2011年2月3日(木)「しんぶん赤旗」

衆院予算委 志位委員長質問

日航解雇で「安全薄く」

必ず職場に戻りたい 原告ら傍聴


 空の安全を脅かす日本航空の不当解雇問題を取り上げた、2日の日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委員会質問を、解雇撤回を求めるパイロットと客室乗務員の原告ら46人が傍聴しました。

 質問後の懇談で、志位委員長は、「国民の命と安全にかかわる問題として、日航の再生のあり方を取り上げました。この解雇が、『整理解雇の4要件』に照らして不当なことは明らかです。安全を薄くするという提起を、菅首相も否定できませんでした」と指摘。「空の安全を広い人々に伝えて、連帯をつくりましょう」とあいさつしました。

 日航労働者から「解雇の不当性を、国民の前に明らかにしてもらった」「どうやって国民に問題を伝えたらいいのか分かりました」と次々と発言がありました。

 「感激で胸がいっぱいです」と言葉をつまらせたパイロットの清田均原告団事務局長(58)。志位委員長が質問で使用したベテランがいなくなる年齢構成のパネルを見て、「自分でもびっくりしました。飛行訓練の指導教官や経験豊富なパイロットがごっそりいなくなりました」。

 客室乗務員の女性(58)は、「日航で新たに発表された企業理念からは、『安全』の文字が消えました。必ず職場に戻り、安全な航空会社をつくりたい」と語りました。

 日本航空乗員組合の三星宗弘書記長は、「職場にも、自由にものが言える雰囲気がなくなっています。職場から安全問題を訴えていきたい」。日航キャビンクルーユニオン(CCU)の小栗純子副委員長(56)は「空の安全が不安な状況を、国会の論戦と力をあわせて変えていきたい」と述べました。

 懇談には、穀田恵二国対委員長、山下芳生、田村智子両参院議員も出席しました。


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“政府は国民だまし”

TPP参加問題

 農民運動全国連合会(農民連)副会長 真嶋良孝さん 志位さんは、TPP(環太平洋連携協定)が結局「例外なき関税自由化」を可能にする日米FTA(自由貿易協定)にほかならないではないか、とただしました。菅首相が「アジアの成長を取り込む」というけれども、アメリカに取り込まれるだけじゃないか、と本質を鋭くついた指摘でした。

 TPP参加についてスイスのダボスにいって「第三の開国」を国際公約してきておいて、一方できょうの答弁では鹿野農水相がしきりに「TPP参加はまだ決まったわけではない」と繰り返しましたが、国民だましはいいかげんにしろ、と言いたい。

 TPPと農業が両立できるというなら、根拠を示せという質問には、政府は根拠を示せませんでした。自給率50%との両立についても、まともに答えられない。菅首相は、日本人の外国への留学生が少なくなっていることを含めた内向きさが問題なんだ、などと言っていましたが、話をそらす態度に怒りを感じました。

 志位さんが、国会の場で食料主権を明確に主張してくれたことに感謝しています。