2008年5月2日(金)「しんぶん赤旗」

第79回中央メーデー

志位委員長のあいさつ


 一日、東京・代々木公園で開かれた第七十九回中央メーデーで日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつは次の通りです。


 第七十九回中央メーデーにお集まりの仲間のみなさん、おはようございます。私は、日本共産党を代表して、みなさんに心からの熱い連帯のあいさつをおくるものです。

写真

(写真)連帯のあいさつをする志位和夫委員長=1日、東京都渋谷区、代々木公園

「来年度から一般財源化」というなら、道路特定財源の10年延長は中止せよ

 昨日の衆院本会議で、自民・公明は、ガソリン税などの暫定税率を復活させ、今後十年間にわたって延長する法案の再議決を強行しました。これは、「来年度から道路特定財源を一般財源化する」という福田首相自身の言明と根本から矛盾するものであるとともに、物価高騰に苦しむ国民に二・六兆円の大増税を強いるものであり、私は、ひとかけらの道理もないこの暴挙にたいして、みなさんとともに強く抗議するものです。(拍手)

 むだな高速道路より、福祉と暮らしに大切な税金は使え――これが国民多数の声ではないでしょうか。「来年度から一般財源化する」というなら、道路特定財源と暫定税率の十年延長は中止せよ、際限なく高速道路をつくり続ける「道路中期計画」は撤廃せよ――みなさん、このことを強く求めていこうではありませんか。(拍手)

ともに手を携え、人間らしい労働のルールをうちたてよう

 みなさん。いま日本の政治は、ゆきづまった自民党政治にかわる新しい政治を生み出す歴史的転機を迎えています。暮らしの問題でも、平和の問題でも、国民の声で政治が動く、新しい時代が始まりつつあります。

 人間らしい雇用を求めるたたかいが、力強く前進しています。労働者のたたかいと国会論戦があわさって、派遣労働の規制緩和から規制強化の方向への潮目の変化が生まれています。

 この間、キヤノン、いすゞ自動車、コマツなどの大企業が、派遣労働を解消し、直接雇用に切り替える方針を相次いで発表しました。もちろん直接雇用といってもその多くは期間工など不安定雇用であり、不当な雇い止めを許さず、正社員化をめざすたたかいは、これからがいよいよ正念場であります。同時に、これまでは派遣労働の全面自由化を厚かましくも要求してきた財界が、派遣解消の方向にかじを切らざるを得なくなったのは、労働者のたたかいの重要な一歩前進といえるのではないでしょうか。(拍手)

 血の通った人間をモノのように使い捨てにする社会には未来はありません。労働者派遣法を“派遣労働者保護法”に抜本改正するために、力をあわせましょう。時給千円以上をめざし、全国一律の最低賃金制をうちたてましょう。ともに手を携え、人間らしい労働のルールをうちたてようではありませんか。(拍手)

後期高齢者医療制度――中途半端な「見直し」でなく廃止しか解決の道はない

 みなさん。後期高齢者医療制度の実施が強行されたことに、日本列島を揺るがす怒りがわき起こっています。七十五歳という年齢を重ねただけで、国保や健保から追い出されて別枠の制度に囲い込まれる。保険料は天引き、高齢者が増えるにしたがって際限なく上がり続け、払えない人からは保険証をとりあげる。健康診断から、外来、入院、「終末期」まで、あらゆる段階で、安上がりの差別医療を押し付けられる。

 現代版「うば捨て山」といわれる血も涙もないこの制度の害悪は、中途半端な「見直し」で解決できるものではありません。憲法二五条の生存権、憲法一四条の法の下の平等を踏みにじる希代の高齢者差別法は、制度を廃止するしか解決の道はありません(拍手)。そのために老いも若きも世代の違いを超え、国民的共同を広げに広げようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

平和をめぐる前向きの変化――名古屋高裁判決、憲法をめぐる国民世論

 みなさん。平和をめぐっても、流れの前向きの変化がおこっています。

 名古屋高裁で、航空自衛隊のイラク派兵を憲法九条違反と断罪し、平和的生存権をすべての人権の根本にある権利として認めた、画期的判決がくだされました。この判決を無視したり、「そんなの関係ねえ」という低劣・危険な暴言でこたえることは、絶対に許すわけにはいきません。政府は、判決を重く受けとめて、すみやかにイラクからの自衛隊撤退をはかれ――このことを声を大にして求めようではありませんか。(拍手)

 最近発表された読売新聞の世論調査では、憲法改定反対の声が、憲法改定賛成の声を十五年ぶりに上回りました。九条については改定反対の声が、改定賛成の二倍にもなりました。全国で七千を超えた「九条の会」など草の根からの運動をさらに広げ、憲法改悪勢力を国民多数の声で包囲するために、意気高く前進しましょう。

 貧困と戦争をなくすために、力をあわせてがんばりましょう(「そうだ」の声、拍手)。第七十九回メーデー万歳。(拍手)