2011年2月22日(火)「しんぶん赤旗」

閉そく打破の展望示し行動する党

いっせい地方選挙の勝利を

大阪府立体育会館満杯 志位委員長訴える


 いっせい地方選前半戦の道府県議選・政令市議選の告示(4月1日)まで1カ月余となった21日、日本共産党は大阪市の大阪府立体育会館で志位和夫委員長を弁士に大演説会を開きました。志位氏は国政と地方政治の根本問題を解明して「どの問題でも閉塞(へいそく)を打ち破る展望を示し、行動する党」への支持を熱く呼びかけました。2階席までびっしり埋まった会場からはたびたび「そうだ」の声が飛び、共感の拍手が起こりました。


写真

(写真)志位和夫委員長を迎えて開かれた日本共産党大演説会=21日、大阪市

 大きな拍手に包まれて登壇した志位氏は、「行き詰まりの根っこはどこにあるのか。どこを変えたら展望が見えてくるか」と問いかけ、五つの角度―日本の経済社会、世界各国との経済関係、税金と社会保障、日本外交、地方政治―について展望を示しました。

 このなかで志位氏は、「日本の経済社会のあり方」にかかわる問題として日本航空の不当解雇をとりあげ、「人間の尊厳と経営効率の関係を問い直す」事件であり、志位質問が「歴史的な課題に一石を投じた」と評した「毎日」コラムを紹介。人間をモノのように「使い捨て」にし、労働の誇りを奪い去る点で、派遣労働と根は同じだと批判し、「効率」最優先で人間を犠牲にしてはばからないやり方では日本の未来はないと指摘しました。

 志位氏は、「ルールある経済社会」という党の提案が、経済危機打開とともに、人間の誇り、働く誇りを尊重する社会をつくる「世直しの提案」だと力説し、大きな拍手に包まれました。

 また、菅政権がすすめる環太平洋連携協定(TPP)について、食料危機のなかで農業をつぶす「亡国」の政治、米農薬と大腸菌つきの食品を強制し、米国に経済主権を売り渡す「売国」の政治だと告発。世界各国との経済関係がどうあるべきかが問われると提起し、「効率第一で国際分業」の日米財界路線ではなく、(1)自国の食料は自国でつくる「食料主権」の貿易ルールづくり(2)東アジア諸国との平等・互恵の経済関係づくり―という方向こそ世界とアジアの本流だと語りました。

 税金と社会保障のあり方では、社会保障の財源は「税金は負担能力に応じて」という原則と、「暮らし最優先の経済成長と一体に財源問題を解決する」という原則の二つが大事だと強調。政治の姿勢を切り替えれば解決の道が開かれると力を込めました。

 日本外交のあり方では、対米従属、軍事偏重、外交不在の日本外交の姿を批判するとともに、日本共産党が実践してきた野党外交を紹介。普天間基地の無条件撤去を求める対米交渉、尖閣・千島問題の事実と道理に立った提言、核兵器禁止条約のための国際交渉開始の働きかけなどを紹介し、これを日本政府の外交にしようと呼びかけると、会場は盛んな拍手で応えました。

 地方政治のあり方に話をすすめた志位氏は、「地域主権」の名ですすめられていることの正体は福祉など自治体独自の仕事を投げ捨て、大企業呼び込みに巨額の税金を投入して「自治体を財界のしもべ」にするものだと指摘。「その一番悪い典型」が橋下府政だと述べました。

 大阪府政について、志位氏は府議会の自民、民主、公明は知事提案のほとんどに賛成する事実上の「オール与党」、「大阪維新の会」も所属議員の9割は元自民党議員で選挙目当ての「保身の会」だと指摘。「既成政党対橋下新党」ではなく、日本共産党対「オール与党」(自・民・公・維新)が本当の対決構図だと強調しました。

 そのうえで、(1)高すぎる国保料(税)のさらなる値上げや福祉切り捨ての「財政構造改革プラン」をやめさせ、福祉と暮らし最優先の府政に(2)破たんした大企業呼び込み政治をさらに大がかりに進める「大阪都」構想をやめさせ、中小企業の振興で元気な大阪に(3)議員の海外視察中止や水道料金値下げを実現してきた日本共産党府議団の現有議席を必ず確保・前進させ、府民の声が届く議会に―という三つの転換を詳しく解明。「大阪が変われば日本が変わります」と党への支援を呼びかけると、会場をゆるがす大きな拍手と声援がわき起こりました。

 いっせい地方選をたたかう152予定候補が紹介され、代表して4氏が決意表明しました。

 来賓として、河内長野市の向井一雄副市長をはじめ、市長予定候補が紹介されました。

 「スケールの大きな演説で、元気がでました」というのは、能勢町から参加した男性(67)。「勤めていた阪急電鉄では、労働者と労働組合が頑張って非正規の正社員化をかちとりましたが、後輩たちは『生活が安定した』といって、いま職場は結婚ラッシュです。大企業がため込んだ内部留保を活用すれば、志位さんがいうように日本全体が活性化すること間違いなしです」と話しました。