2007年7月9日(月)「しんぶん赤旗」

消費税増税 参院選で国民の審判あおげ

志位委員長

フジテレビ「報道2001」


 八日のフジテレビ系「報道2001」では、消費税を参院選の争点にはしないという安倍晋三首相にたいし、日本共産党の志位和夫委員長が「上げる方針があるなら、今度の参院選できちんと審判をあおぐべきだ」と迫りました。

 安倍首相は、「私の考えは一貫している」としたうえ、「今秋の税制議論で、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる原資についても議論していく」と発言。「なるべく消費税を上げることにならないよう歳出を削減する」と語りました。一方で、「いまの段階では経済がどうなっていくか分からない」などと述べ、「この秋に議論をしなければならない」と参院選の争点にはしない考えを示しました。

 志位氏は、「上げなくてすむ可能性があると言ったが、裏を返せば上げる可能性もあるということだ」と指摘。「しかも議論をするのは秋だという。国民の審判のないところで勝手に上げることは、税制民主主義のうえからもおかしい」と争点化を避ける態度を厳しく批判しました。

 「上げなくてすむ可能性は十分ある」との安倍首相の言葉に、司会の黒岩祐治氏は、「消費税を上げなくてすむという確信があるなら、上げませんと言えばいい」と指摘。安倍首相は、「経済は生き物だから」「数字をよく把握していく必要がある」などとごまかしに終始しました。

 志位氏は、「消費税というのは一九八九年に導入されるときも、九七年の(5%への)増税のときも事前の審判を受けてない。一度も事前の審判なしにつくられ増税されてきた、こういう税金だ」と告発。「弱いものいじめの税金であり、私たちは絶対に反対だが、この場で絶対に増税しないと言えるのか」と安倍首相を追及しました。

 安倍首相は、「(参院選の)次の選挙は、私たちはそういう結果から逃れることはできない」と述べ、あくまで参院選の争点にはしない考えに固執しました。

 公明党の太田昭宏代表は、「消費税の論議を避けるわけではない」「消費税増税ということではない可能性が強い」と語り、消費税引き上げの可能性を否定しませんでした。

参院選――  

「ストップ貧困、九条守れ」を 訴えてたたかう

 参院選後の政界再編についても各党の認識を問われ、志位氏は「政治の基本の枠組みでは日本共産党以外の政党に違いがみられないので、どんな組み合わせでもあると思う」とコメント。

 参院選に向けた構えについて、「ストップ貧困、九条守れ、この願いを『たしかな野党』日本共産党へと訴えてたたかう」とのべ、「『ストップ貧困』では、住民税大増税の一方で大企業には減税。九条の問題でも、三年後の国会で憲法改定案を発議し国民投票にかけるというのが自民党マニフェストのトップだ。これをストップさせるということで頑張りたい」と発言しました。

 安倍首相は、小泉、安倍政権によって日本の景気が回復してきたとし、「(政権交代によって)これを逆行させてはならない」と語りました。