2009年3月18日(水)「しんぶん赤旗」

原爆症

今こそ全面解決を

被団協・原告ら 志位委員長に要請


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(写真)原爆症認定をめぐる集団訴訟の原告団、弁護団、日本被団協と懇談する日本共産党国会議員団。左は志位和夫委員長=17日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は十七日、国会内で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と原爆症認定集団訴訟の原告団、弁護団から、千葉訴訟・控訴審判決に対する国の上告断念と、原爆症認定訴訟の全面解決に向けての協力要請を受けました。

 十二日の東京高裁判決では原告が勝訴し、国は一連の集団訴訟で十四連敗となりました。判決は、厚生労働省が昨年四月から運用を開始した新基準よりも幅広い病気を原爆症と認めるべきだとの見解を示しましたが、地裁で勝訴した原告のうち約五十人がまだ認定されず、国・厚労省は法廷で争い続けています。十八日には広島地裁、二十七日には高知地裁判決がだされます。

 要請で、日本被団協の田中熙巳事務局長は、新基準は依然として被爆者間に不合理な線引きがなされているとのべ、上告断念、認定基準の再改定、訴訟解決を求める舛添要一厚労相との面談の実現のために国に働きかけてほしいと語りました。

 志位氏は、「要請はしっかり承りました。政治解決のために力を尽くしたい」と表明しました。

 そのうえで、東京高裁判決が微量の放射線でも障害をもたらす可能性があることを指摘し、被ばく線量で線引きしてきた被爆者行政を批判したことにふれ、「画期的な判決であり、みなさんのたたかいの成果です。政府に政治決断を迫る大事な局面です」とのべました。

 千葉県弁護団の鈴木守団長が、東京高裁判決の画期的意義を強調。勝訴した千葉の原告、高田末子さん(69)は、「私の肝硬変はまだ原爆症と認められていません。被爆者が安心して生きていけるような認定基準にしてほしい」と訴えました。

 志位氏は「他党とも連携をとり、解決に向け頑張りたい」と語り、参加者一人ひとりと握手を交わしました。

 要請には、全国原告団の山本英典団長、弁護団連絡会の宮原哲朗事務局長ら十二人が参加。日本共産党から志位委員長のほか、党被爆者問題委員会の小池晃責任者・参院議員、笠井亮事務局長・衆院議員が同席しました。