2009年1月1日(木)「しんぶん赤旗」

派遣村始まる

全国から支援

志位委員長が激励


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(写真)ボランティアが配る炊き出しに並ぶ人たち=12月31日、東京・日比谷公園

 「派遣切り」「期間工切り」によって仕事と住まいを失った人たちに、炊き出しや宿泊あっせんを行う「年越し派遣村」が三十一日、東京都千代田区の日比谷公園で始まりました。

 「派遣切り」にあいホームレス状態にある失業者ら百二十九人が入村し、三百六十人がボランティアに登録しました。派遣村は、労組、市民団体が実行委員会をつくって開設、生活保護やハローワークの窓口が開く五日まで行われます。

 会場には、日本共産党長野県委員会の米やリンゴを満載した三トントラックなど、支援物資が次々に届きました。

 共産党の志位和夫委員長は、中央委員会からの防寒着などを持って駆け付け、笠井亮衆院議員、谷川智行衆院比例東京ブロック候補とともに、「派遣切り」にあった若者らから話を聞き、激励しました。


“一緒に生き抜こう”

炊き出しや労働相談

東京・派遣村

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(写真)年越し派遣村のボランティアの話を聞く志位和夫委員長(中央)と笠井亮衆院議員(その左)=12月31日、東京・日比谷公園

 見上げると厚生労働省庁舎が見える東京都千代田区の日比谷公園。大みそかの寒空のもと、開村した「年越し派遣村」は、全国からの支援物資を運ぶ人や炊き出し、相談活動にスタッフが追われていました。

 開村式では、「村長」の湯浅誠・NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長や、労働組合から全労連、連合、全労協の代表があいさつ。炊き出しの食材を提供した農民運動全国連合会や労働相談を行った日本労働弁護団などから連帯の発言がありました。

 派遣村には百二十九人の入村者が訪れ、埼玉県上尾市から八時間かけて歩いてきた男性(47)もいました。入浴の希望者には銭湯に行く取り組みも。

 荷物運びで息をはずませる千葉県浦安市から来た男性(81)は「みなさんで一緒に生き抜くお手伝いができたらいいと思ってコメ四キロを背負ってここに来た。自分が最高齢のボランティアだと思う」といいます。

 公園近くで飲食店を営む男性(65)は「祖父が関東大地震で避難してきた人に炊き出しをしたことがあって、自分も役に立ててほしい」と、料理を差し入れるなど、村は多くの支援物資であふれました。ボランティアには阪神大震災の被災者や仙台市から来た人も。

 午後、派遣村を訪れた日本共産党の志位和夫委員長は、実行委員やボランティアらと握手を交わしながら、村内を見て回りました。相談コーナーで志位氏は、派遣契約を中途解除された入村者の事例を聞きました。

 「志位さんいっしょに写真を撮ってください」とかけよって来た女性は派遣先の会社で右腕を負傷していました。志位氏は「労災は?」「今の状況は?」とたずねながら激励しました。東京都町田市から来た男性(34)も「日本共産党や民青同盟の方から教えてもらい、カンパでなんとか、ここまで来ることができました」と駆け寄ってきました。

 報道陣から派遣村の感想を問われた志位氏は「全国からボランティアやたくさんの物資がよせられていること、みんなで支えあっていこうという動きはうれしいことだと思う」と表明。「本来は政府がやるべき仕事。こんな寒空に労働者を放り出した大企業の行動は許されるものではない。政府は大企業にたいして“派遣切りをやめなさい”と、きびしい指導をするべきです」と語りました。