2011年6月10日(金)「しんぶん赤旗」

日本被団協 援護法改正求め懇談

新役員らが党本部訪問


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(写真)被団協新役員の谷口代表委員(右から2人目)、木戸事務局次長(その左)らと懇談する(左端から)笠井亮衆院議員、志位委員長、小池政策委員長、仁比前参院議員ら=9日、党本部

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の谷口稜曄(すみてる)代表委員ら新役員、被爆者10人が9日、日本共産党本部を訪れ、志位和夫委員長に、被爆者援護法改正案の立法化、東京電力福島第1原子力発電所事故の被害者に対する健康管理に国が責任をもつことなどを要請しました。

 日本被団協はこのほど開いた定期総会で、被爆者援護法に原爆被害に対する国の償いと核兵器廃絶を明記するよう求める「現行法改正要求」を決めています。

 要請で、日本被団協の木戸季市事務局次長は、被団協として原発をなくさなければいけないという方向を打ち出せた画期的な総会だったとのべ、「原発事故の被害者に被災証明と(被爆者に発行しているような)健康管理手帳をすぐに出さなければいけない。放射能による病気は後で出てくる」と語りました。

 参加した被爆者は、「被爆2世、3世にもがんや白血病などが出ています。原発事故の被害者が、私たちと同じように差別や健康被害をうけることが心配です」と訴えました。

 志位氏は、原発事故被害者への健康管理手帳の発行は「大事な提起ですね」と応じ、「要請の趣旨に全面的に賛同し、実現のために力をつくしたい」と表明しました。

 志位氏は、放射能による健康被害について、外部被爆だけでなく内部被爆の影響を考慮すべきだという被爆者が裁判でかちとった到達点を生かして、被爆者の障害を原爆症と認定させることが必要だと指摘。同時に、原発事故の被害者にも同じ考え方を適用することが、子どもや福島県民の健康を守ることになると強調しました。

 志位氏は、政府が原発からの撤退を決断し、撤退のためのプログラムを策定することを求めていくとのべ、「被団協のみなさんがこの問題で踏み切ったのは運動への励みになります。原発ゼロの日本をめざしましょう」と語りました。

 志位氏はまた、被爆者の運動が核兵器廃絶に向けて歴史的な役割を果たしているとのべ「核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際署名も始まっています。廃絶をさらに大きな世論にしていきましょう」とよびかけました。

 この日の要請には、日本共産党から小池晃政策委員長、笠井亮衆院議員、有坂哲夫党国民運動委員会事務局長、仁比聡平前参院議員らが応対しました。