2010年12月5日(日)付「しんぶん赤旗」

志位委員長、カンボジア人民党幹事長と会談

両党関係の新たな発展で一致


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(写真)カンボジア人民党のサイ・チュム幹事長(右)と握手する志位委員長=3日、プノンペン(面川誠撮影)

 【プノンペン=面川誠】カンボジアを訪問中の日本共産党の志位和夫委員長は3日、最大与党カンボジア人民党のサイ・チュム幹事長(国民議会第2副議長)とプノンペンの同党本部で会談しました。

 志位氏は、チュンエクの虐殺現場やトゥール・スレン刑務所跡などを訪れた印象にも触れつつ、「日本共産党は、あなた方が救国民族統一戦線を結成し、1979年にポル・ポト派の支配を打倒した当初から、連帯してきました。あなた方の行動に大義があったことは、内戦を終結させ、民族が和解し、国土を復興させ、カンボジアが発展を遂げているという事実で証明されています」とのべ、日本共産党とカンボジア人民党との関係を新たに発展させたいとの希望を表明しました。

 サイ氏は、「救国民族統一戦線結成当時から連帯や支援していただいたことに感謝を申し上げます」とのべ、カンボジアと日本の両国、両国民、さらに両党関係をさらに発展させていきたいと表明しました。そして300万人もの国民が犠牲になったポト派の虐殺の証拠が今もカンボジア全土に多数残されていることに言及しながら、「現在は平和、安定、経済発展を実現していることを誇りに思っています」とのべました。

 志位氏は、カンボジア憲法が、「永世中立・非同盟」「平和共存」「不可侵、内政不干渉、紛争の平和解決」「軍事同盟、軍事協定への不加入」などの原則をうたい、核兵器の絶対禁止を明記していることについて、「わが党が目指している方向に合致します。『核兵器のない世界』をめざすとりくみなど、世界とアジアの平和の諸問題での協力を願っています」と語りかけました。

 サイ氏は「両党は平和の問題で同一の方針をもっていると思います。協力をつづけていくことができると思います」とにこやかに応じました。

 さらに志位氏が、北朝鮮の砲撃事件についての日本共産党の立場を伝えたのに対して、サイ氏は、カンボジア政府が、事件への懸念を表明し、すべての関係当事者に自制を求め、解決のための6カ国協議の早期再開を求めていることを紹介しました。

 志位氏は「カンボジアが東南アジア諸国連合(ASEAN)とともに、この問題で理性的な立場をとっていることをうれしく思います」とのべました。

 会談には、日本共産党から緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者、森原公敏国際委員会事務局長が同席しました。

 これに先立つ2日、志位氏は、第6回アジア政党国際会議の中で、フン・セン首相(人民党副議長)、ソク・アン副首相兼首相府相(人民党常任委員、第6回ICAPP組織委員長)とも懇談し、両党関係の発展で合意しました。


36カ国から89政党参加 アジア政党国際会議

 3日に閉幕した第6回アジア政党国際会議(ICAPP)総会には、36カ国の89政党が代表を送り、日本からは日本共産党のほか、民主党、自民党、公明党が参加しました。