2007年7月17日付「しんぶん赤旗」

安倍自公政権の暴走とめるたしかな力、共産党の前進必ず

福岡・岡山・広島で志位委員長


 日本共産党の志位和夫委員長は十六日、参院選の遊説で岡山市、広島市、さらには北九州市、福岡市と、西日本を駆け巡り、「日本共産党の前進をなんとしても」と気迫の訴えをおこないました。

 志位委員長は、北九州・小倉駅前では委員長を囲むように二階デッキに陣取った人を含め三千人を超える聴衆を前に、福岡市天神では三千人以上と多くのテレビカメラを前に力いっぱい訴えました。遠巻きに真剣な視線を向ける若い女性の姿も目立ちました。

 志位氏は、「ストップ貧困」「憲法九条を守れ」の二大争点について縦横に語りました。

 そのうえで、「安倍・自公政権は欠陥車の大暴走」とのべて聴衆を沸かせた志位氏は、閣僚が「政治とカネ」のスキャンダルや暴言にまみれている実態を告発。そこでは、赤城徳彦農水相の架空事務所費問題で、これをかばう安倍首相が「光熱水費は月八百円、これで辞任させるんですか」などとのべた問題をとりあげました。

 志位氏は、赤城農水相の「事務所」とされた実家がある茨城県筑西市では、水道代、電気代の基本料金が月二千六百五十五円であることを示し、「八百円では基本料金も払えません。安倍首相の発言は、事務所が架空だった疑惑をいよいよ決定的にしました」とのべると、聴衆の笑いと盛んな拍手がおこりました。

 志位氏は、「安倍内閣の暴走車には、アクセルはあってもブレーキはありません。ハンドルはついていますが右にしか切れません」と、聴衆の爆笑を誘いつつ、「この大暴走に正面から立ちはだかるたしかな立場、信念、勇気を持つ日本共産党をどうか前進させてください」とのべると、聴衆からは大きな拍手が送られました。

 北九州市では今月十日、男性が生活保護打ち切り後に餓死し、ミイラ化した状態で発見されました。春名なおあき参院比例候補は「福祉が命を奪っていいのか。命を守る当たり前の太陽のような政治を作りましょう」と語り支持を呼びかけました。

 この一年で三百件を超える若者の仕事に関する相談を受けてきた三十三歳の田中みゆき選挙区候補は「三十歳の女性は正社員になれず、運送会社で働く男性は過労で倒れた。これでは将来が見えない。最低賃金時給千円以上に向けて取り組みます」と訴えました。

 日本共産党の演説をはじめて聞いたという北九州市内の電器関係会社に勤める男性(31)は「ネットカフェ難民や非正規社員の問題は、『明日はわが身』かもしれない。政治を変えるには、共産党の力を強くするしかない」と話しました。

 岡山市ではあいにくの雨の中二千人、広島市では三千人の聴衆が聞き入り、「がんばれ、たしかな野党」のかけ声が上がりました。岡山では車の窓から盛んに手が振られ、広島市では、停留中の市電の乗客らも注目しました。志位氏は、世界第二位の「経済大国」といわれる日本で、「難民」と呼ばれる人々が増え続ける異常事態に、「これらはきょうの雨のような自然現象ではありません。立場の弱い方々を見捨て、切り捨ててきた自民、公明の政治の責任が問われているのではないでしょうか」と力説。貧困打開のため、年金問題、税制、社会保障の根本的な転換を訴えました。

 特に安倍首相が狙う消費税増税問題では、「『年金財源』を口実に消費税増税をすすめることは絶対に反対です。弱いものいじめの消費税を年金財源にするなど邪道でもってのほか」と強調しました。また、消費税が導入も増税も公約違反でおこなわれたことを振り返り、「これを、今度の選挙で三度繰り返すなどということは絶対に許すわけにはいきません」とのべると、聴衆は「その通り!」の声で応えました。

 さらに志位氏は、民主党の態度についても、「大企業への減税をすすめる党では、庶民増税に反対することができません」とズバリ指摘し、大きな拍手がおきました。