2008年6月26日(木)「しんぶん赤旗」

異なる文明の相互理解と平和共存を

志位委員長と宗教者懇談

横須賀

各宗教・宗派140人が参加


 宗教人と日本共産党の志位和夫委員長との懇談会が二十五日、神奈川県横須賀市内で開かれました。「眼前の世を憂い、打開のために、日本共産党にも思いを届けたい」と、仏教、神道、キリスト教など宗教の違いを超えて、百四十人が参加しました。


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(写真)宗教人との懇談会で発言する志位委員長(正面中央)=25日、神奈川県横須賀市

 懇談会は、日本キリスト教会元牧師の南穆(あつし)氏、真宗大谷派住職の鞠川了綽(りょうしゃく)氏、日本キリスト教団牧師の岡崎晃氏、天理教布教所長の梶山登氏が呼びかけました。

 志位氏は、「私たちと、宗教人の方々とは世界観に違いもあります。しかし、共通するところも多くある。今日は、世界の現状と人類の未来について、大きなところをお話ししたい」と述べ、「資本主義は限界か―二十一世紀の前途を考える」と題して語りました。

資本主義の矛盾が全面的に噴出した

 志位氏は冒頭、日本の情勢をめぐって、「これまでにない新しい状況が広がっている」とし、マスメディアがさまざまな角度から資本主義そのものの是非を問う特集を組み、小林多喜二の「蟹工船」がブームになっていることを紹介。背景として、世界の資本主義、とくにアメリカ型の資本主義が、「新自由主義」「市場原理主義」というむき出しの形で日本に直輸入され、その矛盾が全面的に噴出していることをあげました。

 志位氏は、その矛盾の現れとして(1)貧困の拡大(2)投機マネーの暴走(3)環境問題という三つの問題を指摘。いずれの問題でも、かつてマルクスやエンゲルスが資本主義の矛盾として警告していたことが現実のものとなっていることを縦横に語りました。

 さらに志位氏は、(1)「どの問題でも、まず目指すべきは資本主義の枠内での解決です」とのべるとともに、(2)「資本主義の枠内でぎりぎりの努力をするなかで、その限界がおのずと明らかになり、次の体制への条件が熟していくのではないか。私たちは、資本主義を乗り越えた未来社会――人間が社会の主人公となる真に自由で平等な人間関係の社会を目指していますが、その未来社会の展望についても、大いに語っていきたい」と結びました。

共産党と宗教者の対談と共同広がる

 全国宗教人・日本共産党を支持する会代表世話人の鈴木徹衆氏(真宗大谷派住職)は、この間、九州や静岡で日本共産党と宗教者の対談を重ね、共同が広がってきたことを紹介。実行委員会を代表して南氏が、さまざまな問題にたいする宗教者の対応を語りつつ、「私たちの願いを共産党に託すという時代になるのではないか」とあいさつしました。

 鞠川氏、日本キリスト教団の元牧師の小林利夫氏、東京都八王子市にある浅川金刀比羅(こんぴら)大権現神職の奥田靖二氏がパネリストとして発言。鞠川氏は、共産党が自公民の悪政に対峙(たいじ)し、生存権をかかげてたたかっている姿は地蔵菩薩(ぼさつ)にみえると語りました。

 小林氏は、天皇制、自衛隊、政権交代のために他の野党との協力をどうすすめるかについて質問し、奥田氏は、宗教についてどう考えているのかまとまった話を聞きたいと要望しました。

 会場からの「東西文化の融和を図る活動をすすめているが、文化の多様性が大切ではないか」との発言に志位氏は、パキスタンのタキシラ遺跡を訪問した思い出を語り、「東西の異なった文明の出合いのなかから、仏像という新しいものが生まれた。今日の世界でも、異なる価値観・文明が、相互に理解しあい、平和的に共存するなかから、新しい世界が形づくられるのではないでしょうか」と応じました。また、「それぞれの宗教は、平和や平等など、人類の普遍的な価値を大切にする考えをもっていると思います。それは、私たち共産党と響きあうものだと思います」と語りました。

 このほか出された質問に、志位氏は一つひとつていねいに答えました。元参院議員の、はたの君枝衆院南関東比例候補も参加しました。