2009年4月17日(金)「しんぶん赤旗」

保守系市議も共感

暮らし、外交 大本から政治変えよう

志位委員長訴え

神奈川・海老名


写真

(写真)志位和夫委員長の演説を聞く会場いっぱいの人たち=16日、神奈川・海老名市文化会館

 日本共産党の志位和夫委員長は十六日夜、神奈川県海老名市の文化会館で演説しました。熱心な党支持者に加え、「志位さんの話を一度聞いてみよう」と集まった商工会や医師会の幹部、保守系市議、農業委員など参加者も幅広く、会場のホールも、第二会場もいっぱいです。立ったまま演説に聞き入る人も出るほどの盛況で会場は熱気に包まれました。

 志位氏は冒頭、北朝鮮のロケット発射を受けた今後の対応について、国連安保理の議長声明も六カ国協議の早期再開を求めていることを指摘。北朝鮮の核兵器開発を終わらせる外交努力こそもっとも大切だと力説しました。北朝鮮による六カ国協議からの離脱表明は「間違った態度であり、復帰を強く求める」と表明。「国際社会は冷静で粘り強い努力で復帰を求め続けるべきです」と話しました。

 志位氏が、「一番の大道は、この地球上からすべての核兵器をなくすこと」と核廃絶への決意を訴えると、ホールに大きな拍手が響きました。

 その上で志位氏は、「政治とカネ」、「くらし」、「外交」、「日本共産党の元気の“源”」のテーマで縦横に熱弁をふるいました。

 「くらし」の問題の中で、志位氏は、政府が出した十五兆円の「追加経済対策」には、反省も政策転換もないと厳しく批判しました。

 中身をみれば、従来の政策の延長線上の巨大道路建設や、株の買い取り、贈与税減税など大企業・大資産家の応援が目白押しです。その一方で、庶民のくらしに関する施策は、国債だのみの一年限りのばらまきです。

 志位氏はこう説明して、「『入り口はばらまき、出口は消費税増税』。これでどうして景気がよくなるか。大本から変えなければいけない」と訴えました。

 外交については、すべての国が「国際政治の主人公」になる新しい世界が到来しつつあるのに、「日本はアメリカいいなりでいいのか」と話しました。

 神奈川には、横須賀に米原子力空母が配備され、米軍は母港化を強行しようとしているが、「次々とウソが明るみに出てきた」と力を込めました。

 志位氏は、同空母から放射性廃棄物が搬出されていたことや、横須賀に原子炉を修理する施設が造られていたことを告発。それぞれ、米側の「放射能にさらされた物質は外国の港にある間は搬出されない」「原子炉の修理はしない」という約束をほごにしたものだと批判しました。

 その上で志位氏が、「こんな売国の政治は、もう終わりにしましょう。日米安保条約を解消し、日米友好条約を」と訴えると、割れるような拍手が起きました。

 演説に先立ち、いすゞ自動車を提訴した労働者が「ここまでこれたのは、みなさんのおかげ。志位質問を傍聴し、たたかうしかないと心に決めました。骨になっても前に進んでいきたい」と訴え、「いいぞ」の声援と拍手を受けました。

 衆院選の、はたの君枝南関東比例予定候補と近藤ちあき神奈川13区予定候補、赤間友子14区予定候補が決意を表明。はたの氏は、「爆音も戦争司令部も原子力空母もない、平和への願いを日本共産党へ」と訴えました。

 ある保守系市議は「大企業中心の社会を改めルールある経済社会を、というのはその通り」と語り、初めて参加した座間市の男性(46)は「共産党は庶民の声を聞いているから政府を追及し政治を動かす力があると思った」と述べました。当日再入党した女性(81)は「自分の初心は間違っていなかった」と話しました。

 演説会は、英BBC放送も取材。演説後、志位氏は新入党者を激励しました。