志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

TV発言

2014年12月4日(木)

TBS系番組NEWS23 志位委員長の発言


 日本共産党の志位和夫委員長は2日夜放送のTBS系番組「NEWS23」に出演し、各党党首と討論しました。


総選挙の争点――「安倍政治」が問われる。「チェンジ」を

 「選挙戦の争点」について聞かれ、志位氏は「安倍政治」と書き、次のように述べました。

 志位 安倍政治が丸ごと問われる選挙だと思います。

 この2年間の安倍政権の政治はどうだったでしょうか。安倍さんは「この道しかない」とよくおっしゃるんですが、この道は「危ない」と感じられている方が多いのではないでしょうか。

 この間のことを振り返っても、消費税の増税、集団的自衛権、秘密保護法、あるいは原発の再稼働、沖縄の新基地建設。国民の5割、6割、7割が反対していることを、強権的な姿勢で押し通してきた。

 この暴走をストップし、日本の政治の転換を、チェンジを訴えて選挙をたたかいたいと思っております。

「アベノミクス」――大企業応援から暮らし第一に政策の転換を

 JNNの世論調査で「景気回復の実感はない」という回答が88%にのぼったことが紹介され、アベノミクスについて議論になりました。「アベノミクスを続ければ働く人の給料は増えるか」について、志位氏は「×」を掲げました。自民・安倍晋三総裁、公明・山口那津男代表は○とも×とも答えず、「道半ばですから」(安倍氏)などと言い訳しました。志位氏は次のように述べました。

 志位 アベノミクスの考え方そのものに間違いがあると思うんですよ。

 先ほど、安倍さんは「企業がもうければ、だんだんと暮らしにまわる」、いわゆるトリクルダウンの理論をおっしゃいました。しかし、そうなっていないわけです。

 「雇用が増えた」といいますけれども、非正規の方が増えていますが、正社員は2年間で22万人減っている。「賃金が上がった」というけれども、実質賃金は16カ月連続マイナスですよ。そうなっていない。

 ですから考え方を変えて、大企業応援から暮らし第一に転換が必要だと思います。

 具体的にいいますと、大企業は285兆円の内部留保を持っています。これがどんどん増えて、ダムのようにたまっちゃっています。これを実際の経済に還流させていく。活用していく。そして大幅な賃上げと安定した雇用を増やす。そのために政治がきちんとした「暮らしを守るルール」をつくる。雇用を守るルールをつくる。中小企業をしっかり振興していくルールをつくる。このことによって国民の所得が増えて、経済が内需から活発になって、そしてまともな(成長の)軌道に乗る。こういう方向に転換しないといけないと思います。

 安倍首相は「企業が収益を上げないでどうやって雇用をつくるんですか。どうやって賃金を上げるんですか」と発言。志位氏は、次のように指摘しました。

 志位 総理は、賃上げのために努力するといわれるんですが、やっていることは「賃下げ政策」です。

 一番の象徴は労働者派遣法の改悪だと思うんです。これまで派遣というのは、「臨時的・一時的な業務」に限定するという大原則がありました。これを外してしまって、「原則1年、最長でも3年」という期間制限まで外してしまって、同一の仕事でも人を代えればずっと使い続けることができる。それから、ある派遣労働者がAという部署がBという部署にかわると、永久に派遣で使われることになる。ですから「生涯ハケン」という賃下げ政策をやるのはほんとうにやめるべきです。

 この問題、二つの国会で廃案となったわけです。ですから、もう二度と持ち出さないということをぜひ求めたいですね。

集団的自衛権――自衛隊が「戦闘地域」に行って戦争する危険

 安倍内閣が閣議決定した集団的自衛権の行使容認について議論となりました。「集団的自衛権が行使できないと日本の平和は守れないか」との問いに、志位氏は「×」と答え、安倍、山口両氏は答えませんでした。安倍氏は、「外交も大切」とし、「国の存立が根底から脅かされる明白な危険があるときのみ使う」と述べました。志位氏は次のように強調しました。

 志位 7月1日の「閣議決定」というのは、国連の活動に対する後方支援、そして集団的自衛権の2本柱になっていますが、その全体の危険はどこにあるか。

 安倍さんともずいぶん国会で論戦してきました。党首討論もやってきました。具体的な危険は、2001年のアフガニスタン戦争、2003年のイラク戦争のような戦争をアメリカが引き起こした際に、自衛隊が従来の「戦闘地域」とよばれている地域まで出て行って軍事支援を行うことになる、ということを総理は答弁でお認めになりました。

 「戦闘地域」にまで行くわけですから、当然攻撃対象になる。攻撃されたらどうするんですかと、詰めた議論をやったときに、「武器の使用をする」と(首相は)お認めになった。そうしますと戦闘になるんです。

 こういうと、安倍さんは「武力行使を目的とした戦闘には参加しない」とおっしゃいますけれど、多国籍軍の後方支援のあり方が、「戦闘地域」でも可能になってしまうと、戦闘になってくる。これが問題なんです。ですから、まさに「海外で戦争をする国」づくりです。

 これに対し安倍氏は、「今まで戦闘地域、非戦闘地域というわけ方をしてきたが、今度は『戦闘現場』という形にしている」、山口氏も「多国籍軍の後方支援は武力行使ではない」と述べました。志位氏は次のように指摘しました。

 志位 反論しておきますと、今度は「戦闘地域」という概念をなくしたわけです。これまで「戦闘地域にいってはならない」という概念があったわけですが、その概念をなくして、「戦闘現場」と置き換えてたわけです。現在、戦闘が行われている場所にはいってはいけない。しかし、自衛隊のいる場所が「戦闘現場になりうる」ということを総理もお認めになった。そこで戦闘が起こるじゃないか。多国籍軍への後方支援であっても兵たんの支援であっても、戦争の一部ですよ。

 これに対し山口氏は「戦闘の現場になるときは、ただちにやめて逃げなさいということを閣議決定で決めている」と言い訳。志位氏は「逃げるといっても逃げられないだろうと聞いて、(首相は)『武器を使用する』といったわけですよ」と指摘しました。

選挙協力問題――大義をもとに共同すすめる

 野党間の「選挙協力」が議論になり、志位氏は次のように述べました。

 志位 今度の選挙で一部ではありますけれども、沖縄で選挙協力ができるようになってたたかっています。これは、翁長(おなが)さんが県知事に圧勝した結果をうけまして、翁長さんの勝利のためにたたかったすべての政党・会派が、保守・革新の垣根をこえて、今度は統一したたたかいをやろうということで、1区、2区、3区、4区全部でそういう支援の体制をつくって、県民を裏切った自民党は全部落とそうということでたたかっています。

 やっぱり選挙協力をやるんだったら、きちんと大義がなくちゃいけない。沖縄ではまさに新基地建設反対、「建白書」の実現という大義のもとに選挙をやっていますので、そのことがずっと広がっていくような状況ができたらいいなというふうに思っております。

「政治とカネ」――文書通信交通滞在費は見直しを

 「政治とカネ」の問題で、「文書通信交通滞在費」(月額100万円)の領収書公開などが議論になり、山口氏は「密度の濃い政治活動を支えるために役立っている」と述べました。志位は次のように述べました。

 志位 公開とともにもうひとつ提案したいんです。この100万円は東京在住者も100万円になっているんですよ。これは、1993年に75万円だったものを25万円上乗せしてしまったわけです。東京在住者には滞在費はいらないです。ですからこれは見直しして、やはりそういうところは削っていくということが必要だと思います。

原発再稼働――止めたまま廃炉プロセスに

 鹿児島・川内(せんだい)原発など原発の再稼働について問われ、安倍氏は「住民の理解を得ながら再稼働していきたい」と発言。志位氏は次のように答えました。

 志位 川内原発は、巨大噴火への備えもない。避難体制もまともなものはありません。再稼働をすべきではありません。福島の現状をみても、再稼働をしないで、すべての原発は止めたまま、廃炉のプロセスに入るべきだというのが私たちの立場です。