2011年11月15日(火)

福島県議選 共産党の躍進を

志位委員長の訴え


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(写真)訴える志位和夫委員長=13日、福島県いわき市

 福島県議選(20日投票)で日本共産党を躍進させ、安心して住み続けられる福島を取り戻そう―。志位和夫委員長は13日、県内5カ所を精力的に駆けめぐり、現有3議席から5議席以上に増やし議会交渉会派をかちとることを訴えました。

 聴衆の人垣に飛び込み、握手を交わす志位氏に「除染を何とかしてください」と切実な声を寄せた男性も。「原発まっぴらだ」「東電は全て償え」と記したムシロ旗をひるがえし、演説に聞き入る姿もみられました。

TPP暴走ストップ―たたかいはこれから

 冒頭、志位氏が言及したのが、野田佳彦首相の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加表明という暴走です。

 志位氏は、復興を妨げ、「食と農」を壊し、国民皆保険を壊し、失業者をあふれさせるというTPPの四つの大問題を告発。「米国に言われるまま、亡国の道に踏み出した」と厳しく抗議し、撤回を求めました。

 交渉参加には米国との「事前協議」が必要で、米国の要求の丸のみが強要されかねません。志位氏は、たたかいはこれからがいよいよ重要だと強調し、「大震災と原発災害の二重苦の福島に追い打ちをかけるTPPへの参加は、まともな政治のやることではありません。民主党政権への怒りの一票を日本共産党に託してください」と訴えると、「その通り」の声が飛びました。

国と東電にモノを言える党の躍進を

 原発災害による福島県の避難者は15万人超。5万8千人が県外に避難しています。3月11日以前の当たり前の生活に戻してほしい―。志位氏が「県民の願いはこのことに尽きるのではないでしょうか」と問いかけると、「そうですよ」との声と拍手が。

 志位氏は、「『オール福島』のこの願いを実現する先頭に立てる党はどの党か。加害者である国と東電に正面から立ち向かって堂々とモノが言える日本共産党の躍進が必要です」と訴え、県民の四つの切実な願いを日本共産党に託してほしいと呼びかけました。

徹底した除染をすすめ子どもの命を守る願い

 第一は、徹底した除染をすみやかに行い、子どもたちの命を守るという願いです。

 環境省の試算でも除染が必要な年間1ミリシーベルト以上の地域は国土の3%に上るのに、政府の除染費用は、来年度予算もふくめわずか1・2兆円。志位氏は「あまりに少ない。本気でやる気があるのか、まったく疑わしい」と告発しました。

 その上で、除染の進め方について(1)最終処分の方法・場所を住民合意を尊重しつつ国の責任で明らかにする(2)「仮置き場」の設置は自治体まかせではなく住民合意を貫き国の責任で決める(3)食品の暫定基準を世界標準に引き下げ食の安全に責任を持たせる―ことを提起。

 「子どもたちに安心を取り戻し、避難されている方が一日も早く故郷に戻れるよう国は総力をあげて除染に取り組め―この願いを日本共産党に託してほしい」と訴えました。

原発事故の全面賠償の願い

 第二は、原発事故によるあらゆる損害をすべて賠償させる―全面賠償の願いです。

 志位氏が衆院予算委員会で、被害者に煩雑な賠償手続きを強いる東電に「加害者の自覚があるのか」とただしたことを紹介すると、ひときわ大きな拍手が起こります。枝野幸男経産相に「誠意ある対応をしていく」と答弁させたことにふれ、「言葉通り実行させよう」と呼びかけました。

 福島では風評被害によるモモ、ナシの大暴落に続き、あんぽ柿の出荷が大打撃を受けました。日本共産党県議団は農民連と協力して、東電に直談判し、モモに続き柿も全面賠償を約束させています。

 志位氏は「東電に堂々とモノを言う日本共産党を伸ばして、原発事故に全面賠償を勝ち取ろう」と力説しました。

庶民増税なしの復興財源を確保する願い

 第三は、庶民増税によらず復興財源を責任をもって確保せよという願いです。

 民主・自民・公明で決めた財源案は、25年間で所得税などの庶民増税を中心に11・2兆円増税する一方、法人税を20兆円も減税するもの。志位氏は「復興の財源は1円も出てこない。庶民増税は復興ではなく、大企業減税のためだ」と指摘しました。

 志位氏は、(1)一般の復興財源は、米軍への「思いやり予算」や政党助成金の廃止、大企業・大資産家減税の中止など歳入・歳出の抜本的見直しで確保し、(2)原発災害対策の財源には電力会社の「原発埋蔵金」をあて、大銀行など「原発利益共同体」にも拠出を求める―という日本共産党の財源案を提示すると、聴衆から「いいぞ」の声援が飛びました。

「原発ゼロの日本」をつくる願い

 第四は、福島原発はすべて廃炉にし、「原発ゼロの日本」をつくるという願いです。

 県議会では日本共産党県議団が紹介した「福島原発全10基の廃炉を求める請願」が、退席した一部の議員を除く全会一致で採択されるなど、「原発なくせ」は「オール福島」の声になっています。

 志位氏は「原発の建設計画に一貫して反対し、危険性を訴えてきたのが日本共産党です」と力説。自民党の県議会議長が志位氏に「(共産党議員の)発言をもっと真剣に受け止めていれば」と反省の弁を述べたことにもふれながら、「福島の原発は全部なくし、『原発ゼロ』の日本をこの福島からつくっていこう」と訴えました。

 志位氏は最後に、かつて日本共産党が5議席で交渉会派になったとき、県の乳幼児医療費無料化制度がゼロ歳から就学前まで一気に広がったことを紹介。「日本共産党を伸ばせば県政は大きく変わる、安心して住み続けられる福島を取り戻そう」と呼びかけると「頑張れ」の大声援がわき起こりました。