2008年5月8日(木)「しんぶん赤旗」

日中両党の新しい関係強化を確認

志位委員長が胡錦濤主席と会談


 日本共産党の志位和夫委員長は七日、都内で中国の胡錦濤国家主席と会談し、双方は日本共産党と中国共産党の新しい関係の強化について確認しました。

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(写真)会談を前に握手を交わす中国の胡錦濤国家主席(右)と志位和夫委員長=7日、東京都内

 志位委員長は冒頭、胡主席の日本訪問を歓迎し、「十年ぶりの再会を喜んでいます」とのべるとともに、北京オリンピックの成功への期待を表明しました。さらに、「チベット問題について心配していましたが、対話が再開され、継続で一致したことを歓迎し、積極的な成果をおさめることを願っています」とのべました。胡主席は、十年前に二人が会った北京での両党関係正常化後の会談が成功したことにふれ、志位氏との再会を「たいへんうれしく思っています」と応じました。

 志位氏は、「この十年間、日中両国関係がどんな局面にあるときでも、日中両党関係が良好に発展してきたことが、両国関係の発展に寄与したと思います」とのべつつ、「今後の十年間を展望して、両党関係をさらに高いレベルに発展させたい」として、三つの分野での交流・協力の強化を提起しました。

 第一は、日中両国関係の発展に寄与することです。志位氏は、今回の日中首脳会談で「戦略的互恵関係」の進展をはかる「共同声明」が出されたことを歓迎し、「日中関係の五原則」(注)を堅持し、「両党関係の発展が、両国関係の発展をより豊かにするうえで寄与となるよう力をつくしたい」とのべました。

 第二は、世界とアジアの平和のための協力です。志位氏は、この間のイラク戦争反対、アジア政党国際会議での両党の協力したとりくみにふれ、「北東アジアの平和体制の構築、地球規模での核兵器の廃絶、地球環境問題などで突っ込んだ意見交換と可能な協力をはかりたい」と提起しました。

 第三は、条件は異なるが、社会主義・共産主義を目指す政党としての協力です。志位氏は、この間の両党の理論交流の成果にふれ、「長期的な視野で両党の理論交流を発展させたい」と語りました。

 これにたいして胡主席は、「志位委員長のご意見をとても真剣にうかがいました」とのべ、日中両国関係、「改革・開放」の成果について説明し、両党関係について「両党関係正常化以後のこの十年間に、日本共産党との交流が発展し、マルクス主義理論の共同研究について豊かな成果がありました」と語るとともに、「中国共産党は、双方が確認した原則に基づいて、日本共産党との新しい型の党関係を発展させ、交流・協力を強化したい」とのべました。

 さらに胡主席は、「この三十年間の改革・開放の成果の基礎には、中国の特色のある社会主義への道と理論体系が構築されたこと、マルクス主義の基本原理とマルクス主義の中国化を結びつける努力があります」と語りました。

 志位氏が、「昨年十月の中国共産党第十七回大会での胡錦濤総書記の報告が強調している『科学的発展観』という概念とともに、中国共産党がすすめているマルクス主義の基本に立ち返った研究プロジェクトに注目しています」とのべると、胡主席は、「今後さらに意見交換をすすめましょう」とこたえました。


日中両党会談の出席者

 日中両党会談には、日本共産党から市田忠義書記局長、緒方靖夫副委員長、小池晃政策委員長、穀田恵二国対委員長、広井暢子女性委員会責任者、森原公敏国際局次長、笠井亮国際局次長が出席し、中国側から令計劃(れいけいかく)中国共産党中央書記処書記・党中央弁公庁主任、王滬寧(おうこねい)党中央書記処書記・党中央政策研究室主任、戴秉国(たいへいこく)国務院国務委員、楊潔チ(ようけつち)外相らが出席しました。

注=「日中関係の五原則」

 1、日本は、過去の侵略戦争についてきびしく反省する。

 2、日本は、国際関係のなかで、「一つの中国」の立場を堅持する。

 3、日本と中国は、互いに侵さず、平和共存の関係を守りぬく。

 4、日本と中国は、どんな問題も、平和的な話し合いによって解決する。

 5、日本と中国は、アジアと世界の平和のために協力し合う。

 一九九八年七月におこなわれた日中両党首脳会談で、不破哲三委員長(当時)が提起しました。