2010年7月31日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員団総会での

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が30日の党国会議員団総会でおこなったあいさつは次のとおりです。


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(写真)議員団総会であいさつする志位和夫委員長=30日、衆院第1議員会館

 臨時国会の開会にあたって一言ごあいさつを申し上げます。

 まず参議院選挙でのみなさんの大奮闘にたいして、心からの敬意を申し上げます。市田忠義さん、大門実紀史さんの再選とともに、田村智子さんをわが議員団に新たに迎えたことを、みんなで心から歓迎したいと思います。(拍手)

 参議院選挙でのわが党の議席と得票の後退は悔しい結果であり、責任を痛感しています。私たちは、党内外のみなさんのご意見に真摯(しんし)に耳を傾け、問題点を明らかにし、新たな前進の道を明らかにする作業にとりくんでいる最中であります。一定の時間はかかってもしっかりした総括をおこない、必ず国政選挙での巻き返しを果たす決意をのべるものです。(拍手)

国民の「探求にこたえ」、「展望をさし示す」論戦を

 この臨時国会での8日間の会期における論戦、その後、秋の臨時国会、来年の通常国会での本格的な論戦の場で、私たちは国民の期待にこたえて、大いに奮闘しなければなりません。私たちが、新しい国会で、どういう基本姿勢で論戦にのぞむか。私は、二つの点にしぼってのべておきたいと思います。

 第一は、国民の新しい政治への探求にこたえる論戦、今日の日本の政治と社会の閉塞(へいそく)状況を打開する展望をさし示す論戦にとりくむことです。

 昨年の総選挙では、国民は自公政権にきびしい退場の審判をくだしました。さらに今回の参議院選挙では、菅民主党政権にきびしい審判をくだしました。それでは国民が自民党政権の復活を願っているかと言うと、そうではないことは選挙結果からもこの間の世論調査からも明らかです。国民は、自民党政治に代わる新しい政治とは何かについて、まだ答えを出していない。探求の過程にあるのです。

 とりわけ、長年つづいた自民党政治をきびしく拒否するとともに、代わって登場した民主党政権にも失望するという「二重の体験」を経て、多くの国民が政治の現状に深い閉塞感を感じ、その打開の展望を強く求めていることはたいへん重要です。

 こうした状況のもとで、どんな問題でも、国民の「探求にこたえ」、「展望をさし示す」、こうした立場で論戦にのぞむことが大切だと考えます。

 私は、参議院選挙を前にした6月14日の全国いっせい決起集会で、菅民主党政権は、「米国と財界に忠誠を誓い、追随する政治に踏み込んだ」とのべました。その後の菅政権は、消費税の問題でも、普天間基地の問題でも、この指摘どおりの道をたどっています。そうした菅政権にたいして、わが党が、暮らしと平和、民主主義を壊す問題点のきびしい批判・追及をおこなうことは当然です。同時に、それと一体に、どんな問題でも、「ここに打開の展望がある」、「日本共産党はこうしていく」という建設的メッセージが国民に伝わる論戦を、おたがいに心がけ、知恵と力をつくそうではありませんか。(拍手)

「政治をもとから変える党」としての真価を発揮して

 第二は、いま日本が直面しているどんな問題をとっても、それを国民の立場で解決しようとすれば、民主党、自民党、公明党、みんなの党などに共通する古い政治の枠組み――私たちが「二つの異常」と呼んでいる「異常な対米従属」「大企業・財界の横暴な支配」をのりこえることが必要だということです。「二つの異常」をのりこえてこそ、展望がみえてくるということです。

 いま日本の政治で問われている大問題――沖縄・普天間基地の問題、消費税増税問題、経済危機の打開、財政危機の打開など、どの問題をとっても、「二つの異常」に縛られた古い政治では答えは出てきません。「二つの異常」をただし、「国民が主人公」の新しい日本への変革の旗印をしっかりもっている日本共産党でこそ、希望と展望を示すことができます。ここに確信をもって、「政治をもとから変える党」としてのわが党の真価を発揮した論戦に挑戦しようではありませんか。(拍手)

 そして院外の草の根のたたかいとの連帯こそ、わが国会議員団の最大の強みの一つであります。国会内外の連帯したたたかいで、元気いっぱい奮闘する決意をかためあって、開会にあたってのあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(拍手)