2012年9月24日(月)

香港のテレビが尖閣問題での志位委員長インタビューを放送


 【北京=小寺松雄】香港のフェニックステレビは21日夜のニュース番組で、尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題についての日本共産党の「提言」を志位和夫委員長のインタビューも交えて紹介しました。

 アナウンサーは冒頭、「志位委員長は、日本政府は島の主権争いがあるということを認めるべきで、そうしてこそ次の外交対話を始めることができると考えている」とコメント。「志位氏は、武力で紛争を解決しようとするのでなく、対話こそ唯一の問題解決の道だと考えている」と述べました。

 同ニュースは、21日に志位委員長が中国大使館に尖閣問題の解決についての日本共産党の「提言」を伝えたあと、同テレビの単独インタビューに答えたと紹介。志位氏は次のように述べました。

 「(日本政府は)自分で『領土問題は存在しない』と言ってしまったために、自縄自縛になって、そういう(日本の領有権の)主張もできない、それから中国側にいろいろ批判された場合も反論もできない」

 インタビューした記者は、志位氏が中国大使館に日本共産党の「提言」を渡したさい、「志位氏は、緊張がエスカレートするのを避け、中日双方が自制しなければならない、問題を武力で解決しようとする考えは、中日どちらにも利益にならないと強調した」とコメントしました。

 ここで志位氏は次のように語りました。

 「日中双方が自制しなければならないと思うんです。日本側も自制が必要なんだけれども、私は今度の『提言』で、この問題で物理的対応の強化、あるいは軍事的対応論を持ちだすことは、非常に事態を悪くすると思う。結局、冷静な話し合いのテーブルをこわすことになっていく」

 記者は、志位氏が前日に藤村修官房長官を訪ねた際も、政府側の立場は「領土主権の問題は存在しない」というものだったと指摘。最後に記者は国会正門前から、次のようにリポートしました。

 「中日間に島の主権争いが存在するという認識は、いまのところ日本共産党一党だけにとどまっており、日本国内では少数派です。しかし国内には、こんな状況が続けば武力衝突を引き起こすことになる、外交交渉を通じて問題を解決してほしいという声があります」