2008年9月27日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党が第7回中央委員会総会

「国民が主人公」の民主的政権へ大きな一歩踏み出す選挙に

国民の苦難軽減 党の重大な責務

志位委員長が幹部会報告


 総選挙勝利に向けた総決起態勢をつくるため、日本共産党は二十六日、党本部で第七回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長が幹部会報告で「『国民が主人公』の立場にたつ民主的な政権への大きな一歩を踏み出す選挙にしていこう」と訴えました。衆院比例・小選挙区候補が傍聴し、報告はCS通信で全国に中継されました。


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(写真)第7回中央委員会総会。幹部会報告をする志位和夫委員長=26日、党本部

 志位氏は、政治論戦の基本的姿勢として「国民の切実な要求・関心から出発して、異常な大企業中心・アメリカいいなりという『二つの政治悪』を正すわが党の日本改革の方針を訴える」という立場を堅持してたたかうことを強調。留意点として四点あげました。

政治論戦について

 第一は、この間、党が攻勢的に訴えてきたことが、そのまま総選挙の熱い争点になっているということです。「働く貧困層」の解消、社会保障、農業と食料、消費税増税と財源問題、景気対策、海外派兵など、どの問題も語ってきたことであり、「要求の切実さは、これまでにないものだ」と指摘。「こんなにたたかいやすい選挙はない」と強調しました。

 第二は、国民の切実な要求と「二つの政治悪」とのかかわりが見えやすくなっているということです。志位氏は暮らしと平和のどんな問題でも、大企業中心、アメリカいいなりの政治にぶつかることを示しました。

 第三は、「二つの政治悪」を正し、「政治の中身を変える」という訴えができるのは日本共産党だけだということです。

 志位氏は、総選挙を「自民か、民主か」の「政権選択」の選挙と描く論調が氾濫(はんらん)しているが、「実態はどうか」と問いかけ、「麻生政権には、自民党政治の行き詰まりにたいする反省もなければ、打開策もない」と指摘。民主党も「政権交代」「官僚支配の打破」をいうが、「二つの政治悪」を正す立場は見えないことを、財界との関係や財源問題などから解明しました。

 第四に志位氏は、日本共産党がのびれば政治は必ず変わるということを押し出す必要性を強調。労働者派遣法や後期高齢者医療制度をめぐる決定的場面で反対の論陣をはった党のたたかいをあげながら、「これらの事実を広く知らせ、訴えよう」と力説しました。

 志位氏は、総選挙後の対応について、「民主党と政権協力をする条件はない」と述べると同時に、新しい国会で国民の要求実現のために「協力できる問題では、問題ごとに協力していく」という立場を表明しました。

選挙勝利にむけて

 選挙勝利に向けた活動に話をすすめた志位氏は、解散・総選挙の時期については、さまざまな観測が流されているが、やるべきことをやりぬく立場を堅持し、「様子見」に陥らないことが重要だと述べました。

 また、活動の到達点を(1)六百五十万票以上という得票目標実現にふさわしい規模と速度の運動になっているか(2)宣伝戦でも組織戦でも他党を凌駕(りょうが)する活動になっているか―という二つの基準で直視して飛躍をつくることをよびかけました。

 志位氏は、やるべきことは明瞭(めいりょう)だとして、全有権者を対象とした宣伝・組織活動の大飛躍をつくることを提起。大量政治宣伝では、ポスター、パンフレット、音の出る宣伝で、列島のすみずみに共産党の風を吹かせること、対話・支持拡大での奮闘が勝敗を決める分かれ目になることなどを強調しました。さらに「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」と「集い」の推進、党勢拡大、後援会活動のいっそうの強化をよびかけました。

 最後に志位氏は、日本の情勢は、客観的には、「二つの政治悪」を特徴とする自民党政治が行き詰まり、「『国民が主人公』の民主的な政権――民主連合政府を打ち立てることが切実に求められる新しい大きな歴史的な時代、激動的な時代に入っている」と強調。この選挙で党が前進・躍進を勝ち取ることは、国民の苦難を軽減する上で党に課せられた重大責務であるというだけにとどまらず、「二十一世紀の早い時期に『国民が主人公』の民主的政権を打ち立てる大きな一歩を踏み出すものとなる」と力説しました。そして、「不屈の日本共産党員魂を発揮し、悔いなくたたかいぬこう」と強く呼びかけました。

志位氏が結語

 討論では八人が発言しました。志位委員長は結語で、「今度の総選挙は『自民か民主か』の政権選択キャンペーンがかつてなく激しくなるだろうが、軽視はしないが、恐れない」と強調。それと攻勢的にたたかう二つの旗印―(1)政治の中身を変える(2)「国民が主人公」の民主的な政権をつくる第一歩の選挙とする―を打ち立てた意義を明らかにしました。

 最後に志位氏は、「方針、政策、選挙の資材はそろった。あとは全有権者に伝えきって、すばらしい結果をかちとろう」と力強く呼びかけました。


第25回党大会を延期

 志位委員長は報告の中で第二十五回党大会について「現在の情勢のもとでは、来年一月に招集する条件がなくなったことは明らかだ」と述べ、延期を提案。大会の時期については総選挙後の中央委員会総会で判断することにしたいと述べました。中央委員会はこれを了承しました。