2010年4月15日(木)「しんぶん赤旗」

米軍普天間基地の無条件撤去へ

沖縄と本土の連帯で切り開こう

4・14中央集会 志位委員長あいさつ


 14日に東京・日比谷野外音楽堂で行われた「沖縄県民と連帯し、普天間基地の即時・無条件撤去を求める4・14中央集会」での日本共産党の志位和夫委員長のあいさつは、次の通りです。


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(写真)国会情勢を報告する志位和夫委員長

 みなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。日本共産党の志位和夫です。私は、日本共産党を代表して、中央集会に集まられたみなさんに、心からの熱い連帯のあいさつを送ります。(拍手)

 いま沖縄では、4月25日の県民大会にむけて、超党派の島ぐるみのたたかいが、大きく盛り上がっています。みんなで沖縄に対する熱い連帯のエールを送ろうではありませんか。(「よーし」の声、大きな拍手)

「移設先探し」――やればやるほど怒りが広がる

 鳩山政権は、あてのない普天間基地の「移設先探し」をやってきましたが、これはやればやるほど、怒りを広げます。

 政府が、米側に伝えたとされる案は、ひどい内容です。名護市のキャンプ・シュワブの陸上部にヘリ滑走路をつくる。鹿児島県の徳之島に訓練や機能を一部移す。そのうえで、うるま市のホワイト・ビーチの沖合の美しい海、おいしい「沖縄モズク」がとれる、豊かな海を埋め立てて、3千メートル級の滑走路が3本もある巨大基地をつくるという。こんなことは絶対に許すわけにいかないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 地元紙「琉球新報」は、「これ以上悪い案は、思いつくことすら難しい」ときびしく批判しました。

 だいたい、鳩山首相はさきの総選挙で、ともかくも「県外、国外」(移設)と、いっていたではありませんか。政府がいまやろうとしていることは、誰がどう見たって、公約違反であり、「選挙詐欺」といわれても仕方がない(「そうだ」の声、拍手)、と私はいいたい。

 沖縄県議会では、「県内移設反対」の決議が全会一致であがっています。「沖縄タイムス」がおこなったアンケート調査では、県内41の市町村長全員が「県内移設」に反対し、「4・25県民大会」にほとんどの方が参加するということです。

 「移設先」に名前があがった鹿児島県・徳之島でも3月28日に、島の人口の16%、4200人が参加する移設反対の群民大会が開かれ、さらに4月18日には、1万人集会が予定されていると聞きました。

 徳之島町の高岡秀規町長は、こうおっしゃっています。「私たちの反対運動は、沖縄に負担してくれといっているわけではありません。日本全国で基地がいらない世の中をつくる責務を持っていることを忘れずに進もう」(拍手)。すばらしい言葉ですね。徳之島のたたかいにも連帯しようではありませんか。(拍手)

無条件撤去を求めて、米側と堂々たる交渉をおこなえ

 みなさん。「移設先探し」が、ゆき詰まった原因はどこにあるでしょうか。「移設先探し」という方針そのものが間違っているんです(「そうだ」の声、拍手)。苦しみはどこに移したって同じ苦しみであって、沖縄県内はもとより、日本全国どこを探したって、それを受け入れようというところが、あるわけがないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 米軍再編計画をつくったラムズフェルド元米国防長官は「(米軍は)歓迎されないところにいたくない」といいました。沖縄はもとより、日本国中どこだって、「歓迎されないところ」なのです(「そうだ」の声、拍手)。ですから、「移設先探し」という愚かなことはもうやめて、無条件撤去を求めて、米側と堂々たる交渉をすべきだということを、私は政府に強く求めたいと思います。(大きな歓声と拍手)

「抑止力」というが、いったいどこに海兵隊を出すのか

 私たちは、国会質問や党首会談で、「無条件撤去の要求にふみきりなさい」と、鳩山首相に繰り返し求めてまいりました。しかし、首相は「それは無理だ」という。「なんで無理なのですか」とただしますと、いつもいうのが「海兵隊は日本を守る抑止力だ」ということです。「抑止力」という言葉で、この3文字で、海兵隊を押しつけようという。

 しかし、「日本を守る」というけれど、いったいどこに対して、海兵隊が必要か。朝鮮半島に海兵隊を送るつもりでしょうか。中国と台湾に、もめごとが起こったときに、海兵隊を送るとでもいうのでしょうか。本気でそんな戦争をやろうと考えている国は、世界のどこにもないではありませんか。

 もしも、もめごとが、東アジア、北東アジアで起こったら、平和的に話し合いで解決する。これこそ世界がのぞんでいることではありませんか。(拍手)

 その羅針盤となるものを、日本国民はもっているではありませんか。憲法9条であります(「そうだ」の声、拍手)。私は、憲法9条こそ、日本を守る最大、最良の力だといいたい。(大きな歓声と拍手)

海兵隊は、沖縄にも、日本にもいらない

 海兵隊というのは、どういう軍隊か。アメリカの当局者がはっきりいっています。1982年、レーガン政権時代のワインバーガー国防長官は、「沖縄の海兵隊は、日本の防衛には充てられていない」とはっきりいいました。1991年、ブッシュ政権時代のチェイニー国防長官は、沖縄の海兵隊が「世界的な役割を果たす戦力投射部隊」――つまり世界的規模で「殴り込み」をかける部隊だといいました。日本を守るための任務を与えられている海兵隊員は、一兵たりともいないんです。

 現実をみても、ベトナム侵略戦争、アフガニスタン戦争、イラク侵略戦争、ファルージャでの虐殺、みんな投入されたのは海兵隊ではありませんか。

 海兵隊は平和のための「抑止力」ではない。戦争のための「侵略力」だということをいいたい。(「そうだ」の声、拍手)

 海兵隊は、沖縄にはいりません。日本にもいりません。アメリカに帰ってもらおうではありませんか。(大きな歓声と拍手)

安保条約をなくして「基地のない日本」の道を開こう

 みなさん。普天間基地だけではありません。沖縄の基地のすべてが問題です。本土もふくめて、米軍基地のすべてが問題です。いつまでも米軍基地国家でいいのかが問われています。

 嘉手納町にうかがったさい、宮城篤実町長は、「嘉手納町では町の面積の83%が基地だ。残りの17%に住民がへばりつくように生活している」と実態を話されました。2006年の「米軍再編」の合意以降も、負担が軽減されるどころか、世界中から米軍機がやってくる。外来機が飛来してくる。渡り鳥じゃないんです(笑い)。「好き勝手に上空の訓練空域で訓練をおこない、嘉手納基地も本当に危険な状態がつづいています」「普天間基地が『世界一危険』というけれど、嘉手納基地も『世界一危険』なんです」といっておられました。

 宮城町長は、「この嘉手納町に政党の党首で来たのは、2人しかいない」というんです。1人目は、不破哲三さん。2人目は、私だということでした(笑い)。そういって歓迎してくださいました。「安保条約の是非を、ぜひ国会で正面から議論してほしい」と訴えておられました。

 あの巨大な嘉手納基地を見て、そして沖縄の基地のありさまを見たら、これをなくそうとしたら、「安保条約をこのまま続けていていいのか」と声をあげ始めているのであります。

 みなさん。「基地のない沖縄」、「基地のない日本」をめざすたたかいをすすめながら、日米安保条約をいつまで続けるのか、その是非に関する国民的議論をおこしましょう。日米安保条約をなくして、それに代えて日米友好条約を結ぼうではありませんか。(大きな拍手)

 このたたかいは、これからが大事な正念場です。沖縄と本土が連帯して、普天間基地を無条件に撤去させる。そして、安保条約をなくして、「基地のない日本」、独立・平和の日本への道を切り開こうではありませんか。みなさん、ともにがんばりましょう。(大きな歓声と拍手)