志位和夫 日本共産党

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演説・あいさつ

2015年9月7日(月)

学生と学者による街宣行動での志位委員長のスピーチ


 日本共産党の志位和夫委員長が6日の「安全保障関連法案に反対する学生と学者による街宣行動@新宿伊勢丹前 歩行者天国」でおこなったスピーチを紹介します。


戦後かつてない新しい国民運動――日本の未来にとっての大きな希望

写真

(写真)スピーチする志位和夫委員長=6日、東京都新宿区

 みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声、拍手)。日本共産党の志位和夫です。(歓声、大きな拍手)

 先週、8月30日、戦争法案の廃案を求めて、12万人もの人々が国会を大包囲し、全国1000カ所以上で抗議行動がとりくまれました(拍手)。私も、この行動に参加し、今、日本の社会が新しい段階に進みつつあることを感じました(拍手)。労働組合が動員をかけた1960年の安保闘争とは異なって、国民一人ひとりが、主権者として、「今声をあげなければ」と、みんな自覚的・自発的に立ち上がっている。これは戦後かつてない新しい国民運動ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 それは、戦後70年、日本国憲法の理念、そして民主主義の理念が、国民のなかにしっかり根をおろし、豊かに成熟しつつあることを示しているのではないでしょうか(大きな拍手)。そしてそのなかで、SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)をはじめとする学生のみなさんと、「学者の会」(「安全保障関連法案に反対する学者の会」)のみなさんが、素晴らしい役割を発揮していることは、日本の未来にとっての大きな希望だと考えます。(大きな拍手)

 この国民の声、国民の運動に、私たち野党がしっかりこたえなければなりません(「頑張って!」の声、拍手)。一昨日、七つの野党・会派の党首が会談し、「強引な採決を阻止」するために一致結束して頑張ることを確認しました(拍手)。野党共闘を強め、国民の運動を広げに広げ、憲法違反の戦争法案を必ず止めようではありませんか。(大きな拍手)

何のための集団的自衛権か――政府はまともな説明ができなくなっている

 みなさん。安倍政権と与党は、来週にも採決するといっています。「論点は出尽くした」などとも言っています(「ふざけるな!」の声)。とんでもない。審議が進めば進むほど、政府はまともな答弁ができなくなっているではないですか(「そうだ」の声、拍手)。参議院(安保)特別委員会は、この1カ月余で、何と95回も審議が中断しているではありませんか。

 三つの問題が浮かび上がってきました。

 第一に、何のために集団的自衛権行使が必要か。政府は、まともな説明ができなくなっています。

 安倍首相は、お母さんと子どものイラストまで掲げて、「日本人を輸送している米艦船を守らなくていいのか」と繰り返しました。ところが、先日、中谷防衛大臣は、日本人が乗っていなくても集団的自衛権の行使はありうると言いだしました。うそだったということになるじゃありませんか。(「そうだ!」の声、拍手)

 あれだけいっていた「ホルムズ海峡の機雷掃海」も、当のイラン政府が、海峡封鎖などはありえないと否定するなかで、もう政府は言えなくなっているじゃありませんか。(「そうだ!」の声、拍手)

 何のための集団的自衛権なのか、立法事実が説明できなくなっている。だったら、こんな法案は撤回するしかないではありませんか。(「そうだ!」の声、拍手)

 集団的自衛権の現実の危険はどこにあるか。アメリカは、戦後、ベトナム戦争、イラク戦争など、数多くの無法な先制攻撃の戦争をやってきました。そういう戦争に乗り出したさいに、自衛隊の参戦を求めてきても、これまでは「集団的自衛権は行使できない」と断ることもできました。しかし、戦争法案が通ったら、断れなくなります。アメリカに言われるままに、自衛隊がいっしょに戦争をすることになるでしょう。こんな恐ろしいことを絶対に許すわけにいかないじゃありませんか。(「そうだ!」の声、大きな拍手)

武力行使をしている米軍への兵たん――「歯止め」なくどこまでも広がる

 第二は、武力行使をしている米軍に対する「後方支援」=兵たんの問題です。これが「歯止め」なく、どこまでも広がっていく。

 これまでは「非戦闘地域」に限るという「歯止め」がありました。ところが、これが撤廃され、これまで「戦闘地域」とされてきた場所にまで自衛隊が行って、米軍への輸送や補給の支援をする。「戦闘地域」まで行けば、相手から攻撃されますね。攻撃されたらどうするか。国会でただしますと、安倍首相はしぶしぶ「武器の使用」をするといいました。いったん自衛隊が武器の使用をすれば、相手はさらに撃ってくるではありませんか。戦闘になるではありませんか(拍手)。憲法が禁止した武力行使そのものではありませんか。(「そうだ!」の声、拍手)

 さらに、これまではできなかった武器・弾薬の輸送、弾薬の補給もできるようになります。どんなものを運べるようになるのか。非人道兵器のクラスター弾、放射能をまき散らす劣化ウラン弾、さらに、毒ガス兵器や核兵器も、法文上は排除されていないと(政府は)認めました。「運ばない」といっていますが、法律には「運べない」と書いていない。こんな法案が、憲法9条のもとで許されるわけがないじゃないですか。(「そうだ!」の声、大きな拍手)

自衛隊の二つの内部文書――国民と国会を無視した「軍の暴走」は許せない

 第三に、それにくわえて、とんでもないことが明らかになってきました。私たちは、自衛隊の二つの内部文書を入手して、この間、国会で明らかにしてきました。

 一つは、自衛隊の幹部350人を、衆議院で審議が始まったその日――5月26日に集めて、戦争法案が成立することを前提にして、具体化のための検討の説明をしていた。そのときに使われた内部文書です。その内容を見ますと、恐ろしいことが並んでいます。たとえば、米軍と自衛隊の「軍軍間の調整所」を設置すると書いてある(「とんでもない!」の声)。みなさん。いつから自衛隊は軍隊になったのか。ふざけてはいけません(「ふざけるな!」の声、拍手)。米軍と自衛隊の共同軍事司令部を平時からつくるというのです。国会に一度も説明したことのないことがずらりと並んでいる。国会に一度も説明していないことを自衛隊が先取りしてやっている。これを「軍の暴走」と言わずして何と言うのか。(「そうだ!」の声、拍手)

 そして、もう一つ、最近、重大文書が出てきました。河野統幕長が昨年12月に訪米して、米軍の中枢幹部と会談している。その会議録と思われる内部文書であります。とんでもないことを話し合っています。

 去年の12月17日、総選挙の投票日の3日後です。そのときに、「安保法制は予定通り進んでいるか」と米軍側に問われ、この統幕長は「来年夏までには終了する」といっているんです(「とんでもない話だ!」「ふざけるな!」の声)。米軍に「来年夏まで」と約束している。戦争法案の「閣議決定」は5月ですよ。そのはるか前ですよ(「冗談じゃない!」の声)。安倍首相が米国の議会で「この夏まで」といって問題になったのは4月ですよ。そのはるか前ですよ。そのはるか前に、軍隊と軍隊との間で、日本の国会を無視して、国民を無視して、戦争法案を夏までに強行すると約束するなどというのは、みなさん、言語道断ではありませんか。(「そうだ!」の声、大きな拍手)

 みなさん。統幕長には、国会に出てきてもらおうじゃありませんか(大きな拍手)。徹底的に真相究明と、責任追及をやっていきます。どうか、応援してください。(「頑張れ!」の声援、大きな拍手)

違憲の戦争法案を絶対にとめよう――安倍政権をみんなの力で打ち倒そう

 みなさん。残る国会会期は3週間です。ここが頑張りどころですよ。

 圧倒的多数の憲法学者、歴代元(内閣)法制局長官に続いて、とうとう元最高裁判所長官をつとめた山口さんが、「憲法違反」とおっしゃいました。「合憲か違憲か」の論争には、もう決着がついたのではないでしょうか。(「そうだ!」の声、拍手)

 どんなに安倍政権が国会で多数をもっていても、憲法違反の法律は通すことはできない。そんな権利は、だれも持っていない(「そうだ!」の声、拍手)。立憲主義の国ではもっていない。(「そうだ!」の声、拍手)

 みなさん。どうか、戦争法案を廃案に追い込むために、最後まで頑張りぬこうではありませんか。(「そうだ!」の声、拍手)

 安倍政権を打ち倒そうではありませんか。(「そうだ!」の声、大きな拍手)

 安倍政権を倒して、「立憲主義」と「民主主義」と「平和主義」を貫く、新しい政治をみんなでつくろうではありませんか。(大きな拍手)

 頑張りましょう。ありがとうございました。(「頑張ろう」の声、歓声と大きな拍手)