志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2014年6月29日(日)

暴走がたたかいを呼び起こし、新たな共同をつくりだしている

志位委員長の発言

全国革新懇総会


 28日の全国革新懇総会で日本共産党の志位和夫委員長が行った発言は次の通りです。


写真

(写真)発言する志位和夫委員長=28日、東京都千代田区

 みなさん、こんにちは。いまの情勢の特徴と革新懇運動の役割について発言します。

 安倍政権はいま、平和・民主主義・暮らしを壊す暴走を行っています。たいへん危険な動きですが、恐れることはないと強調したいと思います。暴走の一歩一歩が、国民との矛盾を広げ、自らの墓穴を掘りつつあるというのが本当の姿です。そして、私がきょう強調したいのは、暴走の一歩一歩が、国民のたたかいを呼び起こし、新しい共同を呼び起こしている。ここが大事なところではないでしょうか。

集団的自衛権――この歴史的暴挙に空前の国民的反撃を

 集団的自衛権の行使を容認し、「海外で戦争する国」づくりに対し、これまでにない広大な共同の輪が広がっています。全国7500の「9条の会」がどこでも活発化し、発展しつつあります。全国で、弁護士のみなさんとの共同が進んでいることも、うれしいことです。保守の政治家、歴代の内閣法制局長官、改憲派の学者のみなさんなどとも、「立憲主義を守れ」の一点での共同が広がっています。若者憲法集会が画期的な成功をおさめ、若い世代が声を上げ始めたのも本当にうれしいことです。(拍手)

 こういう草の根からのたたかいが世論を変え、一連の世論調査では、解釈変更による集団的自衛権の行使について、国民の5割から6割が反対の声をあげ、反対の声は日に日に広がりつつあります。

 いま、政府が決めようとしている「閣議決定」なるものは、日本に対する武力攻撃がなくても、「国民の権利が根底から覆される明白な危険」があるときには、集団的自衛権の行使をするという内容になるとされています。

 これをもって「限定」というわけですが、「明白な危険」を判断するのは誰か。きょう、(政府の)「想定問答」が報道されていますが、「政府が全ての情報を総合して判断する」という答えが用意されています。では、「その情報を示しなさい」と国民がいったらどうなるでしょうか。「それは、特定秘密です」(笑い)。つまり、国民にも国会にも真相は知らされないまま、時の権力の裁量で、どこまでも範囲が広がるのが真相であって、このようなクーデターにも等しい憲法破壊の暴挙は絶対に許すなという声をつきつけようではありませんか。(大きな拍手)

 同時に、一片の「閣議決定」で自衛隊を動かせるわけではありません。たたかいは今後も長く続きます。このたたかいの帰趨(きすう)を最後に決めるのは国民の世論と運動です。戦後の日本の国のあり方を根底から変えてしまうような歴史的な暴挙ですから、空前の国民的な反撃をもってこれを迎え撃ち、憲法破壊、軍国主義復活のくわだてを打ち破るために、ともに力をあわせてがんばりぬくという決意を申し上げたいと思います。(拍手)

国民生活破壊の暴走をめぐるせめぎあい

 国民生活破壊の暴走に対しても、たたかいがおこっています。この通常国会では、“数の暴力”で多くの悪法が強行されました。同時に、重要な成果も生まれています。

 日本共産党は国会冒頭にブラック企業規制法案を提出しました。この間の一連のたたかいで、違法行為の是正、離職者数の公表、固定残業代制の是正など厚労省を動かす仕事もしてきました。そういうこととあいまって、ブラック企業規制法案は、会期末に廃案とならずに、次国会への継続審議になったということを報告しておきたいと思います。

 そして、「生涯ハケン」「正社員ゼロ」社会に道を開く、労働者派遣法の大改悪案は、審議未了・廃案に追い込むことができました。これも確信にして大いにがんばりたいと思います。(大きな拍手)

国民のたたかいと原発再稼働差し止め判決

 原発再稼働の暴走に対しては、「再稼働反対・原発ゼロ」をめざす官邸前行動が2年以上にわたって続けられ、全国でも行動が続くもとで、世論が大きく変わっています。時事通信の最近の世論調査では、8割が原発ゼロを願うという結果が出ています。

 そのなかで、福井地裁が大飯原発再稼働差し止めの画期的な判決を下しました。これは、国民の世論と運動が司法に対する不当な圧迫をとりのぞいて、司法が本来の「法と正義」にもとづく理性的な判決を下すことを可能にしたものだと思います。国民の世論と運動が根底で働いているということに確信を持って、ここでも運動をさらに発展させたいと思います。

「オール沖縄」の共同を発展させて知事選勝利を

 最後に、もう一つ大事な問題をどうしても言っておきたい。米軍新基地押し付けの暴走とのたたかいです。名護の新基地建設にむけて、いま政府はたいへんに強硬な姿勢をとっています。地元住民を周辺海域から追い出して、ボーリング調査を強行しようとしております。

 これに対して沖縄でいま進んでいることは、これまでの保守・革新の枠組みを超えた共同の前進です。「県内移設反対」「普天間基地の閉鎖・撤去」をうたった「建白書」という大義の旗を掲げて、島ぐるみの共同―「オール沖縄」の共同が力強く進んでいる。ぜひ、この流れを大きく発展させて、秋の県知事選挙では、必ず勝利をかちとろうではありませんか。(拍手)

「一点共闘」の“要”、政治を変える“懸け橋”として

 暴走の一歩一歩が、矛盾を広げ、新たな共同をつくりだしつつあります。まさに革新懇出番の情勢だと思います。「一点共闘」の連帯の“要”として、そして「一点共闘」が、日本の政治を変える大きな統一戦線に発展していく“懸け橋”として、革新懇運動がますます発展することを願い、私たちも、この運動の提唱者の党として、この運動の前進のために力を尽くす決意を申し上げて、私の発言といたします。がんばりましょう。(拍手)