2010年5月7日(金)「しんぶん赤旗」

志位氏 独・オランダの議員団と会談

NPT再検討会議


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(写真)ドイツ国会議員代表団(右側)と会談する志位委員長ら

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(写真)オランダの国会議員代表団(左側)と会談する志位委員長(右手前から2人目)と笠井議員、井上議員

 【ニューヨーク=小林俊哉】志位和夫委員長は5日、NPT再検討会議に出席するため当地を訪れているドイツ、オランダの国会議員団とそれぞれ会談し、核兵器問題について意見交換しました。両国とも国内で米国の戦術核兵器撤去問題が大きな問題となり、核廃絶の重要性が議論になっているだけに、心の通う場となりました。

 ドイツからは、ウータ・ツァプフ軍縮・軍備管理問題小委員長(社民党)をはじめ、キリスト教民主党、自由党、緑の党、左翼党の与野党の国会議員6人が出席。ドイツでも戦術核撤去を求める国会決議が採択されたことなどを紹介しました。

 志位氏が、核兵器廃絶のための交渉開始の重要性について述べると、ツァプフ氏は、その考え方は最近、私たちが到達したものだと述べました。同氏は、それまでは、部分的措置の積み重ねによっていずれ核廃絶をとの主張だったものの、国際世論と平和運動との交流のなかで、マレーシアとコスタリカが提案している核兵器禁止モデル条約の重要性への認識が深まったと説明。核兵器廃絶のための国際交渉を同時に行うことが重要だとの考えに発展したと述べました。

 また、ツァプフ氏は、同モデル条約が、現在の核保有国と非核保有国を差別することなく、すべての国に核兵器禁止を課す点で重要であり、ドイツ政府に対し、同モデル条約への賛成に転換するよう求める多数派が議会で形成されていると紹介しました。

 オランダからは、キリスト教民主党のカトリーン・フェリエル議員、労働党のハルム・バールケン議員、社会党のクリスタ・ファン・フェルツェン議員が出席。志位氏が日本共産党の立場を説明すると、明確な問題提起だとの声があがりました。

 オランダ議員団は、最近の議会で米国の戦術核撤去を求める決議が採択されたことを紹介。また、日本政府は核抑止力論の維持を主張していると聞いたとして、志位氏に日本の実情を教えてほしいとの質問も出ました。志位氏は、核密約問題などを例にあげて、丁寧に説明しました。