2009年7月4日付「しんぶん赤旗」に掲載

東京都政―本当の対立軸は

自公民「オール与党」か共産党か

都議選告示 40候補が全力

“共産党伸ばし願い実現”に共感

志位委員長・市田書記局長ら訴え


 首都・東京で、自治体の本業を取り戻し、安心と希望の都政を実現する絶好のチャンス――。東京都議会議員選挙(12日投票)が3日、告示され、日本共産党の志位和夫委員長が杉並区荻窪駅前で、市田忠義書記局長が新宿区高田馬場駅前で、それぞれ第一声をあげました。42選挙区(定数127)に221人が立候補。日本共産党は40候補を先頭に、自公民「オール与党」と対決し、福祉・医療・教育など切実な要求を実現しようと訴え、共感を広げました。


 志位委員長はこの日、杉並の第一声で吉田信夫都議候補と、世田谷区で、たぞえ民夫同候補と、中野区では植木こうじ同候補とともに街頭から気迫を込めて訴えました。

 「石原都知事の提案に自民党と公明党は100%賛成、民主党も99・3%に賛成で、同党も『立派な与党』です」「都議選の対立軸は『自民か、民主か』などではありません。自公民『オール与党』か、日本共産党か――ここにこそ本当の対立軸があります」

 「そうだ!」「革新がんばれ」の声があがるなか、志位氏は、全国最低に落ち込んだ高齢者福祉を取り戻す、都立病院半減計画にきっぱり反対し、三つの小児病院をはじめ存続・充実をはかる、全国で東京だけが拒否している30人学級を実施するなど、都民の暮らしと命を守る政策を堂々と訴えました。

「心が動いた」

 杉並の民主候補陣営が配ったビラに、「(新銀行東京は)都政史上最悪の失策!」と書かれているのをしげしげと見ていた男性(32)は、「何でも賛成しておいてこれでは、都民をバカにしているとしか思えません。いままで投票したことはありませんが、共産党はたしかに言うことが一貫している印象があります。かなり心が動いています」と語り、会社員の小倉仁さん(51)は、「公明党は、小児病院つぶしをすすめておきながら、『東京の福祉は日本一』などとよくいえるものですね。民主党の、言うこととやっていることが違う態度も許せない。まさにいま、共産党が必要ですよね」。

 志位氏は、高齢者福祉、医療、教育のいずれの問題でも、日本共産党都議団の論戦と都民の運動で、自公民「オール与党」をあと一歩まで追い詰めていることを具体的に示し、「共産党を伸ばせば必ず都政は変わります」と力説しました。

 世田谷で演説を聞いた、玉川大学4年生で教員志望の女子学生(22)は、自公民が都の30人学級実施を阻んできた話を聞いて、「30人学級のほうが子どもに先生の目が届くのはわかりきったことなのに」と言ったうえで、「ほんとうは東京から全国に広げる話ですよね」と、日本共産党へ期待を語りました。

最後まで聞き

 同じ場所で、文房具を買いに行く途中で自転車を止めた主婦(55)は、ついつい最後まで演説に聞き入りました。

 「成人した子どもが小さい時、精神の病で梅ケ丘小児病院に通いました。子どもを病院に連れて行くのが大仕事で、廃止はとんでもありません。1メートル1億円の道路建設をやめれば福祉は守れるといってくれたことがとても印象に残りました。選挙には長いこと行っていませんでしたが、今回は、身近なところで頼りになる共産党にと決めました」

 中野区で会社帰りに足を止めた男性(36)は「医療も福祉も危機的なんだから、都議会はいいかげんふざけていないで、生活者視点の予算の使い方にシフトしてほしい。共産党には期待しています」と話しました。