軽視できない」と強調。「安倍・『靖国』派内閣の改憲策動の暴走をストップするうえで、八十五年の歴史をつうじて反戦平和を貫いた日本共産党が前進することが一番たしかな力になることを訴えて、選挙戦をたたかいたい」と力を込めました。

 質疑では「共産党は草の根でがんばっているが、選挙の結果がどのようになると考えているのか」など、率直な質問が出されました。

 志位氏はこれらの質問に丁寧に答えつつ、「安倍内閣が重大な政治危機に陥っていることは間違いない」「有権者は自民党政治に愛想をつかしながら、進路を模索している。今後一カ月のたたかいで、日本共産党が安倍・自公政権の真の対決者として躍進することが、政治を変える一番の力となると訴え抜きたい」と表明しました。