2009年11月27日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党は26日、党本部で第10回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長が第25回党大会決議案の提案報告を行いました。総会は2日間の日程です。
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志位委員長は、報告の冒頭に5章24節(別項)からなる大会決議案全体の特徴について説明しました。
今度の大会は、総選挙で自公政権に退場の審判が下り、日本の政治の大きな変化が始まる激動的情勢のもとで開かれます。志位氏は、決議案について「日本の政治の現状を大局的にみてどうつかむのか、そのもとで日本共産党はどういう役割を果たすのかについて、日本の政治の大きな流れのなかで浮き彫りになるようにしている」と指摘。決議案は今後2〜3年の党活動の指針になるもので、「表面の現象を追いかけるのではなく、日本と世界の現象の根底にある本質を端的にのべている」と強調しました。
第1章は、日本の政治の現状を大局的にどうつかむかについて、のべています。志位氏は、自公政治に代わる新しい政治の探求途上にあるという“「過渡的な情勢」と特徴づけられる「新しい時期」”の意義を説明。日本の政治を前に動かしていく力は、国民の世論と運動、日本共産党のたたかいにあると強調しました。
第2章は、そうした「過渡的な情勢」のもとでの日本共産党の任務です。志位氏は、切実な要求を出発点としながら政治的体験を積み重ねるなかで自覚と力量を高めるという国民の認識の発展過程を示し、これを後押しすることに日本共産党の任務があると指摘。その内容として、(1)国民要求にこたえて現実政治を前に動かす(2)「二つの異常」―「異常な対米従属」「大企業・財界の横暴な支配」をただす改革をめざす国民的合意をつくる(3)日本の政治の反動的逆行を許さない―という3点を明らかにしました。
第3章は、大きく変わりつつある世界と日本共産党の立場です。志位氏は「世界の動きは、大局でみるなら、日本での私たちの事業の力強い味方になっているという角度から世界論を明らかにしている」とのべました。
第4章は、国政と地方政治での躍進、強大な党建設をめざす方針です。志位氏は、この章が直面する参院選挙の目標と方針を明らかにしていると同時に、「大会決議案全体が当面する参院選挙をたたかう政治的方針書ともなっている」と力説しました。党綱領実現をめざし、中期的展望にたった「成長・発展目標」をもって奮闘すること、2010年代を党躍進の歴史的時期とすることを提案しています。
第5章は、資本主義から社会主義・共産主義へという体制的変革の角度からの世界論です。「この章の叙述で心がけたのは、世界の動きが日本でたたかう私たちに新たな展望と勇気を与えるものとなっていること」と強調しました。
このあと、志位氏は各章ごとに詳しく説明しました。報告の最後に党大会に向けて、「決議案を全党の英知を結集して練り上げ、すべての支部で討議し、参院選勝利、『党躍進特別期間』成功の推進力として活用してほしい」とよびかけました。
日本共産党の大会 日本共産党にとって最高機関です。党大会は、活動方針を決め、中央委員会を選出します。また、綱領や規約を変えることができます。中央委員会が招集し、2年または3年に1回開かれます。代議員と中央役員によって構成されます。第25回党大会は、来年1月13日から4日間の日程で開かれます。
(1)前大会決議と、日本政治の大きな変化の始まり
(2)歴史問題での前向きの打開と、今後の課題について
(3)総選挙は「過渡的な情勢」と特徴づけられる「新しい時期」を開いた
(4)国民の世論と運動、日本共産党のたたかいが「新しい時期」を開いた
(5)「過渡的な情勢」のもとでの国民の認識の発展過程と、わが党の任務
(6)国民要求にこたえて現実政治を前に動かす
(7)「二つの異常」をただす改革(1)――「異常な対米従属」の打破
(8)「二つの異常」をただす改革(2)――「ルールある経済社会」を
(9)日本の政治の反動的な逆行を許さない
(10)「国民が主人公」の日本へ――新しい条件をくみつくし国民的共同を
(11)世界では平和と社会進歩への激動が進展しつつある
(12)米国・オバマ政権と、日本共産党の立場
(13)世界に広がる平和の地域共同体の動き
(14)民主的な国際経済秩序を求める動きの進展
(15)どうしたら人類は「核兵器のない世界」に到達できるか
(16)日本共産党の野党外交の発展について
(17)参議院選挙での党躍進の条件、政治的意義について
(18)参議院選挙の目標と方針について
(19)地方政治の新たな特徴と、地方選挙の方針について
(20)綱領実現をめざし、中期的展望にたった「成長・発展目標」をもって奮闘する
(21)「過渡的な情勢」を前にすすめる質量ともに強大な党建設を
(22)世界の資本主義の矛盾の深まりと、科学的社会主義への注目
(23)21世紀の世界の現実のなかでの未来社会への動き
(24)党綱領の示す21世紀の世界史的な展望にたって