2012年2月11日付「しんぶん赤旗」

「私たちの思い代弁」

衆院予算委 志位委員長の質問に共感


 「私たちの思いを代弁してくれた」―。年金生活者や中小業者を、さらに消費税大増税で苦しめようとする野田内閣。10日、衆院予算委員会で日本共産党の志位和夫委員長がおこなった質問に、関係者から、共感とともに、野田佳彦内閣の冷たい姿勢に怒りの声が寄せられました。

中小零細業者の視点で追及

豆腐製造販売業 小林 秀一さん

 「消費税増税の問題を中小零細業者の視点に絞って追及。100点満点の質問でした」と話すのは、ボクシング元日本チャンピオン、豆腐製造販売業を営む小林秀一さん(38)=東京都文京区=。

 小林さんの店は創業100年を迎えます。「消費税5%になったときに大学を卒業。家業を継ぎました。以来豆腐などの売り上げは右肩下がり。しかし赤字でも消費税は払わざるを得ない」と、苦境の実態を語ります。

 両親と従業員2人での商売。「販路の拡大の努力や親の保険を解約。両親の賃金は無給にするなど企業努力を尽くすけれど、下りのエスカレーターに乗っているような状況は改善されていません」と言います。

 「志位さんは中小企業の7割は赤字と指摘していましたが、私たち零細業者はもっと悪い。ほとんど、みんなが赤字。自分たちの生活費を消費税の支払いにあてていることを知ってほしい。10%になったら持ち出しも2倍になります。消費税増税は絶対に許せません」

消費税増なら町工場危機に

町工場経営者 佐々木忠義さん

 「中小企業が消費税を転嫁できず、利益を削って納め、いつやめようかと思うほど苦しんでいます。コスト、コストといって1円でも安い代金を追求しようとする大企業が下請けに消費税分を支払ってくれるということはありません」というのは、東京・大田区の町工場経営者佐々木忠義さん(65)。

 「下請けは消費税を価格に転嫁できないのです。この中小企業の窮状を志位さんは、野田首相にぶつけてくれました。志位さんの『このうえ消費税増税を被せるのか』との追及は、本当に私たちの気持ちにぴったりです。これに対し、首相も財務相もまったく答えられませんでした。首相は、志位さんの質問に青ざめているようにさえ見えました」と感想をのべました。

 佐々木さんは、いいます。「“消費税増税をすれば、社会保障が安定し、景気が回復する”というのはまったくの作り話です。景気が長期に低迷しているこんなときに消費税を倍にも上げれば、中小零細の町工場はなくなってしまいます。消費税増税すれば東京・大田区の技術の集積は本当に危機に陥ってしまう。社会保障も経済も後退している現状を打開する道は、景気をよくすることだということも志位さんの質問でよく分かりました」

年金削減反対 迫ってくれた

年金アドバイザー 芝宮 忠美さん

 「年金支給額を切り下げられたら、やっていけなくなる人がたくさんいます。小宮山厚労相は、年金が老後の唯一の支えになっていることをわかっていない」と語るのは、全日本年金者組合東京都本部の年金アドバイザー、芝宮忠美(ただよし)さん(69)です。

 「先日も都営団地に住む男性が飛び降り自殺しました。以前は夫婦合わせて10万円くらいの年金だったが、妻に先立たれ3万円くらいになってしまい相談を受けていました。生活保護を受けたらどうかと勧めましたが、『お上の世話にはなりたくない』と話していました。年金は、長年自分で払ってきたお金だという思いが強いのです」といいます。

 「生活保護費は7万5000円程度で、安いところなら何とか家賃を払ってやっていけますが、基礎年金だけの人たちの生活はそれ以上に厳しい。この冬は寒さも厳しいので外出を控え、灯油代も18リットルで1700円くらいと高いので節約してストーブもつけずに布団をかぶっている人もいます。多くの高齢者が食事代も節約しているのが実態です。これで、さらに消費税増税となればもう、生きていかれなくなるでしょう。志位委員長が迫ったように、年金削減は絶対やめてほしい」と訴えました。