2013年6月25日(火)

東京都議選の結果、参議院選挙について

志位委員長の記者会見(一問一答)


 東京都議選の開票結果を受け、日本共産党の志位和夫委員長が23日深夜おこなった記者会見(一問一答)の内容は次のとおりです。


参院選で何を訴えるか――都議選で訴えた政治的主張を発展させていく

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(写真)記者会見する志位和夫委員長=24日午前0時、東京都渋谷区の党東京都委員会

 ――都議会で野党第1党ということですが、この勢いで参院選に向けてどういうことを訴えますか。

 志位 参院選では、都議選で訴えた国政論での中身が、そのまま訴えの中心点になると考えています。

 経済の問題では、私たちは大企業の内部留保を活用して、国民の所得を増やし、不景気から脱出するという抜本的対案を、アベノミクスに対置して、大いにたたかっていきたい。

 とりわけ消費税増税の実施はストップという主張を大いにやっていきたい。この問題では、自民党が参院選公約の中に大企業にたいする「大胆な減税」を盛り込むという状況がありますから、“庶民に大増税、大企業に大減税のバラマキでいいのか”ということを大争点にしていきたいと考えています。

 原発の問題では、「原発ゼロの日本」をめざしつつ、再稼働と原発輸出の是非という問題が非常に鋭く問われてくると考えています。再稼働・原発輸出ストップ、「原発ゼロ」と再生可能エネルギーへの大転換を大いに訴えていきたい。

 さらに憲法の問題では、憲法9条を守り生かすという問題とともに、憲法96条の改定に反対し、立憲主義を守るということも焦点となってきます。日本国憲法を守り生かすという論陣を大いに張っていきたいと考えています。

 この都議選で行った政治的主張を大いに発展させていくという見地で、参院選をたたかいたいと思います。

参院選の勝利には新しい努力が必要――気を引き締めてのぞむ

 ――都議選をふまえて、参院選をどうたたかいますか。

 志位 都議選は、いろいろな政党間の組み合わせが選挙区ごとにあるなかで、これだけの議席を得たということがいえるわけですが、参院選の場合は、何といっても全国一区の比例代表が軸になってきます。

 この比例代表で勝つためには、都議選とはまた違った新しい努力が必要だと考えていますので、ここは気を引き締めて新しいたたかいに臨みたいと思っております。

 同時に東京でこういう結果を得たことをふまえて、東京の選挙区をはじめ選挙区でもわが党として風穴を開ける奮闘を大いに意気高くやっていきたいと考えています。

都議選躍進の要因――訴えの内容とともに都議団の実績も評価された

 ――都議選で躍進した要因についてあらためてお願いします。

 志位 先ほどのべたように、私たちは、都議選で、三つの願いを日本共産党にと訴えてたたかいました。暮らしと景気を良くしてほしいという願い。「原発ゼロの日本」への願い。憲法9条を守り生かすという願い。これを託してほしいという私たちの訴えが、評価されたと考えています。

 同時に私は訴えていまして、日本共産党都議団がこれまで8人だったわけですが、8人でも都政を動かす仕事を、都民のみなさんの運動と結んでいろいろな分野でやってきた。たとえば認可保育園の増設など無数にあります。この実績も評価されたと考えています。

 ですから、そういう期待に応えた奮闘を必ずやっていきたいというふうに思っています。

「自共対決」がいよいよ重要な対決軸になる

 ――自公で過半数を取りました。参院選の前哨戦でいずれにしても自公という強い勢力がありますが、そういう状況のなかで共産党としては独自性をどう発揮しますか。民主党は退潮傾向が著しいが、現在の政党状況、「自共対決」の状況はどうなっていくでしょうか。

 志位 自民党に正面から対決し、同時に対決だけではなく抜本的対案を示していく政治姿勢を貫くことがいよいよ大切になります。「自共対決」がいよいよ重要な対決軸になっていくと考えています。

 ――橋下徹氏の「慰安婦」発言がどのような影響があったと考えますか。

 志位 都民のみなさんは、厳しい審判を下したのではないかと私は考えています。

参議院選挙にむけての課題は何か

 ――今回の結果ですが、参院選に向けての課題はどうでしょうか。

 志位 よく結果の分析をやりたいです。まだ議席の数しか、私たちは見てないのですが、得票がどうなっているか、それもよく見てきちんとした分析を加えてみたいと思っています。

 すぐに参議院選挙が始まります。私たちは、都議選の結果から学ぶべき教訓とともに、いっそうの努力が求められる点もよく引き出して、つぎのたたかいに生かしていく決意です。