2011年8月12日(金)「しんぶん赤旗」

国民裏切り続けた結果

首相退陣表明で 志位委員長が指摘


 日本共産党の志位和夫委員長は11日、国会内で記者会見し、菅直人首相が退陣を表明し、後継選びが取りざたされていることについて聞かれ、「直接的には大震災と原発事故に対して責任あるまともな対応ができず、『これではまかせてはおけない』と国民から見放されたのが原因だが、根本からいうと、この2年間、国民の願いをことごとく裏切ってきた結果だ」と述べました。

 志位氏は、2年前、「自民党政治を変えたい」との国民の願いを受け政権交代が実現したが、沖縄・米軍普天間基地の辺野古への「移設」、消費税増税の打ち出し、農業を壊すTPP(環太平洋連携協定)の推進など、国民の審判に背き、願いを裏切ってきた責任は極めて重大だと強調しました。

 さらに民主、自民、公明3党合意によって、国民の要求に押されて多少とも前向きな要素を含んでいた「子ども手当」の廃止や「高校無償化」の見直しを打ち出したことにふれ、「民主党が完全に自民党に同化してしまった。これが菅政権が国民に見放された根本にある」と指摘しました。

 その上で、「民主党が菅首相の後継者に誰を選んだとしても、“自民党政治を変えてほしい”という2年前の国民の願い、この原点に立ち戻らない限り、国民との矛盾はいっそう深刻になるだろう」と強調しました。

 志位氏は、「民主党が自民党と同化し、自民党と公明党はそういう方向に足を引っ張る役目を果たす。国民の利益に反する大連立状態が生まれている。これは一面では非常に危険なことだが、同時にもう一面では、この10年間、『自民か、民主か』といって『二大政党』に政権交代を競い合わせ、日本共産党を排除する反共作戦が行われてきたが、それが破綻しつつあることを意味する」と指摘。「国民が新しい政治を探求し、前進していくことにもなりうるものだ。日本共産党の頑張りどころであり、国民の探求を後押しする党へと力をつけて頑張りたい」と語りました。