2010年4月1日(木)「しんぶん赤旗」

政府、「討論記録」を密約と認める

もはや欺瞞は通用しない

「日米核密約」答弁書 志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は31日、国会内で記者会見し、核密約問題で政府の姿勢をただした質問主意書(17日提出)に対して閣議決定された答弁書を明らかにし、「政府がこれ以上、『日米核密約』に関する欺瞞(ぎまん)を続けることは許されない」として核密約の廃棄を強く求めました。(見解全文答弁書全文


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=31日、国会内

 政府はこの間、核兵器搭載の米艦船の寄港を事前協議の対象としないとした「討論記録」について「日本側は一時的立ち寄り・寄港に関するものと思っていなかった」(岡田克也外相、3月10日衆院外務委員会)などとして、密約と認めてきませんでした。しかし、今回の答弁書では、「討論記録」について、「不公表とすることとして両政府の間で作成された合意文書である」と明記しています。

 この点について、志位氏は、「『討論記録』を日米間の密約であることを政府が認めたものにほかならない」と強調しました。

 しかも、答弁書は、「討論記録」を日米両国政府間の「共通の理解を記録」したものとしています。

 志位氏は、「『共通の理解』とは何かが根本問題として問われてくる」と指摘。不破哲三前議長が公表した二つの米公文書は「核兵器を搭載した軍艦の寄港は事前協議の対象としないというアメリカ側の理解こそ『共通の理解』であったことを疑問の余地なく明らかにするものとなっている」とのべ、「討論記録」を核持ち込みの密約と認めない政府の主張はもはや成り立たないと主張しました。

 また、1994年以後日本に核兵器搭載能力を維持した原潜が寄港している可能性を認めるかとの質問について、答弁書は、「現時点において、政府としては、核兵器を搭載する米国の艦船の我が国への寄港はないと判断している」と回答しました。

 志位氏は、94年の米「核態勢の見直し」(NPR)で「潜水艦に核巡航ミサイルを配備する能力を維持する」という政策変更を行った事実を改めて指摘。答弁書が91年の米核政策をくりかえすだけで、94年のNPRをいっさい無視していることをあげ、「核搭載能力を維持した米原潜が寄港することを否定する根拠を何一つ示せなかった」とのべました。

 志位氏は、「『核兵器のない世界』にいかにすすむかが国際政治の最大の焦点となっているなか、被爆国日本がイニシアチブを発揮するには名実ともに『非核の日本』にならなければならない」とのべ、核密約廃棄の重要性を力説しました。