志位和夫 日本共産党

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演説・あいさつ

2023年6月22日(木)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が21日の党国会議員団総会で行った通常国会閉会にあたってのあいさつは次の通りです。


写真

(写真)議員団総会であいさつする志位和夫委員長=21日、衆院第2議員会館

 みなさん、お疲れさまでした。国会閉会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。

 私は、開会にあたっての議員団総会で、「日本共産党の存在意義をかけてこの歴史的国会をたたかいぬこう」と呼びかけました。

 この国会は、衆参の国会議員団、事務局のみなさんの大奮闘によって、平和・暮らし・人権を断固として擁護し、発展させる日本共産党の存在意義が輝いた国会になったと思います。(「そうだ」の声、拍手)

 今後の党活動全般の方針は、(6月)24、25両日に開催される第8回中央委員会総会で明らかにしていきます。

 今日は、通常国会で衆参国会議員団が果たした抜群の役割について、みなさんの大奮闘への敬意を込めて、まとめてのべておきたいと思います。

敵基地攻撃能力保有・大軍拡と真正面からたたかい、「平和の対案」を掲げて奮闘

 まず、岸田政権がすすめる敵基地攻撃能力保有と大軍拡と真正面からたたかい、「平和の対案」を掲げての奮闘であります。

 衆参の議員団の連携した論戦で、「専守防衛に徹し」、「日本を守るため」という「二つの大ウソ」を根本から暴きだしました。日本をアメリカの対中国軍事戦略の最前線基地とし、日本に戦火を呼び込む深刻な危険をつくりだす――ここにいま行われていることの本質があることを明らかにしました。国会で、大軍拡のこうした本質に正面から切り込む論戦を行ってきた党は、文字通りわが日本共産党国会議員団だけと言って過言ではないと思います。(拍手)

 わが党の奮闘は、国民世論の前向きの変化にもつながっています。最近の世論調査の結果を見ますと、5年間で43兆円の大軍拡に半数以上の国民が反対し、軍拡増税には8割の圧倒的多数の国民が反対しています。5月3日の憲法大集会、6月11日の若者憲法集会が大きく成功するなど、大軍拡に反対する国民運動が大きく広がりつつあります。わが党議員団が、「沖縄を再び『捨て石』にするな」という論陣を張るなかで、沖縄では、辺野古新基地建設と長射程ミサイル配備に反対する県民の運動が大きく広がっています。沖縄への連帯をみんなで確認したいと思います。(拍手)

 日本共産党は、「戦争の準備ではなく、平和の準備を」を合言葉に、この間、「平和の対案」をさらに具体的に発展させてきました。3月30日に発表した提言――「日中両国関係の前向きの打開のために」に対して、日中両国政府から肯定的な受け止めが表明され、外国特派員協会などメディアでも注目が広がりつつあることは重要であります。

 この間の米国のブリンケン国務長官の訪中などを見ても、米中が、意見の違いも含めて長時間の意見交換を行い意思疎通をはかっていることは注目されます。「日中提言」の方向が実るよう、引き続き内外で力をつくしたいと思います。

 みなさん、日本共産党国会議員団が、平和を守り、平和をつくる仕事を、文字通り最前線で立派に果たしてきたことを、お互いに確認して、さらに奮闘しようではありませんか。(拍手)

暮らしを守る具体的対案示し奮闘――インボイス増税反対、保育士の配置基準改善でも

 日本共産党議員団は、物価高騰から暮らしを守る論戦でも、最低賃金の抜本的な引き上げ、大企業の内部留保に対する時限的課税による賃上げの推進、消費税減税とインボイス中止、高等教育無償化をめざす提案、子育て支援の三つの提案など、わが党ならではの具体的な対案を示して奮闘してきました。

 とくに二つの点をのべておきたいと思います。

 一つは、わが党議員団が、インボイス中止を求める大論戦を連携して行い、「ストップインボイス」の運動の発展に貢献してきたことであります。とくに、インボイス導入によって年間売り上げ300万円のフリーランスの場合、消費税負担が年13・6万円も増えることを財務省に認めさせた論戦は、大きなインパクトを与えました。「増税もう無理」「インボイス増税反対」が、運動のスローガンになっています。10月導入を何としても中止に追い込むために、国民とともに最後までたたかいを広げに広げようではありませんか。(「よし」の声、拍手)

 いま一つは、保育土の配置基準についてただしたわが党議員団の論戦が政府を一歩動かしたことであります。わが党議員団は、保育士の配置基準が、75年間もまったく変わっていないことを示し、その改善を強く迫る論戦を行いました。この提起に対して政府も否定できなくなり、その後、政府が6月に策定した「こども未来戦略方針」――この方針全体は看板倒れのものでありますが――その中に保育士の配置基準を改善するとともに、処遇改善を行うことを検討することが明記されました。現場の切実な声を代弁した論戦で、配置基準改善を約束させたことは重要であり、抜本的な改善の実現のためにさらに奮闘しようではありませんか。(拍手)

一連の悪法に正面から対決、立法根拠を崩す――どれもたたかいはこれから

 通常国会の後半、日本共産党議員団は、一連の悪法との激しいたたかいに総力をあげてとりくみました。二つの委員会、三つの委員会をかけもちして大奮闘された同志もたくさんおられます。

 5年間で43兆円の大軍拡の財源を捻出する「軍拡財源法」、国民の血税で軍事大企業を育成する「軍需産業支援法」、原発回帰への大転換をすすめる「原発推進5法」、健康保険証を廃止してマイナンバーカードを強要する「マイナンバー法改悪」、難民・外国人の命を危険にさらす「入管法改悪」など、国のあり方の根幹にかかわる一連の悪法に対して、院外の市民・国民のたたかいと一体に、そのすべてに正面から対決する論陣を張った党が、日本共産党でありました。

 衆参議員団が一体となっての論戦によって、どの悪法についても、立法の根拠が根本から崩壊しました。「入管法改悪案」は、わが党議員団の論戦によって、「(難民認定)申請者の中に難民がほとんどいない」との政府の言い分に全く根拠がないことが明らかにされ、「立法事実」が崩壊しました。大阪入管で医師が酩酊(めいてい)していたことが明らかにされ、入管の無責任な体質がまたも明るみに出されました。論戦によって法案はボロボロになり、市民運動が大きく高揚し、それは、現行入管制度の抜本的な民主的改革を求める運動として発展しています。

 「マイナンバー法改悪」に対して、わが党議員団は、他人の医療情報が誤ってひも付けされている問題をはじめ、制度をゆるがす大間題を次々に明らかにしてきました。法案が強行された後も、新聞各社が社説でいっせいに実施の凍結・中止を求めるなど、この悪法に対する国民の批判の声は、圧倒的な声となって広がっています。こんなにトラブルが続出するもとで、実施など絶対にあってはならないことであります。いったん運用を停止して全面的な総点検を行うとともに、紙の保険証廃止の中止・撤回を求めてたたかおうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 数の暴力によって、一連の悪法は強行されましたが、どの問題でもこれに反対する市民的、国民的運動が大きく広がっています。ですから、たたかいはまさにこれからであります。悪法の実施を許さないたたかいに、引き続き全力をあげる決意を閉会にあたって固めようではありませんか。(「よし」の声、拍手)

岸田政権の強権ぶりと「悪政4党連合」の悪辣な姿――総選挙で厳しい審判を

 一連の悪法の強行は、岸田政権の強権ぶりとともに、自民、公明、維新、国民の「悪政4党連合」の悪辣(あくらつ)な姿を天下にさらすものになりました。維新・国民は、悪法を「より悪く」しながら強行するという役回りを演じました。「LGBT理解増進法案」は、超党派で合意した案を、自民・公明が大きく後退させたうえ、最終局面で、維新・国民によって「全ての国民の安心に留意する指針を策定」という、「理解増進」どころか、差別を助長しかねない文言が入れられ、悪法に変質させられたことは、絶対に許すことができません。(「そうだ」の声)

 みなさん、来たるべき総選挙を、日本共産党の躍進によって、岸田政権と「悪政4党連合」に厳しい審判を下す選挙にしていこうではありませんか。(「よし」の声、拍手)

学術会議法改悪案の提出を断念に追い込む――改悪の根を断つまで手を緩めずたたかいを

 悪法とのたたかいで、最後に特筆すべき成果として確認しておきたいのは、今国会での日本学術会議法改悪案の提出を断念させたことであります。この問題でも、政府の改悪案を正面からいち早く国会で追及したのは日本共産党でした。わが党議員団が、首相に「期限ありきということではなく、学術会議と意思疎通をはかりながら検討をすすめていきたい」と答弁させ、今国会への提出断念に迫い込んだのは、国民みなさんのたたかいと結んだ大きな成果であります。改悪の根を断つまで手を緩めずたたかいを発展させようではありませんか。(「よし」の声、拍手)

いつ解散・総選挙になっても躍進できる準備をすすめつつ、党勢拡大の飛躍的うねりを

 最後に、統一地方選挙の総括と教訓、総選挙躍進をめざす方針、党大会をめざす党勢拡大の方針については、8中総で全面的に明らかにしていきたいと思います。

 8中総では、「政治対決の弁証法」という立場で、わが党のたたかいの到達点を大局的に明らかにするとともに、この間、行われてきた日本共産党攻撃に対しても、わが党の立場を全面的に明らかにしていきたいと考えています。

 8中総から、来年1月の第29回党大会までの時期は、日本共産党にとって文字通り命運がかかった重要な時期になります。いつ解散・総選挙となっても躍進できる準備をすすめながら、「130%の党」の実現をめざして党勢拡大の飛躍的なうねりを何としてもつくりだし、党大会を歴史的成功に導くためにともに奮闘することを呼びかけて、あいさつとします。

 ともにがんばりましょう。(「よし」の声、大きな拍手)