2012年10月20日(土)

志位委員長、オバマ大統領に書簡

女性暴行事件・オスプレイ配備に抗議

米軍基地の全面撤去を


 日本共産党の志位和夫委員長は19日、アメリカのバラク・オバマ大統領に書簡を送り、米兵による集団女性暴行事件と米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備強行に抗議し、米軍基地の全面撤去を求めました。書簡の全文は次のとおりです。


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(写真)記者会見をする志位和夫委員長=19日、国会内

 アメリカ合衆国大統領

  バラク・オバマ殿

(1)

 この間、沖縄で引き起こされた、米兵による集団女性暴行事件は、女性の尊厳を踏みにじった卑劣きわまりない蛮行です。これまで「綱紀粛正、再発防止」を繰り返し言いながら、凶悪犯罪の再発を防げなかった米国政府の責任もきびしく問われています。私は、強い憤りをもって抗議するものです。

 沖縄における米兵犯罪は、本土復帰以降だけみても5790件、このうち性的暴行事件は127件にのぼります。しかも、これらは氷山の一角であり、被害者が声をあげられず、泣き寝入りを強いられたケースも多数あります。

 「米軍基地がある以上、悲惨な事件はなくならない」、「事件をなくすには、基地の全面撤去しかない」、「日米安保条約を見直すべきだ」――沖縄では、こうした声が高まっています。沖縄の激しい怒りの声を、真剣に受け止めるべきです。

 日本共産党は、米軍基地の全面撤去を求めます。日米安保条約を廃棄して、日米友好条約に代えることを、強く求めるものです。

(2)

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(写真)オバマ米大統領にあてた日本共産党の志位委員長の書簡(左側は英文)

 オスプレイ配備の強行も、沖縄県民と日本国民の強い怒りを引き起こしています。

 9月9日に開催されたオスプレイ配備に反対する沖縄県民大会には、10万人をこえる人々が参加し、オスプレイ配備反対、普天間基地の閉鎖・撤去は、揺るがない島ぐるみの意思となっています。それを踏みにじった配備強行は、沖縄を植民地であるかのように扱う暴挙というほかありません。

 とりわけ、激しい怒りの声が集中しているのは、9月19日、日米合同委員会が、「安全対策」なるものを合意したにもかかわらず、実際には、それすら無視した飛行が行われていることです。

 「飛行は人口密集地を避けること」、「ヘリモードでの飛行は基地内に限定すること」、「転換モードでの飛行をできる限り限定すること」などの「安全対策」は、ことごとく無視されています。那覇市、浦添市、宜野湾市、金武町、宜野座村、東村などで、人口密集地・住宅地上空の飛行が常態化しています。ヘリモードで住宅地上空をお構いなしに飛行するという事態が続いています。

 もともと「安全対策」は、「できる限り」などの但(ただ)し書きがありますが、文字通り「空手形」以外の何ものでもなくなっています。

 日本共産党は、オスプレイ配備の撤回、普天間基地の無条件撤去を求めるものです。

(3)

 もともと1996年に日米両国でかわされた普天間基地の返還合意は、1995年に引き起こされた少女暴行事件に対する沖縄県民の怒りの高まりのなかで、それにこたえる形でかわされたものでした。

 しかし、日米両政府が、普天間基地の「県内移設」に固執したため、16年たっても普天間基地問題は解決していません。それどころか、「世界一危険」といわれるこの基地に、こともあろうに墜落事故を繰り返すオスプレイを配備するという計画が、沖縄県民の怒りをいよいよ高めました。

 その矢先の今回の事件です。沖縄県婦人連合会の会長は、「危険なオスプレイが縦横無尽に飛んで、危険な米兵が地上にうようよしているのが今の沖縄か。人権蹂躙(じゅうりん)も甚だしい」とのべていますが、これはすべての県民の気持ちとなっています。

 米国政府が、沖縄の深刻な現状を直視し、日米安保体制を根本的に見直すことを、重ねて要求するものです。

 2012年10月19日 

 日本共産党幹部会委員長

  志位和夫