2009年8月29日付「しんぶん赤旗」

「奨学金提案、うれしかった」

志位氏訴えに

千葉・東京・神奈川


 「『自公政権ノー』が国民多数の声であることはもはや明らかです。この自公政権を退場させた後に日本の政治を前にすすめるうえで、日本共産党を伸ばすことが決定的、一番確かな力です」「日本共産党と書いてくださる方を広げに広げてください。心よりお願いします」――。

 総選挙戦最終盤、文字通り、一票一票を争う大激戦のなか、志位和夫委員長は28日、千葉、東京、神奈川で街頭演説を行いました。18日の公示以降、連日、北海道から沖縄まで駆け巡った志位氏。「暮らしと平和を守って」と託された全国の有権者の思いを背に、この日も、新しい歴史を切り開く総選挙で党躍進をなんとしてもとこん身の力を込めて訴えぬきました。

 「ちょっと聞いていこうよ」と誘い合ったサラリーマン、デパートの買い物袋を両手に提げたまま聞き入る女性、車いすで駆けつけた男性、立ち止まり手をつないだまま視線を送る若いカップル…。そんな聴衆を前に、志位氏が、自公政権退場後、「良いものには賛成、悪いものにはきっぱり反対」し、「国民が主人公」の新しい政治を切り開く「建設的野党」の立場を表明すると、どこでも共感の輪がぐんぐん広がりました。

 東京・有楽町。背筋を伸ばして聞いていたアルバイトの安井美香さん(23)は「私は間に合わなかったけれど、弟がまだ中学生なので、給付型の奨学金の提案は本当にうれしかった。初めての選挙は、主張がはっきりしている共産党に入れます」と笑顔です。

 「自民は最悪だが、民主党政権も不安だよ」というのは千葉・松戸市で腕を組みながら聞いていた男性。「自民党と民主党は同じレコードのA面とB面のような感じがする。いままでは共産党に入れたことはないけれど、今度は民主党の歯止めとして比例で入れようと思う」といいました。

 神奈川・川崎市で内藤のり子さん(63)は「大企業にきちんとモノをいうのは本当に勇気がいると思います。それを実践してきた党だからこそ、民主党中心の政権ができても、国民の立場でスジを通せると思う」と期待を寄せました。

 広がる共感と同時に、ギリギリまで投票先を模索する姿もありました。

 有楽町で足を止めた自称“完全無党派”の女性(64)は、「悪いことには『歯止め』の役割を果たすといったことが胸に残りました。マニフェストを読んで、投票日までじっくり考えたい」。

 「『建設的野党』とは、共産党も変わったもんだ。力強いよ」。松戸市の演説後、こう興奮ぎみに語ったのは自転車を止めて聞き入った71歳の男性です。「自民党員だったこともあるが、ここまで国民無視の自民党には堪忍袋の緒が切れた。小選挙区は民主に入れる」とのべ、「比例は最後まで共産党の勢いを見てから決める」と語りました。

笠井候補、はたの候補

 28日には、志位委員長とともに、衆院東京比例ブロックの笠井亮候補と、同南関東比例ブロックの、はたの君枝候補が訴えました。

 笠井候補は、「この4年間、175回の国会論戦をたたかわせ、無駄な東京湾横断道路の計画を中止させた。地球温暖化ストップも、産業界に責任を果たさせる政治なしには進まない。財界・大企業から一円の献金ももらわない共産党ならではの仕事を、何としても新しい国会でさせてほしい」と力説。はたの候補は「『派遣切り』をやめさせるために、いすゞ本社にもいった。核兵器をなくすために米軍基地にもいった。軍事費と大企業優遇にメスを入れられる党だからこそ消費税に頼らず財源をつくれます」と訴えました。