2008年5月1日(木)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員団総会での志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が三十日、国会議員団総会で行ったあいさつは以下のとおりです。


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(写真)あいさつする志位和夫委員長=30日、衆院第一議員会館

 みなさんご苦労さまです。衆院本会議にさきだって、ごあいさつ申し上げます。

 政府・与党は、ガソリン税などの暫定税率を復活させ、今後、十年間にわたって延長する法案を、これから行われる衆議院の本会議で強行しようとしています。私は、この動きは、政府・与党自らの言明にてらしても、国民生活の深刻な実態にてらしても、ひとかけらの道理もない暴挙であり、強く抗議するものであります。(拍手)

暫定税率再議決――ひとかけらの道理もない暴挙

 第一に、福田首相は、国民世論と批判に押されて、来年度から道路特定財源をやめ、一般財源化すると言明したわけであります。この自らの言明と、道路特定財源を前提にした暫定税率の十年間延長が、根本から矛盾することは、だれの目にも明らかであります。(「そうだ」の声、拍手)

 第二に、いま消費者物価が上がり、なかでも食料など生活必需品の値上げが庶民の暮らしを圧迫しております。さらに、後期高齢者医療制度の強行による負担増も、多くの高齢者を襲っています。

 そのもとで、暫定税率を復活させれば、二・六兆円もの増税を強いることになる。政府は、「一刻も早く国民生活の混乱を解消しなければならない」などと言っていますが、このような事実上の大増税を押しつけることこそ、国民生活への混乱と打撃をもたらすことは明らかであります。(拍手)

 第三に、なぜこれほどまでに暫定税率復活に固執するのか。それは、十年間で五十九兆円の「道路中期計画」――「総額先にありき」という際限なく高速道路をつくり続ける計画を、何が何でも進めるためであります。政府・与党は、「十年間」ということを「五年間」にするというものの、「総額先にありき」という方式に変わりはありません。この方式にしがみつき続ける限り、たとえ一般財源化したとしても、際限なく高速道路をつくり続けることになるということを、厳しく指摘しなければなりません。

 無駄な道路にではなくて、福祉と暮らしにこそ大切な税金を使えというのが、国民の多数の声であります。来年度から一般財源化するというのならば、道路特定財源と暫定税率の十年延長は中止すべきであり、「道路中期計画」は撤回すべきです。この立場から、わが党は、堂々と本会議に出席し、再議決に反対を貫くものであります。(拍手)

論戦と国民運動で、政権おいつめ、要求実現を

 さて、この通常国会の残る会期は、あと一カ月半となりました。この通常国会でのわが国会議員団の奮闘は、あらゆる分野で、その先駆性が際立っていると思います。今後の国会にのぞむわが党の基本姿勢について、述べておきたいと思います。

 わが党は、今後の国会にあたって、論戦と国民運動を通じて、福田・自公政権を追い詰め、国民要求を実現する――この立場がなによりも大切であると考えています。今後の国会を考えますと、いくつか重大なヤマ場があるでしょうが、わが党は、いま述べた基本姿勢を堅持して、国会対応を行いたいと考えます。

 道路問題とともに、いま国会で取り組むべき問題は山積しています。

 後期高齢者医療制度の実施が強行され、国民の怒りが沸騰しています。この希代の高齢者差別法は中途半端な「見直し」ですむ問題ではありません。いまからでも、制度を撤廃するしか解決の道はありません(「そうだ」の声)。わが党は、この制度の害悪を、国民の前に徹底的に明らかにし、野党で共同提出している中止法案をこの国会で成立させるために、全力をあげてたたかうものであります。

 それから、貧困の広がりの根本にある人間らしい労働の破壊という大問題をただすことも急務であります。労働者のたたかいとわが党の論戦によって、派遣労働の規制緩和から規制強化の方向への潮目の変化が生まれ、労働者派遣法を“派遣労働者保護法”に抜本改正しようという機運が広がっております。ぜひともこの国会で、派遣法改正に向けた一歩をしっかりしるしたい(「よし」の声)。ここでも全力をあげて頑張りぬきたいと思います。(拍手)

 さらに、地球的規模での食糧危機のもとで、日本の農業の再生をどうやってはかるのか。洞爺湖サミットをひかえて地球環境問題で日本はどういう役割を果たすべきか。名古屋高裁で「憲法九条違反」と断罪されたイラクへの自衛隊派兵をこのまま続けていいのかなど、重大問題が山積しております。

 これらの国政上の問題について、国民の前でことの是非を明らかにする徹底した論戦を行うことこそ国会の責任だということを、重ねて強調したいと思います(「そうだ」の声)。

 論戦と国民運動を通じて、福田・自公政権を追い詰め、国民要求を実現する――これこそ天下の大道です。この基本姿勢に立って、残り一カ月半の国会において、引き続きわが日本共産党議員団がその真価を発揮した奮闘をすることをお互いに確認しあいまして、ごあいさつといたします。(拍手)