2011年3月11日(金)「しんぶん赤旗」

命と健康守る国保に

共産党が提言 志位委員長発表


 日本共産党の志位和夫委員長は10日、国会内で記者会見し、提言「高すぎる国保料(税)・強権的取り立てをただし、いのちと健康をまもる国保に」を発表しました。(全文)


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=10日、国会内

 志位氏は、民主党政権下で昨年5月、市町村の一般会計から国保会計への繰り入れをやめて保険料値上げに転嫁せよという「通達」が出され、各地でさらなる値上げが大問題になっていると指摘。また、「収納率向上」という掛け声で、国保証の取り上げや強権的な保険料取り立て、滞納者への無慈悲な差し押さえが横行していると告発しました。

 その上で今回の提言の要点を話しました。

 第一は、国による国保料値上げの押し付けをやめ、引き下げに転換することです。

 政府の「通達」を撤回するとともに、4千億円を投入して1人1万円引き下げの緊急対策をとるべきだと強調しました。

 都道府県による市町村への補助が減少していることも値上げに拍車をかけているとして、「国と市町村と都道府県がそれぞれ財政措置をとって、国保の値下げに責任を負うべきだ」と述べました。

 第二は、強権的な取り立てや、保険証の取り上げをやめさせることです。

 差し押さえによる一家心中など痛ましい事件にふれながら、国による冷酷な取り立ての号令をやめ、自治体も命と健康を守る立場で臨むべきだと強調しました。

 第三は、国庫負担を復元することです。

 志位氏は、1984年に50%だった国庫支出の割合を24%まで減らしてきたことが、高すぎる国保料の最大の元凶だと指摘。「財政難、保険料高騰、滞納増という悪循環を断とうと思ったら、国庫負担を引き上げるしか道はない」と強調しました。

 その上で、志位氏は「国保の問題は国民のいのちと健康に直結する大問題で、いっせい地方選でも熱い大きな争点となっている。全国でいのちと健康を守る国保への抜本的な改革のとりくみを強めたい」と表明しました。


国保提言のポイント

 1、国による国保料(税)値上げの押しつけをやめ、引き下げに転換する

 2、強権的な取り立て、保険証取り上げをやめ、国民の生活と健康を守る国保行政に

 3、国庫負担を計画的に復元し、安心できる国保制度に改革する