2009年8月3日(月)「しんぶん赤旗」

医療崩壊招いた自公政権

国の責任で医師不足の解消と地域医療の抜本的立て直しを

志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は2日、遊説先の島根県松江市で記者会見し、全国どこでも大問題となっている“医療崩壊”をめぐり、政治の責任と打開の方策について見解を述べ、「わが党は、総選挙の重要な争点に打ち出してたたかいたい」と決意を表明しました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=2日、松江市

 志位氏は、公立病院の統廃合、産科・小児科医の不足、救急医療体制の崩壊などが都市部、農村部を問わず全国的に深刻かつ重大な事態となり、中国地方でも、公立病院の再編計画があいつぎ、医療格差と医療過疎の深刻化がおこっていると指摘。打開策として二つの点を強調しました。

 第一は、なんといっても、医師と看護師を計画的に増員し、医療体制を立て直すことです。

 志位氏は、先進国で最低レベルの医師数を計画的に増員し、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均並みにすることが急務であり、医学部入学定員をすみやかに1・5倍化することを提起。また、看護師の増員と労働条件の改善で看護師200万人体制をつくる必要性も強調しました。さらに、医師・看護師確保のためにも、医療崩壊をもたらした大きな要因である診療報酬の総額削減、保険外診療の拡大をやめ、適正な診療報酬を保障する改革を主張しました。

 第二は、国公立病院など公的医療機関への支援を強めることです。

 志位氏は、「公立病院は地域住民の命を守るために、効率性を度外視した部門や、へき地でこそ必要であるのに、その機能をまったく無視して公立病院つぶしをすすめてきたのが自公政権だ」と厳しく批判しました。

 とくに、その青写真となったのが、総務省が2007年12月にまとめた「公立病院改革ガイドライン」です。志位氏は、事実上の“公立病院つぶしガイドライン”ともよぶべきひどいものだと強調。端的に言って、(1)民間病院のある地域の公立病院は廃止・統合を検討する(2)主要な経営指標について数値目標を掲げるなど、効率第一主義をおしつける(3)独立行政法人化、民間への譲渡などもうけ第一の経営形態にする――これらの重大な中身があると指摘しました。

 志位氏は、政府がこれらを合理化する「論拠」として、医師不足の深刻化、診療報酬のマイナス改定、地方財政の悪化などをあげていることについて、「それなら、それを打開する方策をとるのが当然であり、それを理由に公立病院つぶしとは、これほど逆立ちした議論はない」と力説。「日本共産党は、こうした政府主導の公立病院つぶしの中止を強く求めます。国公立病院、厚生年金病院、社会保険病院など、公的医療機関の統廃合、乱暴な民営化をやめ、地域医療の拠点として国が支援することこそ必要だと強く求めます」と述べました。