志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

党の会議での報告

2023年7月25日(火)

党攻撃を前進の力に転化する攻勢的な政治指導を

幹部会 志位委員長のまとめ


 24日の日本共産党幹部会で志位和夫委員長が行った討論のまとめは次のとおりです。

写真

(写真)幹部会で発言する志位和夫委員長=24日、党本部

 たいへんに率直な、自己分析的な発言が続いたと思います。福岡県の経験は本当にたくさんの豊かな教訓を含んでおり、みんなで学びあいたいと思います。そのうえで、まとめで強調しておきたい問題があります。

7月末の「大運動」に対する基本姿勢について

 まず、7月末の私たちの「大運動」に対する基本姿勢についてです。7月は残すところ1週間ですが、7月中に、8中総決定をすべての党員、すべての支部に徹底することを最後まで追求していきます。

 そして党勢拡大について、「党員でも、読者でも、せめて前進すれば」と目標を割り引くことは決してしないことを、まずみんなで確認したいと思います。今日の討論でも明らかになったように、「130%の党」をつくるという党大会決定、7中総決定、8中総決定の根本命題をもう一度しっかり据え、その第一歩として7月は、それぞれの党組織が自ら決めた目標――7月目標をやり抜くことを確固として揺るがず貫いて、あと1週間頑張りぬく必要があります。

 そのために、一つは、「大運動」をすべての地区委員会の本格的な運動にしていく。入党者を迎えた地区委員会がようやく過半数を超えたところでありますが、これを文字通り100%にしていくことです。もう一つは、すべての支部が働きかけに踏み出すことです。このことを最後まで追求していきたいと思います。

 そのための方針は明瞭です。8中総決定が土台ですが、そのうえに7月10日に幹部会で確認した方針があります。さらに、7月21日に小池本部長が提起した方針があります。これらの方針を最後まで貫徹する――「貫徹力」が私たちに問われていると肝に銘じて頑張りたいと思います。

いま求められている政治指導の核心とは何か

 私が最後に訴えたいのは、いま求められている政治指導の核心とは何かという問題です。一言でいえば、わが党に対する攻撃を前進の力に転化する、そういう攻勢的な政治指導をやろうではないか。そして、そうした政治指導によって全党の同志のみなさんの心に灯をともし、勇気を奮いたたせる。これが、私たち指導部にある者の責任だと思います。

 8中総決定でも述べたように、わが党に対する攻撃はたいへんに激しいものがあります。わが党綱領に対して、安全保障政策をみても「現実性がない」と言った攻撃が行われています。党の組織のあり方に対して、とくに党規約でさだめた民主集中制にかかわって、「異論を許さない党」「閉鎖的な党」だとの攻撃が行われています。そして、党指導部のあり方に対する攻撃も行われています。

 今日、さきほど小池書記局長から報告がありまして、いま書記局長が緊急の会見をやっておりますが、維新の会の馬場代表が、日本共産党について、「日本からなくなったらいい政党」という暴言をのべました。わが党に対する政治的、政策的な批判があるならば、それを言ったらいい。われわれも反論します。しかし、「なくなったらいい」と、わが党の存在そのものを否定するということになりますと、これは民主主義の社会ではあってはならない暴言となります。小池書記局長が緊急会見をやり、「強く抗議して撤回を求める」ということを表明したところです。

「たいへん」とひるむのでなく、「チャンス」ととらえ、前進の力に

 そういう攻撃がおこっている。これらの攻撃に対して、この間ずっとたたかってきたわけですが、その時にわれわれがどういう姿勢でこれにのぞむのか。攻撃がおこったから「たいへんなことがおこった」とひるむのでなく、「これはチャンスなんだ」ととらえることが私は大事だと思っております。

 7月15日の「入党のよびかけ」を読んだある大学の名誉教授の方から、こういう感想が寄せられました。

 「簡潔で要領を得た101年の歴史と現在を示していると思います。共産党攻撃の歴史は、共産党の成長しようとする妨害物であるとともに、それを突破するまたとないチャンスだとみることもできるでしょう。危機はまさにそれに立ち向かう者のなすべき課題の提起でもあるというのが、私の長年の思いですが、それを言い当てていると思います」

 まさにそう私はとらえるべきだと思います。

 この間、日本共産党に対して、雨あられのように攻撃がかけられて、いまも続いているけれども、「これは困ったことだ」とひるむんじゃなくて、「たいへんなことだ」とおびえるんじゃなくて、これは「チャンス」だ、この攻撃を前進の力に変えていこう、前進に転化させようと、党の前進の力にしていく、そうした立場を訴えているのが8中総決定であり、7月15日の「入党のよびかけ」であります。

8中総決定と7月15日の「入党のよびかけ」の核心部分

 この問題にかかわって、8中総決定の一番の核心的部分を紹介しますと、8中総決定では、「なぜ共産党はこんなにバッシングされるのか」の問いに答えて、「わが党がかくも攻撃されるのは、端的に言えば、日本共産党が革命政党であるからです。……日本共産党に対する攻撃は、わが党が革命政党であることの証しであり、誇りをもって打ち破ろうではありませんか」と呼びかけています。攻撃を前進の力に転化して、みんなの誇りに変えて、前に進もうじゃないかと訴えた。これが8中総のいわば根本精神であります。

 この点では、7月15日の「入党のよびかけ」も同じでありまして、「いま、いろいろな形で日本共産党への批判や攻撃が行われていることについて、『どうして』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしそれは、私たちが何か悪いことをしているから起こっていることでしょうか。まったく反対です。私たちへの攻撃は、101年の歴史が証明しているように、私たちが、平和・民主主義・人権・暮らしのために、国民とともに不屈にたたかい、それを阻むゆがんだ政治を『もとから変える』ことを大方針に掲げている革命政党であることの証しではないでしょうか。古い政治にしがみつく勢力からの攻撃は、新しい政治をつくるものの名誉だと考えて、多くの方々と力をあわせて打ち破っていく。これが私たちの決意です」とのべています。

 これは、8中総の中心的な命題をふまえて書いたものであります。「たいへんなことだ」ととらえるんじゃなくて、「チャンス」ととらえて、攻撃を逆手にとって前進のばねに転化していく。これがいまの私たちの姿勢として大事ではないでしょうか。

 この点で、私が、思い起こすのは、「自民か、民主か」の「二大政党づくり」による“共産党封じ込め”のキャンペーンが非常に激しかった2000年代をふりかえってみますと、あの時代は、日本共産党についてはまったく報道されませんでした。私たちは「沈黙の壁」と名づけたことがありますが、わが党が何をやっても一行も報道されない。いいも悪いも報道しない。これはたいへんにきついものであります。それに比べれば、報道されているというのは、悪いものでも恐れられている証拠ですから、結構なことだとは言いませんが、放っておけば党の前進の重大な妨害物になりますから放っておくわけにはいきませんが、しかし、逆手にとって前進の力に転化させることができる。それを提起したのが8中総決定であり、7月15日の「入党のよびかけ」であります。

福岡県から学ぶべき核心 ――党の「心臓部」への攻撃を党勢拡大で打ち破る

 今日の幹部会では、福岡県の教訓が大事だ、みんなで学ぼうということになりました。私は福岡県の教訓の核心部分はここにあると思います。つまり、いまの攻撃は、わが党の綱領、規約、指導部、つまり「心臓部」にかけられた攻撃だ、ならばこれを党勢拡大によって打ち破ろうではないかと、まさにいま求められている政治指導の核心部分をつかんで、攻撃を逆手にとって前進に転化させる、そういう政治的な意思統一を見事にやって力を発揮しているのが福岡県だと思います。「福岡県に学ぼう」という場合、その中身の核心部分はここにあると思います。そういう討論を福岡西部地区委員会でやり、門司・小倉地区委員会でやり、八幡・戸畑・遠賀地区委員会でやり、変化を次々とつくっている。この一番の要の部分を、しっかり握れば、私は必ず前進できると思います。

 たとえ話ですが、ヨットは向かい風でも前に進むことができるそうです。帆船は帆を調整すれば向かい風でも前に進める。一番困るのは無風状態になることで、止まってしまいます。私たちは、いま逆風にさらされていますが、逆風をうまく利用するならば、前に進む力に転化することができるのです。

 そこらへんの妙味をつかむと、いま面白いことが起こっているということになります。わくわくした気分にもなると思います。そこらへんをみんなにつかんでもらって、元気いっぱい頑張りたいと思います。そうした攻勢的な政治指導をやり切り、この1週間で立派な結果を出し、8月のさらなる前進につなげていくために頑張りたいと思います。