2008年1月23日付「しんぶん赤旗」に掲載
福田康夫首相の施政方針演説にたいし、日本共産党の志位和夫委員長は二十二日の代表質問で、派遣労働の規制緩和こそ、正規雇用を減らし、非正規雇用を急増させた原因だと指摘し、登録型派遣の禁止を厳しく迫りました。同じ代表質問でも、これと対照的なのが民主党の姿です。
鳩山由紀夫幹事長は二十一日の代表質問で、「パートや若者の労働環境は改善していない」として、最低賃金の引き上げにより「ワーキングプアを減らし、格差を是正する」という民主党の政策を強調しました。
しかし、若者の間で貧困と格差を広げ、大企業に史上空前の大もうけをもたらした根本問題である非正規雇用拡大の労働法制改悪については一言もふれずじまい。二十一日に衆院で民主党二人目の質問に立った古川元久議員も、二十二日の参院本会議で質問した輿石東代表代行も、非正規雇用問題にはまったく踏み込みませんでした。
それもそのはずです。民主党は、労働者派遣事業を原則自由化した労働者派遣法改悪(一九九九年)や、有期雇用制を拡大し裁量労働の規制を緩和した労働基準法改悪(二〇〇三年)に賛成しています。民主党自身が、自民党とともに、非正規雇用拡大で格差を広げた、まさに“共犯者”なのです。
「国民の生活が第一」をうたいながら、「経済団体からの民主党への期待は高まっている」(同党二〇〇八年度活動方針)として財界にすり寄る民主党。この党が非正規雇用問題の本質に踏み込めないのは、けっして“不思議”ではありません。
(信)