2009年8月19日(水)「しんぶん赤旗」

自公政権を終わらせ新しい日本に踏み出そう

――政治のゆがみを大本からただす日本共産党の勝利を

東京・新宿 志位委員長の第一声


 日本共産党の志位和夫委員長が18日、東京・新宿駅西口でおこなった総選挙公示第一声を紹介します。


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(写真)第一声で訴える志位和夫委員長=18日、東京・新宿駅西口

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 いよいよ歴史的な総選挙が始まりました。首都・東京で、日本列島津々浦々で、日本共産党の躍進を勝ち取るために、私は燃えに燃えております。どうかみなさんの絶大なご支援をよろしくお願いいたします。(拍手、歓声)

日本共産党を伸ばして、自公政権退場の審判を下そう

 昨日(17日)、日本記者クラブが主催した6党の党首討論会が行われました。そこで麻生首相が言ったことは、「安心社会を実現します」「子どもたちに夢を、若者に希望を、高齢者に安心を」でした。よくもこんなことが言えたものですね。

 「子どもたちに夢を」と言うけれども、生活保護の母子加算まで廃止して、食べ盛り、育ち盛りの子どもさんの食費や衣服費までままならない、そういう状況に追い込んだのはいったい誰か。

 「若者に希望を」と言うけれども、派遣労働のような「使い捨て労働」を横行させ、年収200万円以下の「働く貧困層」と言われる方々を、1千万人を超えて広げてしまったのはいったい誰の責任か。

 「高齢者に安心を」と言うけれども、お年寄りを「うば捨て山」に追いやるような後期高齢者医療制度などという恥ずかしい制度をつくったのはいったい誰ですか。

 そのすべてが自民、公明の政権の責任ではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 ですから、「安心社会の実現」と言うのだったら、真っ先にやるべきことははっきりしております。それは自民、公明が政権から退場することであります。(拍手)

 日本共産党は、どんな問題でも、自公政権と真正面から対決してきた政党です。どうかこの党を伸ばしていただいて、自公政権を終わらせる主権者・国民の審判を下そうではありませんか。(大きな拍手)

「ルールある経済社会」をつくろう――日本社会の四つの異常をただす

自公政権後にどういう新しい政治をつくるかがすでに最大の焦点に

 いま一つ、自公政権を終わらせた後、それに代わるどういう新しい政治をつくるのかが、この選挙の最大の焦点となってまいりました。最近、私はいくつかの党首討論番組に出席しましたが、「この国の形をどうするか」、「日本の将来像をどう考えているか」など、大きな進路が問われます。

 こうした問いに答えて、日本の大きな将来像をどの党よりもしっかりと示しているのが、日本共産党であるということを私は言いたいと思います。(拍手)

「ルールなき資本主義」という大問題をただす

 私たちは「二つの旗印」を掲げてこの選挙をたたかっています。

 第一は、国民のくらしと権利を守る「ルールある経済社会」をつくろうということです。日本は同じ資本主義国でも、ヨーロッパと比べて、異常な特質を持っています。それは、国民のくらしや権利を守るルールがほとんどない。大企業の横暴勝手があまりにも野放しにされている。「ルールなき資本主義」という大問題であります。

 日本共産党は、このゆがみをただして、どの分野でも国民のくらしと権利を守るルールをつくることを訴えております。今日は、四つの点で日本の異常をただそうということを訴えたいのです。

雇用の異常――人間が人間らしく働ける労働のルールを

 一つは、雇用の異常です。ヨーロッパでは非正規労働者の比率は、だいたい1割前後ですが、日本では働く人の3人に1人、若者や女性の2人に1人は、派遣、パートなど不安定な働き方を余儀なくされています。世界経済危機のもとで、ヨーロッパでも失業問題が起こっておりますが、首都のど真ん中に「派遣村」が現れたのは、世界でも日本だけではありませんか。こんなに働く人が粗末に扱われている国はありません。そういう国にしてしまった自民党政治の責任は、まさに重大であります。(拍手)

 みなさん。労働者派遣法を抜本改正して、「雇用は正社員が当たり前」の社会をつくろうではありませんか(拍手)。労働時間を短縮して、日本から痛ましい「過労死」を根絶しようではありませんか(拍手)。最低賃金を時給1000円以上に引き上げ、中小企業にはしっかりとした手当てをして、日本から「働く貧困層」をなくしていこうではありませんか(拍手)。人間が人間らしく働ける労働のルールをつくろうという願いは、労働者の味方の党、私たち日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(「そうだ」の声、大きな拍手)

社会保障の異常――憲法25条の生存権をすべての国民に保障する日本を

 二つ目は、社会保障の異常であります。日本の社会保障は、もともとが貧しいうえに、毎年2200億円も予算を削ってきましたから、世界で日本にしかないという異常なことがたくさん起こっております。

 お年寄りを差別する後期高齢者医療制度などという制度をつくったのは、世界でも日本だけです。医療費の窓口負担が、入院・通院ともに3割負担になっている、こんな国も主要国では日本だけです。ヨーロッパの多くの国では窓口負担が無料です。イギリスにいきますと、会計窓口がありますが、この窓口は患者さんがお金を払う窓口ではなくて、逆に病院が患者さんに交通費などを払う窓口です。これが当たり前の姿ではないでしょうか。(拍手)

 障害者自立支援法の名で、障害が重い方ほど負担が重い「応益負担」を、この分野にまでもちこんでいる国も世界で日本だけであります。

 年金の問題でも年金の保険料を25年払わなければ1円ももらえない、「掛け捨て」になってしまう、こんな過酷な制度も日本だけです。アメリカでも受給資格は「10年以上」、加入期間にかかわりなくすべての人が年金を受けとれる国も少なくありません。

 みなさん。こんなに社会保障を貧しくしてしまった自民党政治を、総決算しようではありませんか。(拍手、「そうだ」の声)

 私たちは、後期高齢者医療制度は、自公政権の退場とともに、撤廃することを強く求めます(拍手)。障害者自立支援法の「応益負担」もきっぱり廃止しましょう。医療費の窓口負担はヨーロッパのように無料をめざし、その第一歩として、75歳以上の高齢者と子どもの医療費は国の制度として無料にすることを提案するものです。(拍手)

 年金の受給資格は、25年から「10年以上」に大幅に短縮しましょう。さらに、最低保障年金制度を導入し、国民年金で月額8万3千円を保障し、まともに生きていける年金を求めようではありませんか。(拍手)

 憲法25条に保障された生存権を、国民すべてに保障する日本をご一緒につくっていこうではありませんか。(拍手)

教育費の異常――経済的理由で学べないという子どもを一人でもつくってはならない

 三つ目は教育費の異常です。高校・大学にかかる教育費は、子ども1人平均で何と1024万円。こんな国は世界にありません。OECD(経済協力開発機構)に加入している主要国30カ国のうち、高校の学費を取っているのは日本も含めて4カ国だけ、26カ国では無料です。奨学金の返済を求めている国も30カ国のうち三つだけ、ほかは返済不要です。

 みなさん。だいたい子どもさんが高校を出たら、奨学金で120万円も借金を背負う。大学を出たら500万円の借金を背負う。人生のスタート台で、かくも借金を背負わされる社会というのは、まともな社会といえないのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 私たちは、高校の学費は無償にしよう、返済不要の奨学金制度をつくろうと訴えております。みなさん、お金の心配で進学をあきらめたり、中途退学という子どもさんを一人でもつくってはなりません。これは政治の責任だということを訴えたいと思います。(拍手)

食料・農業の異常――「安全・安心の食料は日本の大地から」

 四つ目は、食料・農業の異常です。日本の食料自給率は4割です。逆にいいますと外国に食料の6割を依存する国になってしまっている。主要先進国で、自給率5割を切っているのは日本だけです。これは日本国民の生存を危うくする大問題ではないでしょうか。

 再生産のコストが保障されていない。ここに問題があります。いま米価が下落して農家はたいへんです。1俵1万2千円。農家の手取り収入に換算しますと時給わずか179円です。これではとうてい農業は続けていけません。

 ペットボトルにミネラルウオーターを入れて売っているでしょう。ミネラルウオーターの平均価格は500ccで120円です。あのペットボトルにお米をぎっしり入れて売った場合に、農家の手取り価格でいくらになるかご存じでしょうか。100円を切ってしまうんです。500ccといいましたら、2合半ですから、ほかほかのご飯が6杯は炊けるでしょう。そのお米を水よりも安くしてしまったというのは、自民党農政の大失政だということを、私は言わざるをえません。(拍手)

 私たちは、農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて、農家のみなさんが安心して農業にはげめる再生産のコストを保障する。そして関税など国境措置を維持、強化し、歯止めのない輸入自由化にストップをかける。この二つの柱で、食料自給率を引き上げていきたいと考えております(拍手)。「安全、安心の食料は日本の大地から」――この願いを日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

 四つの角度からお話ししましたが、こうした異常をただし、「ルールある経済社会」をつくることこそ、庶民の家計を応援し、日本景気を土台から良くしていく一番の大道でもあることを訴えたいと思います。

財源はある――軍事費、大企業・大資産家を「聖域」とせず、改革のメスを

 それでは、そのための財源をどうするのか。

 この間の党首討論会でも、いつも問題になるのが消費税です。自公政権は、2011年度までに消費税増税の法律を通すという。一方、民主党は、4年間は増税に手をつけないといいながら、その先は増税をお願いするという。両方とも増税派です。

 なぜ財源というと、消費税増税しか思いつかないのか。それは、軍事費と大企業・大資産家――この二つを「聖域」にして、手をつけようとしていないからであります。

 第一に、無駄遣いの一掃というのであれば、軍事費を「聖域」にすべきではありません。東京外郭環状道路のように「1メートル1億円」の巨大開発の無駄遣いをなくすことももちろんですが、年間5兆円の軍事費にこそ縮減のメスを入れるべきではないでしょうか(大きな拍手)。年間2800億円の米軍への「思いやり」予算は、きっぱり廃止しようではありませんか。(大きな拍手)

 第二に、税金をとるというのであれば、大企業・大資産家を「聖域」にすべきではありません。行き過ぎた減税をただし、もうかっているところに応分の負担を求めるのは、当たり前ではありませんか。(大きな拍手)

 昨日の党首討論会で、あるジャーナリストから“大企業に負担を求めたら、企業がつぶれてしまうのではないか”という質問が出されました。しかし、私はその場でお答えしたのですが、日本の大企業というのは、いろいろな優遇税制があるうえに、社会保険料の負担が軽いのです。ですから、税と社会保険料の負担をみますと、日本の大企業はドイツの8割、フランスの7割しか負担しておりません。世間並みに負担してもらおうというのは、無理筋の話ではないのであります。(拍手)

 いまアメリカでは、むこう10年間に富裕層から100兆円、多国籍企業から20兆円の増税を求め、そのお金を庶民減税と医療保険にあてようとしています。良いことはアメリカに見習ったらどうでしょうか。(大きな拍手)

 みなさん。軍事費と大企業・大資産家――これらを「聖域」とせず、改革のメスを入れれば、消費税に頼らなくてもくらしを良くする財源はつくれます。ですから私は訴えたい。どうか今度の総選挙では、安心して消費税増税絶対反対の声を上げようではありませんか(拍手)。その声を日本共産党に託してください。(大きな拍手)

憲法9条を生かした「自主・自立の平和外交」を

 第二は、平和の問題です。

 8月に総選挙が行われるのは、戦後初めてです。8月は、日本国民にとって特別の月であります。今年も広島、長崎、終戦の64回目の記念日がめぐってきました。この特別の月に行われる総選挙にあたって、どの党が本当の平和の守り手の党かを見極めて選んでいただきたいと思います。

野党として「自主・自立の平和外交」に取り組んでいる党

 みなさん。日本共産党は、憲法9条を生かした「自主・自立の平和外交」に転換しようと訴えています。そして野党ではありますが、「自主・自立の平和外交」を実行している党だということをお話しさせていただきたいのです。

 今年の4月5日、チェコのプラハで、オバマ大統領が歴史的演説を行いました。「アメリカは核兵器を使用したことがある唯一の核兵器保有国として行動する道義的責任がある」、「核兵器のない世界を追求することを宣言する」という演説です。アメリカという国は、いまでも、広島、長崎に原爆を落としたことが、数十万の米軍将兵の命を救ったという間違った神話が流布されている国です。その国の大統領がこうした発言をしたことは、勇気ある発言ではないでしょうか(拍手)。ですから私は、大統領にたいして、「あなたの発言を歓迎します。ぜひ核兵器廃絶を主題とした国際交渉を開始してください」と要請する書簡を送りました。そうしたら、しばらくして大統領側から「あなたの情熱をうれしく思います」と書かれた返書が届けられました。アメリカも変化しつつあるではありませんか。(拍手)

 8月4日、来日された国連総会議長のデスコトさんと、私は東京で会談する機会がありました。ここでも核兵器問題について話し合いました。私が、「ぜひ協力してこの問題に取り組みたい」と述べましたら、議長はこう応じました。「あなたのオバマ大統領あての書簡はすでに読みました。あなたの見解に賛成です。この歴史的好機を生かしましょう」。国連議長との間でも、こういう一致点が得られたということをみなさんに報告しておきたいと思います。(拍手)

人民のたたかいこそ平和のルールをつくる力

 みなさん。世界をここまで変えた力はなんでしょう。それは、世界の平和の世論と運動です。とりわけ被爆国・日本の反核平和の運動が、とうとうアメリカを動かし始めたというのが、いまの世界だということを、私は訴えたいと思います。(拍手)

 先日、被爆者団体の方々とお会いしたさいに、ある被爆者の方がこうおっしゃっておられました。「私たち被爆者は、つらい病気とたたかいながら、戦後64年、核兵器のない世界を訴え続けてきました。それがとうとう世界に届いた」

 みなさん。人民のたたかいこそ平和のルールをつくる力であります。被爆国・日本から、「核兵器のない世界を」の声を広げに広げようではありませんか。(拍手)

平和の願いを、党をつくって87年、反戦平和をつらぬいた日本共産党に

 私たち日本共産党は、アメリカとの関係は本当の友情を望んでいます。本当の友情というのは上下関係ではつくれません。対等・平等でこそ本当の友情がつくれます。ですから、アメリカ言いなりの大本にある日米安保条約はもうやめて、それに代えて日米友好条約を結ぼうというのが日本共産党の提案でございます。(拍手)

 8月にたたかわれる総選挙で、「核兵器のない世界」を、「戦争のない世界」を、憲法9条を守ろうという平和の願いを、党をつくって87年、一筋に反戦平和を貫いてきた日本共産党にお寄せください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

「国民が主人公」の新しい日本に踏み出す選挙に

 みなさん。「ルールある経済社会」、憲法9条をいかした平和外交――「二つの旗印」ということをお話ししました。これが私たちのめざす新しい日本の進路ですが、その大本にある考えは「国民が主人公」ということです。

 日本国憲法には、「国民主権」と書いてあります。しかし実態は、内政は「財界中心」、外交は「日米軍事同盟中心」となっています。主権者である国民がそっちのけです。このゆがみを大本からただして、憲法に書いてある通りの「国民が主人公」の日本をつくりたい。これが、日本共産党の日本改革の大方針であります。(拍手)

 みなさん。この選挙を、こうした新しい日本に踏み出す総選挙にしていこうではありませんか。(大きな拍手)

「建設的野党」として、現実政治を前に動かす

 みなさん。自公政権を終わらせたあとの政権はどうなるでしょう。民主党中心の政権ができる可能性がたいへんに大きいでしょう。

党首討論会――「財界主導」の政治と決別するといえない民主党

 それでは民主党には、「財界中心」「日米軍事同盟中心」という政治のゆがみの大本をただす立場があるでしょうか。

 昨日、党首討論会で私は鳩山代表に聞きました。

 「鳩山さんは、『官僚主導』の政治から脱却すると言っています。もちろん悪い『官僚主導』の政治とは決別しなければなりません。同時に聞きたいことがあります。それは、『財界主導』の政治と決別する意思があるのかどうかということです。労働法制の規制緩和も、社会保障費の削減も、消費税増税も、すべての震源地は財界です。財界の号令で始まっています。ここから抜け出さないと、国民のくらしは守れません」

 こう聞きましたが、鳩山さんからは、定かな答えはありませんでした。「財界主導」からの決別が言えないところに、民主党の大きな問題があるということを、私は昨日の討論を通じても感じました。

派遣法改正、後期医療制度撤廃、高校授業料無償化――一致点で協力し実現はかる

 みなさん。こういう状況ですから、私たちは、民主党中心の政権ができた場合には「建設的野党」として、国民の要求を政策にしてどんどん積極的に提案し、「良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対」という立場で、現実政治を前に動かすために頑張りぬくことを、お約束するものです。(拍手)

 協力するという点では、私たちはかねてから、労働者派遣法の改正、後期高齢者医療制度の撤廃、障害者自立支援法の「応益負担」の廃止、生活保護の母子加算の復活、高校授業料の無償化などを主張してまいりましたが、民主党のマニフェストをみますと、これらの点で方向の一致がみられます。こういう問題については、ぜひ新しい国会で協力して実現をはかりたい。そのためにも、これらの問題について先駆けて一貫して頑張ってきた日本共産党を伸ばしていただきたい。よろしくお願いいたします。(拍手)

日米FTAに断固として反対する――農業再生の大黒柱は日本共産党

 同時に、民主党のマニフェストの中には、私たちが絶対に容認できない大問題も含まれております。

 たとえば、「日米の自由貿易協定(FTA)の交渉を促進」と明記されています。これはたいへんな問題です。日米FTAが結ばれたら、日本の農業とくにコメが壊滅的な打撃を受けます。コメの何と82%がつぶされてしまいます。日本国民の主食であるコメまでも、アメリカに差し出そうという日米FTAには、私たちは断固として反対であります。(拍手)

 私は、昨日の党首討論で、コメと農業抜きの日米FTA交渉はありえないということを、米国当局者の発言も引いてただし、鳩山さんに、「交渉に入るべきではない」とただしましたが、鳩山さんの答えは「私はまったくそう思ってはいません」と、あくまで日米FTAに固執する態度でした。

 こういう民主党が政権について、日米FTAの動きがもちあがったときに、その「防波堤」になれる政党は誰でしょう。自民党と公明党はこの問題で民主党をさかんに攻撃していますが、牛肉・オレンジの輸入自由化をすすめ、ミニマムアクセス米をどんどん輸入してきた自公に、「防波堤」の仕事を期待できるでしょうか。

 そう考えますと、民主党中心の政権ができて、こうした間違った政治がやられようとしたときに、「防波堤」となれるのは、日本共産党しかないではありませんか(拍手)。日本共産党こそ、日本農業再生の大黒柱として、頑張りぬける党であります。(「そうだ」の声、大きな拍手)

衆院比例定数削減――国民多数の声が国会に届かなくなる暴挙は許さない

 もう一つ、民主党のマニフェストで、どうしてもいっておかなければならない問題があります。「衆議院の比例定数を80減らす」と書いてあります。「無駄遣いをなくす」という項目のなかに入っています。比例代表が無駄だというのです。

 しかし、いまの選挙制度で、国民の民意を国会に反映する、いちばん民主的な部分が比例代表です。半分にしてしまったら、自民・民主で議席の95%を独占してしまうことになります。そうなったらどうなるでしょう。たとえば「消費税増税反対」は国民多数の声です。しかし、自民・民主の両党は増税派でしょう。そうなりますと、「消費税増税反対」の多数の声が国会に届かなくなるじゃありませんか。「憲法9条守れ」の声も国民多数の声です。しかし自民・民主の両党は、憲法9条改定派です。そうなりますと、「憲法9条守れ」という多数の声も、国会に届かなくなるじゃありませんか。国民多数の声を国会からしめだす民主主義の逆行は、絶対に許すわけにはまいりません。(「そうだ」の声、拍手)

 「政治が身を削る」というのならば、320億円もの政党助成金こそ撤廃せよ。このことを強く求めたいと思います。(大きな拍手)

日本共産党の出番の時代――新しいページに、新しい進路を描き込もう

 そして私たちは、「国民が主人公」の民主的政権――民主連合政府をつくるための国民的な合意と共同を強めるために、力を尽くしてまいります。

 みなさん、いま日本の政治は大転換の時代を迎えています。いま行き詰まっているのは、自民党政治そのものです。「財界中心」「日米軍事同盟中心」という自民党政治そのものが行き詰まっています。その担い手は自公ですから、自公政権が激しい批判の対象となっていますが、行き詰まっているのは自民党政治そのものなのです。ですから、この自民党政治の大本を変える立場がない、「財界中心」「日米軍事同盟中心」から抜け出す立場がない民主党中心の政権ができても、この行き詰まりは大本からは解決できません。政治の大本を変える日本共産党を伸ばしてこそ、日本の未来が開けるということを、私は訴えたいと思うのであります。(大きな拍手)

 みなさん。大きな視野でみれば、日本共産党の出番の時代が始まっているのです。その最初の歴史的政治戦が今度の総選挙です。

 古いボロボロになった自公政権というページを、みんなでめくろうじゃありませんか。めくったら、真っ白いページが現れてきます。そこに新しい日本の進路を描き込むのは、有権者のみなさんです。日本共産党は、今日お話ししたように、「ルールある経済社会」、9条を生かした平和外交という将来像を描き込みたい。「国民が主人公」の新しい日本を、国民のみなさんとご一緒に描き込もうと訴えております。

 みなさん。そうした新しい安心と希望の日本、平和の日本への第一歩となる、すばらしい躍進を、どうか勝ち取らせていただきたい。そのことを重ねてお願いし、私も委員長として先頭に立って知恵と力の限りを尽くして頑張りぬく決意を表明しまして、訴えとさせていただきます。ありがとうございました。(「頑張れー」の声、大きな声援と拍手)