2010年3月6日(土)「しんぶん赤旗」

価格保障と所得補償で安心の農政を

茨城・水戸市 志位委員長がJA茨城県中央会と懇談


写真

(写真)農協中央会との懇談会で発言する志位和夫委員長。その左は成田治彦参事役、右は大門みきし参院議員=5日、水戸市

 日本共産党の志位和夫委員長は5日、茨城県水戸市内で、JA県中央会の成田治彦中央会参事役らと懇談し、党の農業再生プランの内容を紹介しながら日本農業の再生や振興について意見交換しました。昨年のJA全国大会後に、志位氏がJAの県段階の幹部と懇談するのは初めてです。

 志位氏は冒頭、JAが「全方位」で各政党の意見を聞く姿勢となり懇談の機会ができたことにお礼をのべました。その上で農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて再生産可能な農業収入を保障することと、歯止めのない農産物の輸入自由化にストップをかけて食料自給率を引き上げる党の提案を説明しました。

 民主党政権が10年度からモデル事業を始める戸別所得補償について志位氏は「経営の一定の下支えにはなるが問題点が多い」として(1)所得補償の水準が全国一律で低すぎる(2)転作作物への補助金を大幅に減額(3)輸入自由化推進と一体の方針―の3点をあげました。

 「農業再生のためには所得補償と一体に生産コストをカバーする価格保障を行って再生産可能にすることと、輸入自由化をやめて『食料主権』を保障する貿易ルールをつくることが不可欠です」と表明し、「茨城の多面的で豊かな農業の発展へ努力されてきたみなさんからお話をうかがい、新政権へのご意見を率直に聞かせてほしい」とのべました。

 JAの秋山豊総務企画部長は訪問に感謝し「確かに戸別所得補償の水準が低いことは感じている」と強調。「最大の不安材料は価格が暴落した場合、基準価格がどんどん下がって戻らなくなることだ」と述べました。

 秋山氏は政府が推進する自由貿易協定(FTA)について「まさかやらないだろうと考えるが、民主党が農民の味方と言いながらFTAをやるなら裏切り行為ではないか。もしそうなら組織を挙げて反対運動をせざるを得ない」と語りました。

 志位氏は鳩山首相が国会でFTAを「前向き、積極的に推進する」と答弁したことを紹介し「みなさんとスクラムを組んでFTA阻止のためたたかいたい」と応じました。

 コメの需要拡大を図る対策のほか、麦や大豆、畜産や野菜・果樹農家への支援、量販店による農産物買いたたきの規制などさまざまな要望が出されました。

 懇談の最後に成田氏は、日本共産党第25回大会でJA代表が来賓あいさつしたことを振り返りながら「農業ではわれわれも同じような構えでやらせていただく」と述べました。志位氏は「日本共産党はどんな団体であれ支持を押しつけることはしません。一致点での協力を願っています。今後とも意見交換の機会を持ちたい」と締めくくりました。

 懇談には田谷武夫県委員長、稲葉のぶとし参院茨城選挙区予定候補・県書記長、大門みきし参院議員、地方議員・予定候補者が同席しました。