2008年9月10日(水)「しんぶん赤旗」

若い共感 渋谷の輪

共産党伸ばし 人間らしい労働ルールを

志位委員長訴え


 「残業しても手当もつかない。共産党はどう考えているんですか」―。若者でにぎわう東京・渋谷駅前で九日、「日本共産党の志位和夫委員長と青年の街宣・トーク」が開かれました。


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(写真)雇用問題について青年の質問に答える志位和夫委員長=9日、東京・渋谷ハチ公前

 志位氏は冒頭、アメリカいいなり・大企業本位の政治の破たんぶりを明らかにしながら、「政治の中身を大本から切り替えることが必要です」と強調。そのうえで、貧困と格差が広がった根源にある労働のルールの破壊という問題を取り上げて、「安定した仕事に就けないという若者の悩みは、とくに深刻です」と訴えました。

 志位氏が、人間をモノのように使い捨てにする派遣労働の実態をリアルに告発すると、携帯を手にメールを打っていた若者も顔を上げて注目、耳を傾けます。若者が足を止めて聞き入り、輪が広がっていきました。

 志位氏は、異常な不安定、低賃金で労働災害が多発する派遣労働の非人間的な実態を、党が行った長浜キヤノン調査にもふれながら詳しく告発。労働者のたたかいや国民世論に押され、派遣労働で規制強化に転じる動きが生まれていることを紹介しながら、「ここから先が正念場です」と強調しました。

 志位氏は、人間らしい労働のルールを確立するために▽労働者派遣法を抜本的に改正し、派遣の原則自由化を決めた一九九九年以前に戻す▽有期雇用を厳しく制限し「首切り自由の使い捨て労働」をなくす▽時給千円を目指して最低賃金を抜本的に引き上げる▽過労死をひきおこしている異常な長時間・過密労働をただす―の四点を提起。「社会的連帯の力で人間らしい労働のルールをつくりましょう」と呼びかけました。

 最後に志位氏は、日本共産党が労働者の立場で頑張れる理由として、(1)大企業からの献金を受け取らず、その横暴と正面からたたかえる党(2)綱領で「ルールなき資本主義」をただし「ルールある経済社会」をつくる展望を掲げている党であることを紹介。「今度の総選挙では、財界・アメリカ中心から国民中心に政治の中身を変える党―日本共産党を伸ばしてください」と力を込めました。

 街頭演説では、谷川智行衆院東京比例候補もマイクを握り訴え。学生と福祉職場で働いていた青年が深刻な実態を語り日本共産党への期待を述べました。

 演説の後、志位氏を囲んだトーク集会が開かれ、パティシエ(菓子職人)の若者や学生らから出された「職人の世界では労働基準法がないに等しい」「共産党が考える社会の根本的変革とは」などの質問にていねいに答えました。

 都内の大学二年の男性は「就職してもいつ非正規になるかわからない不安がある。ひどい非正規労働をなくすという共産党の主張には共感する」と語っていました。