2008年1月23日付「しんぶん赤旗」に掲載

破たんした路線にしがみつく

首相答弁 志位委員長が指摘


 日本共産党の志位和夫委員長は二十二日、代表質問終了後に国会内で記者会見し、福田康夫首相の答弁について、「国民の声に真剣に耳を傾ける態度、政策の転換を真剣に考える態度がまったくみられない、ただこれまでの破たんした路線にしがみつくものだった」と指摘しました。

 志位氏は、首相が施政方針演説の中で「国民の立場に立って発想を切り替える」などと表明したことから、質問では、雇用や社会保障などの問題で、国民の声を突きつけ、基本的な認識をただしたと紹介。しかし、「首相からはまったく答弁がなかった」と強調しました。

 米価暴落問題でも首相は「まったく人ごとだ」と批判。欧州では当たり前の価格保障を、首相が「時代の流れに逆行する」と否定したことについては「本当に世界の動きもみていないし、農民の苦しみもわかっていない」と述べました。

 また消費税について、首相が、社会保障をまかなう「主要な財源」として充実するとした「与党税制改正大綱」と事実上同じ立場だと認める答弁をしたことは、「結局増税を進めるということであり重大だ」と強調しました。

 地球温暖化問題をめぐっては、国際社会に対する対応として、ポスト京都議定書の中期削減目標を持つかどうかという、一番肝心要の問題で答えがなかったと指摘。国内対応でも、産業界との削減の協定を結ぶべきだという提案を拒否したことを批判し、「政府が京都議定書の目標を達成する真剣な意思がないことを宣言したような答弁だった」と述べました。

 その上で、「全体として官僚の作文をただ読んでいるだけで、『国民の立場に立って発想を切り替える』というのは、単なる修飾語にすぎなかったということがはっきりした」と批判しました。

 志位氏は記者団から、今国会でなにを求めていくのかを問われ、「国民の暮らしが最大のテーマだ」と指摘。「貧困と格差の問題を正面から取り上げて、雇用、社会保障、農業、税金のあり方という四つの柱を基本に各分野で政策転換を求めていく」と攻勢的な論戦を進める決意を述べました。