2009年4月15日(水)「しんぶん赤旗」

偽装請負推奨する

「応答集」の撤回求める

志位委員長が厚労相に


 日本共産党の志位和夫委員長は十四日、厚生労働省が三月末に全国に通達した「派遣と請負の区分に関する疑義応答集」について、偽装請負を事実上推奨するものだとして撤回するよう舛添要一厚労相に要求しました。舛添氏は「検討したい」とのべました。

 偽装請負は、派遣法の規制を逃れるために請負を装って労働者を働かせること。ところが応答集では、発注会社と請負会社の労働者が混在して働いていてもそれだけでは偽装請負にならないとしたり、請負会社が設備などを発注者から借り入れる場合、別個の契約も不要とするなど、告示三七号で定めた派遣と請負区分の解釈を変える内容になっています。

 志位氏は、キヤノン長浜工場を調査したさい、“両社の労働者を区分していても偽装請負をふせぐのは難しい”と同社幹部が発言していたことを紹介。「これまで区分せよといってきたのに後退ではないか。混在していてもよいとなれば偽装請負を摘発できなくなる」と指摘し、「甚だ遺憾であり、撤回を求める」とのべました。

 舛添氏は、「使用者の立場にたって出したものではない」としながらも、「何らかの改善ができるかどうかも含めて検討したい」と答えました。