志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

主な活動

2017年7月20日(木)

歴史踏まえ激動の情勢切り開こう

歴史的激動と日本共産党――都議選と国連会議について 志位委員長が講演

日本共産党創立95周年記念講演会 東京・なかのZEROホール


 日本共産党は19日夜、東京都中野区の「なかのZEROホール」で党創立95周年記念講演会を開きました。開場3時間前にはすでに開場を待つ人の姿も。時間がたつほどに人の列が伸び、開場1時間前にはホールを取り巻く長蛇の列ができました。都議選をともにたたかった勝手連の人たちも詰めかけ、安倍政権の暴走に正面から対峙(たいじ)する日本共産党に注目が広がる中、「一度、話を聞いてみたい」と参加した人など、会場は熱気にあふれました。都議選を勝ち抜いた19人が壇上で紹介され、原のり子新都議、大山とも子都議団幹事長があいさつしました。志位和夫委員長が「歴史的激動と日本共産党―都議選と国連会議について」、不破哲三社会科学研究所所長が「日本共産党の95年の歴史を語る」と題して講演。歴史的激動のもとで輝きを増す日本共産党綱領の生命力をいきいきと語った両氏の講演の節々で、満場の参加者はうなずき、熱い拍手で応えました。小池晃書記局長が司会をしました。会場の大ホールは早々と満席になり、第4会場までいっぱいになりました。全国1057カ所の会場でネット中継が視聴されました。会場の入党相談コーナーには、次々と相談者が訪れました。


写真

(写真)志位和夫委員長の記念講演を聞く人たち=19日、東京都中野区

 「私たちは、日本共産党創立95周年を、国内外の二つのうれしい出来事のもとで迎えました」。会場を埋め尽くした参加者を前に志位氏は、東京都議選での日本共産党の躍進、「国連会議」での人類史上初めての核兵器禁止条約の採択という二つの歴史的な出来事に焦点をあてて、講演を行いました。

 日本共産党が17議席から19議席へ躍進した今回の都議選。志位氏は「これまでの一連の選挙での躍進とは一味違う喜びがあります」と語り、少なくない選挙区で最後の1議席を自民党との激戦を制してかちとったことを強調。これまでの選挙では、自民党の支持が崩れるもとで「非自民」の「受け皿」がつくられ日本共産党は後退を余儀なくされ、今回も「都民ファーストの会」という「受け皿」勢力が登場する難しい条件の選挙でしたが、党は躍進を果たしました。

写真

(写真)講演する志位和夫委員長

 「なぜ勝利できたのか」と問いかけた志位氏は、「自民・公明対共産党」という対決軸を貫いた政治論戦が全体として正確だったことなどに加え、二つの点が大切だと思うと述べました。

 第一は、安倍・自民党の崩れが、かつてないほど深刻だったことです。

 「森友・加計」疑惑など国政の私物化、「共謀罪」法の強行や9条改憲など憲法破壊の暴走、異論を敵視する傲慢(ごうまん)な姿勢に都民の怒りが噴き上がり、「政策に対する批判だけでなく、その体質・政治姿勢に対する批判、嫌悪感」が深く広がりました。志位氏は、「安倍・自民党に対して、あらゆる問題で、一番のぶれない対決者として奮闘してきた日本共産党への期待が広がりました」と述べ、安倍・自民党の崩れは全国いたるところで起こっているとして、次期総選挙に向けて安倍政権打倒のたたかいを全国で起こそうと呼びかけました。

写真

(写真)記念講演会で拍手をおくる人たち=19日、東京都中野区

 第二は、日本共産党が野党と市民の共闘を呼びかけ、実践してきたことに、これまでにない広範な人たちから評価を受けたことです。

 都議選で日本共産党は、6選挙区で他会派・無所属候補を支援・推薦し、21選挙区で他党・他会派の支援・推薦を受け、かつてない共同が広がりました。「野党と市民の共闘によって、本気で安倍政権を倒す、本気で安倍政権に代わる別の選択肢―『受け皿』をつくるという道に踏み出していたからこそ、党派の違いを超えて支援の輪が広がったのではないでしょうか」と語りました。

 首都・東京の審判は安倍政権にレッドカードをはっきり突き付けたとして、「野党と市民のしっかりした共闘の態勢を、最大のスピードでつくりあげ、安倍・自公政権を解散へと追い込みましょう。来たるべき総選挙で野党と市民の共闘の成功、日本共産党の躍進で、安倍政権を倒し、国民の声が生きる新しい政治をつくろうではありませんか」と呼びかけました。

 志位氏は、7日にニューヨークで行われていた「国連会議」が、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約を採択した歴史的な壮挙について、日本共産党が会議成功に向けて一つの貢献ができたことも紹介しながら、「国連会議」が達成したもの、そこから見えてくる新しい世界、今後の課題を報告しました。

 条約の内容では、「前文」で核兵器の非人道性を厳しく告発しているとして、被爆者を先頭に、日本の原水爆禁止運動が戦後一貫して訴えてきたことが国際社会の基本認識となったと指摘。「ヒバクシャ」が「核兵器のない世界」の創造者として明記され、「まさに『理性とハートを結ぶ』、血の通った温かい条約となっています」と語りました。

 条約の「心臓部」である第1条は、核保有国や同盟国の「核抑止」論を否定し、「核の傘」に入ることも禁止し、抜け穴をすべてなくし、文字通り、核兵器を全面的に禁止する内容となっています。

 さらに特筆すべきことは、被爆者援護の規定だとして、「戦後70年余の世界と日本のたたかいがつくりだした条約であることを、みんなの確信にし、誇りにしようではありませんか」と訴えました。

 志位氏は「核兵器問題にとどまらず、国際政治における大きな転換点となる歴史的会議ともなりました」と語り、「国連会議」で現れた21世紀の世界の新しい姿として、▽国際政治の「主役」が、一部の大国から、多数の国々の政府と市民社会に交代した▽国際社会における民主主義の発展▽核兵器にしがみつく逆流がいよいよ追い詰められた―という三つの点を強く実感したことを詳述。この中で、国際社会が核兵器を違法化することは、北朝鮮に核開発を放棄させるうえでも大きな力になると強調しました。

 核兵器禁止条約の採択を新たなスタートとして、「核兵器のない世界」―核兵器完全廃絶へ進むうえで、▽条約そのものがもつ力▽条約をつくりあげた世界の多数の諸政府と市民社会の力▽核兵器保有国と同盟国で、核兵器禁止・廃絶をめざす世論を多数とし政治的力関係を変え、条約に参加する政府をつくる―の三つの力をあわせることが大切だと訴えました。

 志位氏は、唯一の戦争被爆国・日本で、政治を変えるたたかいはとりわけ重要だと述べると同時に、「野党と市民の共闘の課題」として核兵器禁止条約を位置付けることを提案。さらに、国際連帯を大きく発展させ、国内外で共同を強め、「核兵器のない世界」を実現しようと訴えました。

 最後に志位氏は、「党創立95周年にあたって何よりもの喜びは、これまでにない新しい友人を、日本でも、世界でも広げていること」だとのべ、その根本には、「党綱領という世界と日本の進路を見通す確かな羅針盤があり、それが生命力を発揮しています」と力説。日本共産党への入党を心を込めて訴えました。

 党創立100周年に向けて「95年のたたかいを経てつかんだ成果、切り開いた到達点に立って、開始された統一戦線を発展させ、安倍政権を倒し、野党連合政権に挑戦しようではありませんか」と呼びかけると、満場の拍手がわき起りました。