2009年10月30日付「しんぶん赤旗」

「願い」と「不安」を代弁

衆院本会議 志位委員長の代表質問


 雇用や社会保障、基地撤去など、国民の切実な願いを新政権にぶつけた日本共産党の志位和夫委員長の代表質問。市民から「気持ちにぴったり」「言いたいことを言ってくれた」と共感の声があがっています。


住居支援ありがたい

現在求職中の五味川祐太郎さん

 志位さんの代表質問を初めて聞きました。

 志位さんは、「失業者とその家族をホームレスにしないための本腰のとりくみ」「生活と住居の支援をおこなう制度」を鳩山首相に迫りました。僕たち失業者が言ってほしいことを質問してくれてありがたく思います。感謝します。

 僕が会社から突然解雇されたのは3月です。寮を追い出され、一番に困ったのは住居です。「解雇即ホームレス」という過酷な状態にあるのが失業者の実態です。住居を失うとハローワークにいっても仕事をさがすことが困難です。失業者には行政の責任で住居の確保をしてほしい。

 これまで僕は、アルバイトや契約社員など非正規の仕事ばかりでした。志位さんは「雇用は正社員が当たり前の社会をめざすべきだ」と迫りました。僕らのような悲惨な思いをする若者をなくすためにもぜひ実現してください。

米価、よくぞ言った

山形・庄内農民センター事務局次長梶 昇司さん

 志位委員長が、日本農業再生には農産物の価格保障と所得補償の組み合わせが必要だと語ったときは「よくぞ言った」と快さいを叫びたい気持ちになりました。「米価の下支えがなければ、日本の農業も経済も守れない」という私の考えと一致していたからです。

 鳩山首相は輸入自由化について「前提にしない」と言いつつ「自由貿易は必要だ」と答弁するなど、論理が矛盾していました。民主党がめざす戸別所得補償制度は、関税撤廃とセットにすれば財源が何兆円かかるか分かりません。志位委員長が「穴のあいたバケツに水を注ぐ」制度と言ったのは鋭い指摘です。

 いま農家は低い米価で赤字経営を余儀なくされています。共産党が今後の国会論戦で実態を明らかにし、自公政権から続く「効率万能」の農政を変えさせることを期待します。

首相の答弁には失望

やんばる統一連事務局長 仲本興真さん

 志位さんの質問は、国民のくらしから平和問題まで全面的で国民の気持ちにぴったりのものでした。とくに沖縄問題は普天間基地の県内移設に反対する県民の気持ちに沿った、かつ本質を突いた質問で、沖縄県民を激励してくれました。

 鳩山首相の答弁には失望しました。心底からわじわじい(沖縄の方言で怒る)した。「沖縄県民の思いを受け止める」というのは言葉だけで、「アジア・太平洋での不安定要因を理解する」「(日米安保の)抑止力は必要」などとアメリカへの配慮ばかりが強調されている。ここには「基地のない平和な沖縄」という県民の強い願いへの理解が感じられない。「検証」を口にするならいま鳩山政権がやるべきは、この県民の民意に立つことではないか。

 志位さんが首相に呼びかけたように、鳩山政権は、普天間基地の即時閉鎖、県内移設と辺野古への新基地建設は許さないという「県民の断固たる意思」による対米交渉に踏み切るべきです。

 私たちは来年1月の名護市長選で「県内移設」と新基地建設にきっぱりと反対する市長を必ず実現する決意を新たにしています。

これが高齢者の声だ

東京都老後保障 推進協会会長 城田尚彦さん

 志位さんは、歯切れもよく、高齢者の声を代弁した素晴らしい質問でした。

 鳩山首相は後期高齢者医療制度を老人保健制度に戻したら混乱すると言っていましたね。でも昨年6月に当時の野党4党(共産・民主・社民・国民)で参院に提出し可決した同法の「廃止法案」では、混乱はないと書いていたんですよ。戻すことによって保険料が上がる人には国が助成するとまで決めた、きめ細かい法案でした。それなのに「混乱する」なんて、何をいまさら、と言いたいです。

 政府が先延ばしにしている間に、各地では保険料の見直しが始まっていくんです。例えば東京は来年、広域連合の試算で、保険料が年平均1万2千円以上も上がるといいます。

 志位さんも言っていたけど、見直している4年の間に、何人も亡くなってしまいます。お年寄りを泣かせるような政治ではダメです。一刻も早い、廃止しかありません。

 私たちは今後も、廃止に向け、署名や座り込みも計画しています。さらに運動を強めていきたいと思います。