2009年8月25日付「しんぶん赤旗」

比例代表 日本共産党の政見放送

志位委員長が語る

聞き手 浦吉ゆかさん


 衆院比例代表選挙の政見放送で、志位和夫委員長と俳優の浦吉ゆかさんが対談している部分を紹介します。


 浦吉 志位さん、こんにちは。

 志位 こんにちは。

 浦吉 志位さん、共産党はこの総選挙で何を一番に訴えているのでしょうか。

 志位 まず自民・公明の政権を退場させよう、そのために自公政権と真正面から対決してきた日本共産党を伸ばしてください、と訴えています。同時に、自公政権を退場させた後に、それに代えてどういう新しい政治をつくるのか、私たちは、国民の暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」をつくろう、憲法9条を生かした平和外交に転換しようと呼びかけています。

「ルールある経済社会」――雇用、社会保障、教育費

 浦吉 暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」。具体的にはどういうことですか。

 志位 まず人間らしい労働のルールをつくりたい。いまヨーロッパでも失業は問題になっていますが、首都のど真ん中に「派遣村」があらわれたのは日本だけでしょう。働く人の3人に1人が不安定雇用となり、年収200万円以下の「働く貧困層」といわれる人々が1000万人を超えて広がっています。

 私たちは労働者派遣法を抜本改正し、「『雇用は正社員』が当たり前」の社会をつくる、労働時間を短縮し「過労死」を根絶する、最低賃金を時給1000円以上に引き上げ、「働く貧困層」をなくす、など人間が人間らしく働ける労働のルールをつくろうと提案しています。

 浦吉 ヨーロッパに比べると社会保障も貧困ですよね。

 志位 そうですね。後期高齢者医療制度などというお年寄りを差別する制度をつくっているのは日本だけです。日本では医療費の窓口負担が入院・通院とも3割ですが、こんな国も主要国にはありません。ヨーロッパで多くの国が、窓口負担は無料なんですよ。

 私たちは、後期高齢者医療制度は撤廃する、医療費の窓口負担はヨーロッパのように無料を目指す。その第一歩として75歳以上の高齢者と子どもの医療費は、国の制度として無料にしようと提案しています。

 浦吉 子どもといえば教育費も心配です。うちの子どもももうすぐ高校受験なんですが、この先の学費が心配です。

 志位 高校・大学にかかる教育費は、子ども1人平均で、なんと1024万円。こんな国も世界にありません。

 私たちは、高校の学費は無償化し、返済不要の奨学金制度を創設することを提案しています。お金がなくて進学をあきらめたり、中途退学――こういう子どもさんを、一人でもつくってはなりません。これは政治の責任です。

財源をどうするか――消費税に頼らずに12兆円

 浦吉 ぜひ実現してほしいことばかりですが、財源のほうは大丈夫なのでしょうか。

 志位 政治の姿勢を変えましたら、財源の問題、解決つきます。第一は、無駄遣いの一掃です。特に年間5兆円の軍事費を減らし、年間2800億円の米軍への「思いやり予算」はきっぱり廃止します。第二は、大企業と大資産家への行き過ぎた減税をただし、応分の負担を求めることです。この二つをしっかりやれば、約12兆円の財源がつくれます。

 今、アメリカを見ても、大企業や大金持ちに負担を求めて、そのお金で、庶民減税や医療保険を行うという動きになってますでしょう。

 浦吉 なるほど、消費税を上げなくても大丈夫ということですね。

 志位 そうです。軍事費と大企業・大資産家――ここを「聖域」としないで、改革のメスをいれれば、消費税に頼らなくても、暮らしをよくする財源はつくれます。ですからどうか安心して消費税増税反対の声を上げましょう。

9条を生かした平和外交――「核兵器のない世界」を

 浦吉 もうひとつの「憲法9条を生かした平和外交」ですが、志位さん、オバマ大統領と手紙のやりとりがあったそうですね。

 志位 今年4月、オバマ大統領がプラハで、「核兵器のない世界を追求する」という演説を行ったんです。そこで、私は、「あなたの演説を歓迎します。ぜひ核兵器廃絶を主題とした国際交渉を開始してください」と要請する書簡を送りました。そうしましたら先方から「あなたの情熱をうれしく思います」という返書が届きました。

 先日、私は、来日された国連総会議長のデスコトさんと会談する機会があったんですが、議長は「あなたがオバマ大統領にあてた書簡を読みました。あなたの見解に賛成です。ぜひ、この歴史的チャンスを生かしましょう」といわれました。

 浦吉 世界はずいぶんと変わってきているんですね(志位「はい」)。「核兵器のない世界を」というメッセージを、私も、演劇を通して伝えたいと思っているんです。

 志位 それはすてきですね。ぜひ、被爆国・日本から、「核兵器のない世界を」という声を広げに広げましょう。

「国民が主人公」の日本を目指し、「建設的野党」として頑張る

 浦吉 共産党が目指す新しい日本が、ちょっとずつですが、見えてきました。

 志位 私たちが目指す新しい日本とは、一言でいえば「国民が主人公」の日本です。日本国憲法には「国民主権」と書いてありますね。ところが実態は、内政は「財界中心」、外交は「日米軍事同盟中心」となっています。この政治のゆがみをただして、憲法に書いてあるとおりの「国民が主人公」の日本をつくる、これが私たちの日本改革の大方針なんです。

 浦吉 今度の選挙の後には「建設的野党」として頑張ると言っていますね。

 志位 自公政権を退場させたら、民主党中心の政権になるでしょう。そのときは、私たちは、今日お話ししたような政策をどんどん提案して、「良いことには協力、悪いことにはきっぱり反対」という立場で、現実政治を前に動かす、そういう仕事をしっかりやりたいと思ってるんです。民主党のマニフェストを見ますと、日本の農業とコメをつぶす日米FTA(自由貿易協定)の交渉促進や国民多数の声を切り捨てる衆院比例定数の削減など、危険な内容も含まれています。ですから、そういう問題が持ち上がったら、私たちはそれをくい止める「防波堤」として頑張ります。

 浦吉 たのもしいですね。

 志位 みなさん。日本共産党を大きくのばして、自公政権を退場させ、「国民が主人公」の新しい日本にふみだしましょう。絶大なご支持をよろしくお願い致します。